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時計仕掛けの花のパヴァーヌ2章雑感~リオの主張とDivi:Sionの謎を追え~


 この記事は2022年11月23日までに公開された情報を含みます。ネタバレには重々ご注意ください。
 また、本記事の内容は個人の見解と予想です。ご了承ください。


はじめに


 ツイートするには長すぎるしふせったーだと画像が添付できない。そんな時はnoteを活用する。それくらいの気楽さで日々を過ごしています。
 ブログを書いていない間、なにをしていたかと言うと総力戦で38位になったり、原神のスメール魔神任務で感動したり、水星の魔女キャンペーンでエアリアルを沢山食べたりしていました。「なにもしていない」のレトリックとも言う。
 エデン条約編の感想も年内にはがっつり書きたいところですが、まずはパヴァーヌです。パッヴァーヌですよ。1章から何気ない掛け合いや各キャラクターの主張といった諸要素の連動が魅力の物語。2章序盤の日常描写、もといアリスの冒険が後編でどう活用されるのか非常に気になります。
 他にも突如出現した謎の機械、アリスの出生にまつわる謎、モモイの不在、広がる不和……面白い要素だらけですね。主人公や主要人物に苦難を与え、重みで圧搾することで私欲、義憤、失墜感、それらに伴う奮起や勇気の発露といった感情が果汁のように滴ります。この汁こそ、冒険物語をより面白くする“旨味”だと信じています。まだ搾れる。もっと圧かけられるよ。
 
 さて、今回は全体の雑感と言うよりは、プレイヤーの既知の情報から考える「リオの語る真実」の難点。そして、今後のリオとゲーム開発部の攻防の予想が主題になります。
 人によってはさらっとネタバレが飛び出す可能性があります。程々に気をつけておいてください。
 

Dibi:Sionの謎とリオの主張


 突然ミニスカ黒スーツの生徒会長が現れて「貴方達に『真実』を教えるわ」と誘導尋問してくる状況と、しばらく連絡を取っていなかった地元の友達から「時間ある? ちょっと真実について話したいんだけど」とメッセージが送られてくる瞬間なら、恐怖レベルはどっこいどっこいでしょう。
 「アリスは暴走する危険性がある。だから確保、監視します」と言えば筋は取っています。しかし、リオの語る真実は果たして正しい情報なのでしょうか。まずはDivi:Sion、AL-1S、そして無名の守護者の関係について、プレイヤーに開示されている情報から考えていきます。

Divi:Sionとは何者か

 アリスを確保するために訪れたリオは謎の機械「無名の守護者」達を「不可解な軍隊(Divi:Sion)」と呼称します。そして、アリスこそDivi:Sion(ディビジョン)の指揮官「AL-1S」だと告げ、彼女を連行しました。

リオ
「貴女たちは、直接見たのではなくて?
 『不可解な軍隊(Divi:Sion)』とアリスが接触した事で何が起きたのかを」
先生
“「不可解な軍隊(Divi:Sion)」……。”
“あの……ロボットのこと……?”
リオ
「……その通り」

vol.2時計仕掛けの花のパヴァーヌ編2章「友情と勇気と光のロマン」9話より。

 時計仕掛けの花のパヴァーヌ編を読んだ先生ならDivi:Sionの名に覚えがあるはずです。G-Bibleを入手するために訪れた廃墟で、アリスに語り掛けたシステムが自らを「Divi:Sion System」と名乗っていましたね。

[Divi:Sion Systemへ、ようこそお越しくださいました。お探しの項目を入力してください]

vol.2時計仕掛けの花のパヴァーヌ編1章「レトロチック・ロマン」11話より。

 このDivi:Sionですが、実は時計仕掛けの花のパヴァーヌ編が初出ではありません。2021年3月25日に実装された1章レトロチック・ロマンに先駆け、同月11日から開催された総力戦・試作型ケセドにおいて黒服の口から語られています。
 Divi:Sionとは軍需工場のシステムAIであり、現在はデカグラマトンの預言者「ケセド」として活動していることがわかります。この情報は特殊作戦「デカグラマトン編」においても同様の結論を得ていますね。

