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東京ヤクルトスワローズ観戦エッセイ

ヤクルトが勝った日も、負けた日も、打った日も、打たれた日も、ノーノーの日も、(ほぼ)毎試合、観戦エッセイをアップします。勝った日は喜びを倍にし、負けた日は悲しみを半分…いや8割……
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#中日戦

【4/19◯4/20●中日戦】打線は水物、と言うけれど

19日◯ その打球は、空でも飛んでいるかのように、なかなか下に降りてこなかった。あまりにも降りてこないものだから、高く飛んだフライになってそのまま誰かがキャッチするんじゃないかと思った。 でもそれはナゴヤドームのスタンドの中断に、ようやく落ちてきた。待ちに待った、待ちすぎた分が詰まったような、そんな、大きな大きな村上くんのホームランだった。 けいじくんが先発の日、高津さんは「今は打線がそんなにたくさん打つという状態ではないので、ロースコアの展開で粘り強く勝てれば」と、言

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【4/7中日戦● 4/8巨人戦】「追い上げる」「追いつく」「勝ち越す」の大きな差と「流れ」のこと

4/7中日戦● 「こういうところで、勝ち越しておきたいんよなー…」と、私は思わずつぶやく。反撃のタイミングで、「あと1点」まで追い上げるのと、「同点」まで追いつくのと、「勝ち越す」のでは、大きな差があるのだ。 できるだけ勝ち越しておきたい。そうして流れをこっちにもってきておきたい。例えば今日であれば、松本くんが二日連続の2ラン(!!)を打って3-4まで追い上げたところだ。流れは一気に、ヤクルトに傾いたように思えた。だけど追い上げは「あと1点」のところまでだった。そこから勝

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【4/6中日戦◯】 長いシーズンの、キュートな一勝

一年間毎日毎日試合を見ていると、まあほんとうにいろんな試合を目にする。劇的なサヨナラ勝ちがあれば、悲劇的な逆転負けもある。ああほんとうに好きでいてよかったと思う試合もあれば、もう二度とみないぞととぼとぼ思う試合もある。(もちろん、翌日にはまた見ている。)派手に点をとる試合もあれば、1点差を守るしびれる試合もある。 そして、勝ちきれなかった試合の翌日に、昨年は一軍登板のなかったキャッチャーが2ランを打ち、その2点で勝つ、そんな試合だってある。 松本くんは初めてのお立ち台で何

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【4/5中日戦●】 シミノボの悔しさも、村上くんの悔しさも

少し送れて神宮に到着した瞬間、ヤクルトは2失点した。「着いたらすぐ失点!」と、言いながら私はウーロンハイを飲む。なんせ、お昼にこどもたちとラ・ベットラ・ダ・オチアイへ行き、絶品パスタとともに白ワインをいただいたのである。ここはなんとなく、ビールではなくウーロンハイにしておく。(でも神宮のウーロンハイ、なかなかに、濃い。) 「萩の湯のウーロンハイ並みに、濃い。」と、むすめに話していると、あっというまにヤクルトは5失点を許していた。

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【10/16中日戦●】最後はたぶん「腹をくくることができるかどうか」

高校の同級生、雪野ちゃんの個展へむすめと寄ったあと、神宮へ向かう。このnoteの素敵なヘッダーを描いてくれた友人だ。 同級生がこうしてがんばって仕事をしているところを見るたび、めちゃくちゃうれしくなる。 あの3年間があってよかった、と、私はこの人生で100回目くらいのことをまた思い、むすめと歩いて神宮を目指す。表参道から歩いて行ける球場なんて、そうそうない。最高だ。最高すぎて、今日も銀杏並木のテラスでワインを飲んでから行くことにする。 キハチは予約でいっぱいだったので(

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【10/13◯・14△中日戦】勝てたこと、勝てなかったこと、負けなかったこと。

少し前、田口は「まだまだ僕たちは挑戦者」と、言っていた。 ヤクルトが、シーズン終盤にきて初の首位に躍り出たときだ。 「挑戦者」だったみんなは、そこからなんとかここまでふんばり続け、首位のまま10月を迎え、マジックを点灯させた。

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【10/12中日戦●】柳の、「勝ち」への執念

一日中低気圧にやられ、午前中は意識的にお昼寝…というか、朝寝をした。そこからこまめにたんぱく質をとり、適度な糖質で元気をつけつつ、なんとかnoteを書き、原稿を進める。そしてまだ夕方の早いうちから、uberで夕食を注文しておいた。もうこれはぎりぎりまで仕事に時間がかかってキッチンに立つ余裕がないと、早いうちに見切りをつけたのだ。こういうの、だいじ。 そんなわけで試合が始まってもまだ仕事は終わっておらず、iPadで配信を流しながら、カタカタと原稿を片付けていた。 ライアンは

