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株と無職 ♯3日目

 夏休みの宿題は、夏休みが始まる前にあらかた終わっていた。進研ゼミの課題は、届いて数日のうちに終わらせていた。


 何か心に抱えていることがあると、目の前のことが楽しめなくなってしまうのは、子どもの頃からだったのだろう。この気質は、社会人になってからは、仕事を溜めない優秀さとして評価された一方で、常に何かに追われるストレスの原因にもなった。


 そんな自分が、退職を決めてから今日までの間、不思議なほどに、今後のお金のことを気にしていなかったことに気づき、少し焦った。


 慌ててオンラインバンクの貯金額を確かめる。元々物欲もなければ、趣味といっても読書くらいだけだから、今の貯金だけでも、数年は問題なく生きていけるだろう。


 でも、病気をしたら?

 このまま次の仕事が見つからなかったら(探してないから見つかるはずもないのだが)?


 急に不安になる。むしろなぜ今まで気にもかけなかったのだろう。辞めることに一生懸命だっただからだろうか。


 作っただけで放置していた証券口座のことをふと思い出し、株でも始めようかと思い立つ。

 生きていくためというよりは、新しい趣味にでもなればいいな、と今は思う。

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