黒服
「現在は稼働していない、閉鎖された軍需工場」
「かつてこの工場をコントロールし無限の軍隊を生産していた、ディビジョンという名のAIに、デカグラマトンが接触しました」
「この軍需工場はこれから、デカグラマトンの新しい預言者として、自らの道を照らすでしょう」

総力戦「ケセド」より。
特殊作戦「デカグラマトン編」調査データより。

 なお、「廃墟のいたるところに」という解説からDivi:Sion Systemとは単一の存在ではなく規格化された工業品であり、廃墟に点在する軍需工場の各箇所にDivi:Sion Systemが実装されていると考えられます。


 Divi:Sionと無名の守護者の関係を解釈する時、ケセドは決して無視できない存在です。特に、ケセドが軍需工場を利用して生産しているオートマタは、Divi:Sion=無名の守護者に対する一つ目の疑問に繋がります。
 ブルーアーカイブに登場するオートマタは複数のバリエーションが存在し、ブラックマーケット、軍用などで区別されます。総力戦ケセドやパヴァーヌ1章で廃墟に赴いた際の戦闘に登場するのは、共通して白色を基調としたオートマタです。

vol.2時計仕掛けの花のパヴァーヌ編1章「レトロチック・ロマン」10話より。

 これらはデカグラマトンの預言者が集結するスチルにも映っていることから、デカグラマトン用のオートマタだと推測できます。ちなみに、このバリエーションにのみゴリアテが存在します。

特殊作戦「デカグラマトン編」21話より。
ゴリアテ君がデカすぎて預言者の1体に見える。

 Divi:Sionの軍隊=無名の守護者と仮定すると、Divi:Sion Systemと廃棄された軍需工場をハッキングして生産され、廃墟周辺に出現するオートマタ達の特徴や性質が異なる点が目につきます。
 Divi:Sionが無名の守護者を生産していたのであれば、既存の施設を再稼働させているデカグラマトンの兵隊は、無名の守護者である方が合理的です。ハッキング後に製造ラインを丸ごと入れ替えた可能性も想定できますが、既存の設備を再利用するメリット――工場建設の省略など――を自ら潰しかねません。
 モモイとミドリと一緒に廃墟を訪れた時、周辺を警備していたロボットが汎用オートマタ立ち絵であったことなどを含めると、Divi:Sionの工場で生産されている(いた)兵隊は無名の守護者ではなく人型オートマタである可能性が高いと考えられます。
 
 ちなみに、ブルアカのモブ敵は種類別に装甲属性が決まっています。スケバンやブラックマーケットガード、風紀委員などの人型は軽装備。オートマタやスイーパー、AMASなどの機械型は重装甲。ユスティナ信徒や暴走した○○シリーズの神秘?型は特殊装甲です。総力戦ボスには単独種もいますがデカグラマトンは重装甲、スランピアは特殊装甲ですね。そして、パヴァーヌ2章に登場した無名の守護者は極めて珍しい“通常装甲”です。

vol.2時計仕掛けの花のパヴァーヌ編2章「友情と勇気と光のロマン」6話より。

 他に通常装甲を持つ敵は2022年6月に開催されたイベント「アビドスリゾート復旧対策委員会」に登場したレイドボスのワカモのみ。ワカモはイベントの性質上どんなプレイヤーでも戦えるように全属性等倍の通常装甲になっており、任務やメインストーリーに出現する敵でこの属性を持つのは2022年11月現在、無名の守護者のみです。特異な立ち位置であることは確実に思えます。
 Type.Fは一体何の“F”なんでしょう。fighterとか?



 次にAL-1Sことアリスの描写から気になった点を二つ。
 アリスを発見する直前、工場に入ったモモイ・ミドリと先生に対して謎の声が語りかけます。事前に「工場」と明言されている以上、このシステム音声も工場を制御するAIである可能性は高いです。「謎の声」としか描写されておらず、確実にDivi:Sionとは言い切れませんが、この一角だけ異なる制御システムを用いているなどの情報も無いためDivi:Sionとして考えます。

vol.2時計仕掛けの花のパヴァーヌ編1章「レトロチック・ロマン」3話より。
vol.2時計仕掛けの花のパヴァーヌ編1章「レトロチック・ロマン」3話より。

 この奇妙な権限付与によって先生達はアリスの眠っていた部屋に入室(落下)します。その後の会話を読むと、権限の適用範囲は単なる入室許可のみならずAL-1Sの敵対意思に関する設定にも関わっていることがわかります。

