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FF7リバースのテーマソング「No Promises to Keep」に思うこと

限界トルガルです。

前回、FF7リバースを全クリしてみて自分が一番に思った感情の記事を書きましたが、今回はFF7リバースのテーマソングになっている「No Promises to Keep」の歌詞の意味と、この歌に対してのエアリスの心情、そういった部分で自分が思う事を書こうと思います。

※ここから先はネタバレに関わる話や、一部重要なデートイベント、エンディング関連の画像等もあるのでまだ全クリしていない方は自己責任でお願いします!






まず最初にこのFF7のテーマソング「No Promises to Keep」、大好きです。この歌が今作のテーマソングであって良かったと、本当にそう感じます。

作曲にはFF音楽の生みの親でもある植松伸夫さん、そして作詞には今作のストーリーやシナリオに携わる野島一成さんと、そしてボーカルには映画「グレイテスト・ショーマン」の劇中歌「Never Enough」を歌っていたローレン・オルレッド(Loren Allred)さんと、とてつもない組合せです。

ボーカルのローレンさんに関しては、どこかで見た事あったはず…と思いつつ最初気付かなかったのですが、2022年のBGT(ブリテンズ・ゴット・タレント)という世界的に有名な番組に出演し、その圧巻の歌声で審査員と観客の魅了したとんでもない方でした。(興味ある方は番組の公式の動画もYoutube等で見れるので探してみてください)

「No Promises to Keep」の歌詞はこうなってます。

No promiss No keep(英語歌詞)

Walking city streets with worn cobblestones
Listening to people rushing past to rhythms all their own
Life passing me by, not thinking how the years have flown
Until I met you

I won't say that it was fate
I won't say that it was destiny
But if not, what could it be that drew you towards me?
Could it be chance?

Till the day that we meet again
Where or when I wish I could say
But believe know that you'll find me
Promises to keep, we won't ever need

If only I'd never known
All the burdens I was born to bear
Lived a life without a care in the world save for you
but that won't do

Till the day that we meet again
On our street, I want to believe
In the chance that we'll share a glance
Promises to keep, we won't ever need

Till the day that we meet again
At our place, just let me believe
In the chance that you'll come,
Take my hand and never let me go

Take my hand and believe
We can be together evermore

Walking city streets with worn cobblestones
Struggling against the crowds and finding ourselves all alone
Fate and destiny are no guarantee

Still, I hope someday you'll come and find me
Still, I know someday you'll come and find me

そして、リバース本編で日本語版で流れる歌詞はこうなってます。

No promiss No keep(日本語歌詞)

あなたと出会った街は
忙しい足音に急かされて
時計さえ早く刻んでた
昨日までは

運命なんて
信じたくないから
この出会いは
ねえ、なんて呼ぼう
偶然?

明日も会いたいな
偶然あの場所で
信じたいの
約束なんていらないと

生まれた時に
結ばれた約束
知らないまま
ふたり出会えば良かった

明日も会いたいな
偶然あの道で
信じさせて
約束なんていらないと

明日も会えるかな
偶然あのかどで
信じさせて
この手離さないで

信じさせて
その手離さないで

ふたりが出会った街で
人混みに流されてはぐれたら
運命も約束も助けてくれないでしょう

私を見つけてどうか
私を見つけてきっと

この歌詞は、リバース作中で「エアリス本人が作詞をしている」という設定であり、オリジナルのFF7にはない設定であり、展開でした。

自分は英語版でプレイしていないので、そちらのエアリスの性格は読み取れない部分が多々ありますが、日本語版の歌詞は、割と言葉足らずで、でも思った事はストレートに言う、作中のエアリスの雰囲気を上手く表現してくれている歌詞だと感じます。

一作目リメイクのテーマ曲でもあった「Hollow」との対比から、両者の歌が「クラウドとエアリスがお互いに向けた歌」という解釈をしているのもよく目にしましたが、個人的には開発チームがゲーム内のそれぞれのキャラを勝手に組合せるような表現はしないと思っているので(自分自身もそういう目でゲーム内のキャラを見ないので)、自分としてはまた違った目線でこの歌を解釈しています。勿論、これがエアリスの思う、何か大切なものに向けられた歌であることは間違いないですが、それがクラウドなのかザックスなのか今まで出会ってきた人達なのか、それともその全てに向けてなのか、確定は出来ないという解釈が前提にはなるかな、と思います。

また、この歌詞を自分なりに考えるにあたり、リメイクやリバース内での設定やゲーム内の情報は勿論ですが、エアリスが思う気持ちや感情の「その根底にあるもの」を想像するにあたり、重要だと思ったのが「レッドXIIIとの観覧車デートイベント」です。

これは、本編で見ていない人もいると思うので、全クリはしてるけどデートイベントも自分で見てからがいい!という方はこの後は自己責任でお願いします(画像貼ります)