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【9/26中日戦◯】カツオさんの、信じる強さ

デイゲームで阪神は巨人に勝っていた。そういうのって、プレッシャーになりそうなものを、ここのところよくわからない勝負強さを発揮するヤクルトは、そんな試合で16点を取って快勝した。 むすめはいつも、「カツオさんは、一番年上だから、みんなきんちょうしちゃって打てなくなっちゃうのかなー?」といつも心配そうに話していた。だけどむすめは今日、「がんばればみんな打てるんだね!!」とにこにこ言った。ほんとうだ、がんばれば打てるのだ。 今までカツオさんの日に取れなかった点を取り返すかのよう

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【9/25中日戦△】「不安」に押しつぶされない、投手陣の踏ん張り。

「ノーノーじゃないの。」と、私はビール(にせもの)を飲みながらつぶやく。昨日と打って変わって肌寒い神宮である。持ってきたパーカーを、思わず羽織る。 「ノーノーですねえ」と、息子が答える。外野席グルメを堪能する!と、ポップコーンを頬張っている。特にそれは外野席グルメでもなんでもないと思うのだけれど、なんにしてもこうして「その日の楽しみ」みたいなのを見つけていくのは良いことだ、と思う。そう、ここまでノーノーで進むような、こんな試合の日も。 「打線がおもたーいね、なんか入る感じ

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【9/24中日戦◯】なっしーの一年前の熱投と、今日の好投

去年の9月、神宮でなっしーが投げた日に負けた試合の帰り道、前を歩いていた男性二人組の会話をふと、思い出す。 「まーでも高梨よかったんじゃないの!」 「7回投げたしね…っていやでも4失点だよ?」 「いやいやいや、次につながるよ」 「そう言い続けてもう半分たっちゃったよ!?」 「いやいやいや、来年も再来年もあるし!!」 その日、負けてとぼとぼ歩いていた私は、二人の会話に思わずふふふと笑ってしまった。そうだよな、今日のなっしーの熱投は、「次につながる」よな、と思った。「来年も、

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【9/13中日戦●】カツオさんに勝ちをつけられるのは、チームのみんなだ

円陣の輪に加わるカツオさんを見て、解説の藤川球児さんは言った。「これは『まだ打席に立つぞ』という意思表示かもしれないですね。次に回ってきますから。まだ交代しないぞ、という強い意思があるのかもしれません」と。 前回の登板でもカツオさんは、ビハインドのまま交代することになって悔しそうな表情を浮かべていた。明らかにここ数年で一番すばらしい投球を、41歳のカツオさんは見せてくれている。それでも毎回毎回、どうしても点が取れない。ミスが重なり失点をゆるしてしまうこともある。でも何度も何

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【9/12中日戦●】追いかけることと、追われること。

14時くらいからそわそわしはじめ、15時頃からは5分おきに、ページの更新ボタンをタップした。選手選手登録・抹消の公示ページである。これやるの、二回目だ…と、思いながら何度も何度も更新ボタンをタップする。 更新しまくっていたら、いち早く風張の抹消に気づいた。オスナに豪快に打たれちゃったからね…と、言いながら、がんばれ風張。と、心の中でつぶやく。

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【8/25中日戦△】「次」がいつ来るかはわからないけれど、だからこそ

8回裏の攻撃タンパク問題。というのが、私の中でよく叫ばれる。タンパクというのはここのところ私がそればかり言っているタンパク質の話ではない。淡白、である。(なんの話だ。)

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【8/24中日戦◯】誰かを応援することは、祈りに似ているのかもしれない

「誰にも期待されてないくらいが丁度いいのさ…」 と、今野くんの登場曲が流れる。いやいやもう、十分すぎるくらいの期待をしているよ、と、私は思う。だけど、その曲を選ぶ今野くんの気持ちが、なんだか少し、わかる気がする。それは、なんだか良いな、とも思う。 ♢ ただただひたすらに祈り続けた試合だった。幾度となくけいじくんが迎えたピンチでも、どうかここで乗り切りますように、と、手を合わせた。そのたびに、今日のけいじくんはなんとか、そのピンチを乗り切り続けた。 ここが正念場、という

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