84日目(4)‐ 本物の臭い飯
(前回の記事)
問診が済み、いよいよ牢へ……と思ったら、この日は入浴日に当たっていたということで、早々に入浴することとなった。
まだ僕はどの房にも属していないので、独居房用の個人浴室に入ることとなった。こう書くとなんだか特別な設備のようにも聞こえるが、何のことはない、一般家庭にあるような狭い風呂場である。ステンレスの浴槽があり、湯と水の蛇口もついている。家庭風呂と異なるのは、窓に格子がはまっているのと、壁に何の装飾も無く、コンクリートむき出しの寒々しい造りである点くらい