vol.2時計仕掛けの花のパヴァーヌ編1章「レトロチック・ロマン」3話より。

 この時、アリスには“アリス”という自意識が定義されていません。自らをアリスと認識していない以上、彼女は初期状態のAL-1Sに過ぎず、キャラクターアイコンも存在しません。そんなAL-1Sにも接触許可対象の区別が存在するということは、事前に設定された権限に基づいて判断していると推察できます。
 「Divi:Sionが設定した権限に基づいて敵対意思の発動を決定している」と仮定すると、2章でAL-1Sが起動した時に先生やモモイ・ミドリに対して攻撃したことが不可解です。Divi:SionがAL-1Sに攻撃命令を出したのであれば自身が与えた権限を否定する行動になります。逆にAL-1S側の判断で攻撃したのであればDivi:Sionが設定した条件から逸脱した行動になり、主導権がどちらであっても矛盾を感じてしまいます。

 また、ゲーム開発部4人のパーティが成立し、再び廃墟へと足を運んだ時、アリスはG-Bibleを入手するためキーボードに接触しました。その後にDivi:Sionの「あなたはAL-1Sですか?」という質問にも反応しています。

ミドリ
「いや、ちょっと怪しすぎない?それより『ようこそお越しくださいました』ってことは……『ディビジョンシステム』っていうのが、この工場の名前……?」
アリス
(スッ)
「キーボードを発見……G.Bible、と入力してみます」
モモイ
「あっ、何か出た!」

vol.2時計仕掛けの花のパヴァーヌ編1章「レトロチック・ロマン」11話より。

 この時、アリスは“アリス”の自意識を獲得した上でDivi:Sionに接触しています。リオが指摘するようなDivi:Sionとの接触が暴走のトリガーとなるのであれば、この時点で何らかの変化があって然るべきです。本当にDivi:Sion Systemがアリスの暴走を引き起こすのか一考の余地があります。



 最後に、現在のDivi:Sion Systemについて。
 クリフハンガーのために起動してくれたDivi:Sion Systemさんです。私は貴方の意味深なセリフから1年8ヶ月待ちました。
 本記事のサムネイルにもあるように、アリスに質問したDivi:Sionは現在モモイのゲーム機に潜んでいます。全く関係の無い話ですが、一件落着となった後に問題の根源がひっそりと残っている描写で終わる展開はかなり好みです。ドラえもんのバイバインとか。
 モモイの持つゲーム機が器ならば、何故AL-1Sはモモイに対して長時間意識が戻らない程の攻撃を加えたのでしょうか。
 暴走直後の戦闘にモモイが参加していないことから、初期段階で脱落していることがわかります。Divi:Sion Systemが攻撃命令を出したのであれば、自らの器を破壊しかねない行動はあからさまに不可解です。

vol.2時計仕掛けの花のパヴァーヌ編1章「レトロチック・ロマン」20話より。

 また、1章の終わり際にひっそりと起動した時、Divi:SionはAL-1Sをアリスと言い直しています。これは感覚的な意見になりますが、後天性の“アリスの人格”も機体の構成要素として認めているならば、アリスの人格を抑圧する形でのAL-1S起動には、やはり釈然としない部分があります。


・Divi:Sionが管理する工場を守護し、ケセドが生産するオートマタと、無名の守護者の形状の相違。
・先生やミドリ・モモイに与えられた接触許可の権限と、暴走時の行動の矛盾。
・アリスがDivi:Sionと安全に接触した事実。
・Divi:Sionと無名の守護者の行動の乖離。

 以上、4点の疑問から私はDivi:Sionと無名の守護者が異なる勢力であり、アリスことAL-1SはDivi:Sion側に近い存在であると予想します。
 特に、AL-1Sの敵対意思の矛盾とDivi:Sionが潜んでいるゲーム機を持つモモイに対する攻撃は、暴走時の主導権がAL-1Sではなく無名の守護者側にあることを予感させます。
 仮にプロトコルATRAHASISの「有機体に対する攻撃」が無名の守護者側の目的であり、アリスをハッキングして発動したものならば、アリスを排除したところで無名の守護者の脅威は止まらない可能性に繋がります。

 余談ですがアリス暴走のシーン。Divi:Sionと無名の守護者の関係に疑問を持つと、Divi:Sionがアリスを焚きつけているような印象から一転して、無名の守護者とDivi:Sionがアリスを求めて競り合っているようにも見えます。
 なんかどんでん返しあるのは確実だと思うな……!

