オリゲネスが「使徒的伝承」としてキリスト教信仰の規範として挙げている9項目(『センチュリーブックス 人と思想 オリゲネス』(小高毅)p.54-55より)

(1)唯一の神が存在すること。この神が万物を造り、秩序付けたこと。なにも存在しなかった時、全宇宙が存在するようにされた事。

(2)イエス・キリストは、全被造物に先立って生まれた事。彼は、万物の創造に際して、父に仕え、万物は彼を通して成った事、彼は終わりの時に、己を空しくして人となったが、神であり続けた。その身体は我々の身体と同じであり、ただ処女と聖霊から誕生したという点で異なっている。彼は見せ掛けではなく、真に生まれ、真に苦しみ、真に死に、真に死者の中から復活し、弟子たちに現れ、天にあげられたこと。

(3)聖霊は栄光と威光の点で父と子に一致している。この聖霊が預言者と使徒たちに霊感を与えた事。

(4)魂は固有の実態と生命を有しており、この世を去った後、己が功罪に応じて報いを受け、永遠の生命と至福、あるいは永遠の火の刑罰を受ける

(5)死者の復活の時、朽ちない体に甦る事。

(6)理性的な魂は自由意志と決断力を有している事。

(7)悪魔とその使い、逆らう霊どもが存在する事。また、神の使い(天使)と善い霊たちが存在する事、彼らは人々の救いの完成のために仕えるものである事。

(8)この世は造られたものであり、あるとき存在し始めたのであり、その腐敗のゆえにいつか消え去るであろうこと。

(9)聖書は神の霊によって書かれたものであり、一読して分かる意味だけでなく、隠された意味をも有している事。

 

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