レッドXIIIとのデートイベントでは、レッドXIIIがこんな話をします。

レッド「ミッドガルにいたとき、エアリスとオイラは未来を知っていたんだ」
クラウド「ああ、そんな気がしていた。いまはもう違うのか?」
レッド「うん、もう知らない」
レッド「ミッドガルを出るとき、フィーラーに奪われたんだと思う」
クラウド「べつにいいさ、運命なんて気にしない」
クラウド「気にしようがない」
レッド「でも、ひとつだけ忘れないでほしいことがあるんだ」
レッド「エアリスを…守ろう」
レッド「このことを忘れちゃいけないってことしか覚えてないんだ」



エアリスとレッドは未来を知っていた。そしてクラウドもそんな気がしていた。でも今は忘れてしまった。なるほど…

これめっちゃ重要な話じゃないですか????

勿論今回プレイヤーである我々は、第三者側の場所からリバースをプレイし、エアリスがマリンに自分の死を伝えていたことや、時々入る未来視のような表現からも、エアリスが未来を知っていた事はわかっています。

しかし、エアリスはそれをナナキとは共有し、他の仲間には伏せたままであったと、そしてクラウドもうっすらそんな気がしてたと、そういう話をここでします。

これはアンダージュノンの宿屋で、エアリスとナナキが話していた話に繋がります。

エアリス「なくなってることだけわかるんだよね」
エアリス「でも、なにがなくなったのかわからない。モヤモヤ~って…」


このシーンも、結局本編ではあの時なんの話をしていたのか明確に語られません。

部屋からナナキが出ていったのを見たプレイヤーは「今の可愛い声、ナナキかよ!!」と言いたくなるシーンではありますが、ここでは「フィーラーに記憶を取られてしまった」という会話をしていたということになります。

このシーンがなぜ自分の中で重要だったのか、それはエアリスが作中であの歌詞を書こうと思った時点で、おそらく「自分の死」とそれが「星を救うために必要な行為」であることや、それが最後のセトラの民の自分の役目である事は理解していながら、それでも消えていった未来の記憶もあったと認識していると考えられるからです。

このシーン、凄く重要な気がしたけど、それを原作にはなかった「レッドXIIIとのデートシーンの会話」に入れ込んでくる辺り、攻めてて好きなんですよね(ティファ、エアリス、ユフィとのデートイベントしか見ない人もいそうな気もする)


ちなみに、デートイベント中のクラウドのセリフ

「運命なんて気にしない、気にしようがない」

公式のクラウドのキャラクター説明欄のクラウドのセリフにも引用されています。しかし、メインストーリーを進めているだけではこのセリフは聞けません。このレッドXIIIとのデートイベントでのクラウドのセリフになります。

これを公式のクラウドのセリフ引用にあてがう辺り、攻めてますよね。


前置きが長くなりましたが、そういったことを踏まえて「No Promises to Keep」の日本語版歌詞を考えてみました。

No promiss No keep(日本語歌詞)

あなたと出会った街は
忙しい足音に急かされて
時計さえ早く刻んでた
昨日までは

運命なんて
信じたくないから
この出会いは
ねえ、なんて呼ぼう
偶然?

明日も会いたいな
偶然あの場所で
信じたいの
約束なんていらないと

生まれた時に
結ばれた約束
知らないまま
ふたり出会えば良かった

明日も会いたいな
偶然あの道で
信じさせて
約束なんていらないと

明日も会えるかな
偶然あのかどで
信じさせて
この手離さないで

信じさせて
その手離さないで

ふたりが出会った街で
人混みに流されてはぐれたら
運命も約束も助けてくれないでしょう

私を見つけてどうか
私を見つけてきっと

歌詞全体として、子供の頃からセトラの民の生き残りで「星を救う」という運命を託されてしまったエアリスが、運命よりも偶然を信じたいという思いが伝わってきました。

つまり、最初から決められていた事じゃなくて、それぞれの想いが作用して起こった偶然であったらいいな、という願いでしょうか。

運命というのは言葉として凄く魅力的な表現でもありますが、それが「死ぬこと」と決められてしまった場合、それまでの自分の生きている意味や、出会った人々に意味があるのか、自分の想いや感情は死に向かう為に必要なものなのか、という葛藤が生まれる気がします。

「死んで星を救うこと」が運命として決められていると知ってしまったエアリスは、ザックスと出会って彼を好きになった事や、クラウドや色んな仲間たちと会って前に進もうとしている自分のその気持ちは、一体なんなんだろう、とずっと苦しんでいたと思うんですよね。

