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宙乗り1300回

3月21日、猿之助さんが宙乗り1300回!

今年に入り、宙乗りが解禁になりました。また回数を重ねていく日々が始まり、そして節目を迎えました。こうしてお祝いができる楽しさを当たり前のように思っていた日々が懐かしい。今は、以前とは違った喜びがあります。

「宙乗りなら猿之助」
お客さんの笑顔満開。猿之助さんの宙乗りのそんな光景が大好きです。この人しか作り出せない光景だなぁと思う。鳥屋に入った後のお客のざわめきや興奮を目の当たりにするのは毎回楽しいです。

猿之助さんの宙乗りの1回目はいつなのだろうと思うけど、よくわかりません(笑)調べると1985年10月歌舞伎座「雙生隅田川」の猿翁さん(当時 三代目猿之助)と菊五郎さんの三人で翔んだ時だそう。約37年前の話。ここから猿之助さんの宙乗りの歴史は始まっているようです。

私が初めて猿之助さんの宙乗りを観たのは2010年8月「亀治郎の会」でした。初役で「四の切」の狐忠信を演じた初日。わー!翔んだ!と心で叫びました。国立大劇場は広くて、かなり上まで上がっていく光景が怖かったのを覚えています。お客は熱狂していました。

次は翌年かな。。本興行の明治座の四の切。そして秋の新橋演舞場、小栗判官だったような。

何百回という節目は突然にやってきます。カウントしているスタッフはすごいと思う。私は数えていられません。。でもファンとしては節目に観劇したい。でも忘れちゃう。その繰り返し(笑)

実際、2回翔べない日がありました。宙乗りの機械の不具合で猿之助さんが降りて、花道を六方で引っ込んだこともあります(生で観ていませんが)。それと金丸座かな。公演の数だけ翔んでいるわけではないのです。

そんな中、奇跡が起こりました。偶然にも1000回に立ち会えたのです。節目は初めてでした。しかも大阪遠征でその日とは知らずに取ったチケットでした。2017年大阪松竹座の中村屋との公演です。

その日は今でも心に残っています。スッポンからそのまま天井近くまで上がっていくスタイル。チラッと頭が見えただけで、ものすごい拍手。言葉にならない声がざわつきます。

そして、大向うの’1000回おめでとう’’日本一’’大当たり’の声。宙乗りももちろんお芝居の一部だからお客は声を出すわけにはいきません。気持ちを代弁してくれたのが大向うです。大向うと拍手まみれな宙乗りでした。

ヤマトタケルの翼を広げた姿も思い出。明治座の辰夜叉御前も好きだったな。辰夜叉は長袴をなびかせて、蜘蛛の糸をまきながらの宙乗りでした。糸がお客まで届き、一瞬だけど、触ったお客と猿之助さんが繋がるという(笑)猿之助さんが糸に気持ちを乗せているようで感動的でした。

節目は通過点。猿之助さんはそう言います。なぜなら猿翁さんは5000回以上翔んでいるからです。当時はその回数を超えたいと言っていましたが、今はどうでしょうか。一回一回を大事に安全に翔んでほしいと願います。

翔んでいる猿之助さんを見続けたい。

1300回、おめでとうございます!


aya


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