リオの主張について

 
 リオが現在どこまでの情報を掴んでいるかは判然としません。しかし、確実に理解している情報が一つあります。それがデカグラマトンの存在です。
 2章でゲーム開発部の部室に訪れたリオは狂気のAIと口走ります。特殊作戦「デカグラマトン編」を読んだ先生ならば、誇大妄想に取りつかれた自販機の言葉は記憶に新しいでしょう。

リオ
「ただの機械である貴方がヘイローを持っているのは……」
「そう、狂気に包まれたあのAIと同じ」

vol.2時計仕掛けの花のパヴァーヌ編2章「友情と勇気と光のロマン」9話より。

 リオがデカグラマトンを認知しているならば、自然とその預言者の情報も掴んでいることがわかります。そもそも、特異現象捜査部はリオの依頼によって設立された部活ですね。
 ケセドの情報を掴んでいるリオがDivi:Sionと無名の守護者の関係を短絡的に理解するとは考え難いです。上述したようにケセド周辺のオートマタと無名の守護者には明らかな相違があります。つまり、無名の守護者とDivi:Sionの関係を意図的に歪曲しながらアリスを追及した可能性は否めません。
 現状、リオの主張は物証に欠ける面の多さが目立ちます。無名の守護者がアリスに引き寄せられているという主張も、ヴェリタスに運び込まれた機械は休眠状態だったことから論理性が不明瞭です。
 それでもアリスを破壊すると言った圧迫的な言葉を多用した理由は、ひとえに迅速なアリスの確保を優先したからだと予想します。
 物証が乏しい中でアリスの身柄を確保するために、暴走行為による罪の意識や現場の混乱でゲーム開発部が強気になれない状況を狙い、「魔王」などの脅迫的な言葉と武力(AMAS、トキ)の誇示によって反論される前に強行突破した。このように捉えるのが妥当なところだと感じました。
 ヒマリを迅速に処理しているのも、自身と同等の情報を得ているヒマリを自由の身にすると、アリスを確保する際の主張に反論されかねないからではないでしょうか。

今後の動向について

 ここからは簡単な予想です。
 まず、強硬的な姿勢と武力を用いてアリスを確保した以上、リオの状況は切迫していると考えられます。
 アリスのヘイローの破壊を先延ばしにすればするほどゲーム開発部や先生に反論材料を集められ、足元が揺らいでしまいます。そのため、より強力な武力と迅速な行動によって目的を完遂させる方向に舵を取ると予想します。
 
 対するゲーム開発部は、やはり彼女達しか知り得ない情報を活用すべきです。上記の疑問点の中にある「アリスがDivi:Sionと接触しても暴走しなかったこと」と「Divi:Sionがモモイのゲーム機の中にあること」ですね。
 AL-1SとDivi:Sion、そして無名の守護者の関係を証明できれば、アリスを取り戻す作戦も十分実行可能です。そのためには、廃墟の調査とモモイのゲーム機の復旧が不可欠ですね。
 ゲーム開発部の勝利の一手は「答えは目の前にある。近づき過ぎて見えなかったんだ」かもしれません。

おわりに


 大きく動き出した時計仕掛けの花のパヴァーヌ編。これからの動向に目が離せませんね。できることなら明日にでも更新してほしいです。と言うかこの緊急事態のままお正月と2周年を安穏と過ごせる気がしないので、一刻も早く更新してほしいです。本当だぞアロナ。アロロロロロロロロロロロ!
 あともう一つ。

聖遺物スコア45.1、元素熟知21
聖遺物スコア41.2、元素熟知16

 ナヒーダちゃんの聖遺物が羽ばっかり会心ステ伸びるんだけどォ!?
 激化アタッカー運用してるので熟知時計、熟知杯、会心冠なんですよね。熟知時計と会心冠のスコア40超えておくれ~~~~~~~!!!
 
 それでは、また気が向いた時にお会いしましょう。おしまい。