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2章第13話 メンタルハラスメントはご禁制です

「この子、何ッポルか?❤️ 怖いどころかめちゃくちゃカワイイッポル!!❤️」
「何たる可愛らしさ…❤️ 私にも良く観察させてくれたまえ❤️❤️」
「好き……❤️」

 こうなるとむしろ困ったのは謎きのこのほうです。
 だらしなくよだれを垂らし、完全に(さっきとは違う意味で)我を失った男たち――まぁきのこに雌雄はないんですが――が突然ゼロ距離でキャッキャしはじめたわけですから。
 それはもう、ストレスフルなわけです。

「……オ…オマエラ……」
「ん?何か言いたいっぽるか?♥」
「小刻みに震えてどうしたのかね?♥ もしや寒いのかね?それはいけない!」
「震えててもカワイイ…好き❤️」

 誰かが一言言うたびに、謎きのこの柄に縦筋が走る。
 誰かが一言言うたびに、謎きのこのわななきが大きくなる。

「……オマ……エラァ……!」

 あ、これはダメなやつ。

「いい加減にしねぇと吹き飛ばしちまうぞ!!?」

「「「ヒィィィッ……!!!」」」

 怒髪天……怒傘天?の勢いで一喝する謎きのこに、基本小心者の集まりである一同は震え上がりました。
「グスン……」
「ご…ゴメンナサイッポル……」
「スミマセンなのだよ……」

 全員、言葉には出さないものの同じことを考えてました。
 最初の威圧感は幻ではなかった――やっぱり怖い。

 素直に謝る一同を見て、これ以上に責める必要はないと感じたのか、謎きのこは再び威圧を解いて「やれやれだぜ!」とため息。

「フゥ…ったくヨォ…次から気を付けるんだぜ!?」

 すぐに許してくれた謎きのこは、やはりとてもカワイイのでした。

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