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奈義町現代美術館(岡山)

アートと建物が一体化したミュージアム…

岡山県のど田舎の町に、場違いともいえるような大型の美術館があります。
奈義町現代美術館がそれで、建物自体が内部のアート作品と一体化して作られています。
いったいどういうことでしょう?

タイトル画像の右端にご注目ください。
太鼓のように見えますが、円筒形の建物が横倒しになっています。
内部には何とも奇妙な造形が施されています。

この美術館をデザインしたメンバーに荒川修作とマドリン・ギンズのカップルがいます。
こういうと、何となくその意味がおわかりになったのではないでしょうか。
以前にご紹介した養老天命反転地をデザインした彼らが関わった美術館ですから、普通のわけがありません。
何じゃこれは?という造形が、見学者を待ち受けています。

ステンレスのワイヤーが工事現場を連想させます

館内に入ってすぐ目にするのは、宮脇愛子の「大地」という作品です。
やりかけの工事現場ではありません。

周囲には町民の写真が貼ってあります

続いて、先ほどの円筒形の建物に入っていきます。
それにはこの傾いた螺旋階段を上る必要があります。
パイプが狭いうえに傾いているので、階段がめちゃくちゃ上がりにくいです。
まるでアスレチックのようです。
「太陽前室」と呼ばれています。
荒川修作とマドリン・ギンズの作品です。

内部が真っ暗の狭い螺旋階段
シルエットになってよく見えない

ようやく階段を登りきると、外から見えていた円筒形の建物の内部に入ることができます。

壁に石庭

よーく見ると、壁面に石庭が設えられています。
「奈義の龍安寺」という作品です。
何じゃ、これは?

天井に腰掛

天井にはシーソーのようなものがありますが、当然座ることなどできません。
何じゃ、これは?

「ハハーン、この円筒形の建物は回転するんだろう」などと考えたあなた。
ブブー、間違っています。
回転などしません。
このままです。
残念ながら、意味不明としか言いようがありません。
ちなみにこの建物は「太陽」と名付けられています。

太陽とくれば当然、月もあります。
岡崎和郎の作品で、半月型の建物です。
床には細かな砂利が敷き詰められていて、歩くとザッザと音がするのですが、その音が壁に反響してとても大きな音に聞こえます。

現代アートの美術館には、一見するとわけのわからないものが展示されているものですが、この美術館自体がわけのわからない展示そのものです。
車がないと行けないような交通の便の悪いところに立地していますが、現代アート好きや珍スポット好きの人は、話のタネにぜひ訪れてみてください。

奈義町現代美術館

開館:9:30~17:00(月曜休み)
料金:一般・大学生 700円  高校生 500円 中学・小学生 300円
住所:岡山県勝田郡奈義町豊沢441
電話:0868-36-5811
駐車場:無料

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