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東洋民俗博物館(奈良)

世界の民俗資料、そして陰毛もコレクション…

奈良市の閑静な住宅街に東洋民俗博物館はあります。
この周辺は昔、近鉄あやめ池遊園地という遊園地があった場所で、私も子供の頃は両親に連れて行ってもらったものでした。
現在では遊園地は閉園となり、住宅地に変貌してしまいました。
しかし東洋民俗博物館だけは、当時を思い出させるように今も存在しています。

展示品の数々

現在の博物館を見慣れた人の目には、館内はいかにも古びて見えます。
それもそのはず、1928年にあやめ池遊園地の付属施設として開館したということですから、ざっと100年近くの時が経っているわけです。

展示品も一応分類はされているようですが、なんとも雑然とした印象です。初代館長の九十九黄人(つくもおうじん)氏が世界中で集めた民俗学資料で、どれもかなり古びたものばかりです。

展示ケース自体も年季が入ってます

大阪・吹田の国立民族学博物館とは比べるべくもありませんが、個人コレクションでこれだけの資料を蒐集したのは大したものです。

パラオの石の貨幣

黄人氏は1998年、104歳で大往生を遂げられました。
館内には氏の愛用の椅子が展示され、訪問者はこの椅子に座り、黄人氏の生前の写真を胸に記念撮影ができます。
黄人氏にあやかり長生きできるとか、できないとか。

黄人氏愛用の椅子

と、ここまでなら単に古臭い博物館の話でお終いですが、実はこの続きがあります。
生憎、撮影不可ではありますが、ここには秘密のコレクションがあります。
そう、性に関する数々のコレクションです。

ここで話が少し飛びますが、昔、読売テレビ(日本テレビ)の深夜放送に11PMという番組がありました。
いわゆる大人向けの番組で、エッチな情報や裸の映像など見ることができました。
当時、中学生だった私は、親の目を盗んでこっそり見たものでした。
番組は、大橋巨泉、愛川欽也、藤本義一の3人が曜日ごとに司会を交代し、確か、大橋巨泉の司会の日だったと思います。
「女性の陰毛を大量にコレクションしているおじいさんがいる」という情報を紹介していました。
印象的だったのは、そのおじいさんが「ガッハッハ」と豪快に笑うシーンです。
そんな大昔の記憶が、東洋民俗博物館に来て、ふと思い出されたのです。
まるでデジャブのように。

本物は見ることは叶いませんでしたが、後日ネットで調べると、やはりここのことでした。
テレビ出演した豪快に笑うおじいさんは、まぎれもなく初代館長の九十九黄人氏でした。
なぜ陰毛を集めようと思ったのか、どういうルートで集めたのか、わからないことだらけですが、4000本もの陰毛を集め、名前や年齢、職業別に分類し、几帳面にスクラップブックに貼り付けていったという、何とも恐れ入る性の探究者です。
しかしそんな資料って何の役に立つんでしょうか?
謎です。

東洋民俗博物館

開館:不定期(電話にて事前予約)
料金:500円 小人200円
住所:奈良県奈良市あやめ池北1-5-26
電話:0742-51-3618
駐車場:無料

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