そして、これ自分的にはめっちゃ泣いてしまうんですが、サビの歌詞が

明日も会いたいな
偶然あの場所で
信じたいの
約束なんていらないと

明日も会いたいな
偶然あの道で
信じさせて
約束なんていらないと

明日も会えるかな
偶然あのかどで
信じさせて
この手離さないで

明日も「会いたいな」が「会えるかな」に変わり、「信じたいの」が「信じさせて」に変化していきます。

歌詞を書き進めながら、最初は「明日も会いたい」「信じたい」という自分の意思としての希望を前向きに、強く書こうとしていたエアリスが、歌詞が進むにつれ「明日も会えるかな」「信じさせて」と不安になっていったように見えます。

未来が見えながら「それがいつなのか」がもしわからなかったとすれば、死ぬことだけが決まっていて、それが明日なのか、1ヵ月後なのか、もっと先なのか、それすらもわからず、そんな状況、自分なら怖くて辛くて耐えられません。

仮に死ぬことが使命だったと受け入れようとしても、好きな人や仲間たちとの別れが待っていると考えれば、死ぬのも怖いし、明日も会いたいな、という前向きだった気持ちが、明日も会えるのかな、という不安に押しつぶされていくと思います。

冒頭にも書きましたが、この歌はエアリスがクラウドにあてたラブレターのようなものではなく、「エアリス自身が自分の死の運命と向き合うために、好きな人や仲間に向けて残した思いの歌」だと、自分は解釈しています。


自分が死ぬ運命であり、そうしないと星が救われないという未来を知り、それが「最後のセトラの民」という自分の役目だと理解しないければいけない葛藤と、自分が誰かを愛したり、好きになったり、お互いがお互いを想った先で偶然出会ったり、そういう何気ない日常に意味がなかったのかと悩む自分自身と、そういったものをしっかり自分で覚悟するために書いたようなそんな気がします。

自分自身、こうして文章を書きながら、自分の想いを文字にしていく事で、新しいことに気付いたり、それを書くことで、自分の想いを確固たるものにしようと決意したり、またはその想いと決別しようとしたり、色々なことを考えます。

エアリスは、この歌を最後まで力強く歌います。「見つけて欲しい、その手を離さないで欲しい」と歌う割に、相手に懇願するような、相手にその重荷を背負わせるような、そんな悲しい歌い方はしていません。

これは、フィーラーの運命の壁を打開したことで、見えていた未来の記憶がなくなった(確定した未来が見えなくなった)からこそ、そこに希望を見出していたとも捉えられます。

エアリスは不安があっても、後ろに下がるより前に出ていくタイプではあると思うので、歌としては非常に力強い前向きさも感じますが、歌詞自体にはエアリスの葛藤や不安を感じる、そんな印象でした。


そして、これは公式としての歌詞ではなく、元の英語歌詞を自分なりに翻訳したものなので、違った解釈にもなるかもしれませんが、英語の歌詞の方にはもっと色んな情報があるので、それも見てみたいと思います。

No promiss No keep(英語歌詞翻訳)

磨り減った石畳の街路を歩く
それぞれのリズムで駆け抜ける人々の声を聞きながら
月日の経つのは早いものだと思いながら、人生は過ぎ去っていく
あなたに出会うまでは

宿命だったとは言わない
運命だったとは言わない
でも、もしそうでないとしたら
何があなたを私に引き寄せたのだろう?
偶然なのかな?

また会える日まで
いつ、どこで...そう言えたらいいけど
でもあなたはきっと私を見つけてくれると信じてる
守るべき約束はもういらない

もし私が重荷を背負うために生まれてきたことを知らなければ
世界を気にすることなく生きてこれたのに、あなたさえいれば...
でも、それではだめなんだ

また会える日まで
私たちの街で、二人が一目でわかる可能性を信じたい
守るべき約束はもういらない

また会える日まで
私たちの場所で、ただ信じさせて
あなたが来てくれる可能性を
私の手を取って、決して離さないで

私の手を取って、信じて
私たちはずっと一緒にいられる

磨り減った石畳の街路を歩く
人ごみに揉まれ、ひとりぼっちになってしまう
宿命も運命も保証してくない

それでも、いつかあなたが私を見つけてくれることを願っている
それでも、いつかあなたが私を見つけてくれることを知っている

日本語で話すエアリスは確かにこんな言葉では表現しないよな、という感じですが、英語歌詞ではこのまま歌うわけなので、英語で話すエアリスはこの歌詞をそのまま歌っても違和感のない様な性格、って感じなんでしょうか。日本語でのエアリスを知っている人、英語でのエアリスを知っている人、それぞれの印象はありながら、そこに違和感のない歌詞をそれぞれ用意してくれてるとすれば、非常に嬉しい限りです。

個人的には、自分で翻訳しておきながら(勿論意訳として間違ってる部分もあると思いますが)、この英語の歌詞も超好きです。


最初から、それぞれの訳した部分に思うことを書いていきます。

一節目

Walking city streets with worn cobblestones
Listening to people rushing past to rhythms all their own
Life passing me by, not thinking how the years have flown
Until I met you

磨り減った石畳の街路を歩く
それぞれのリズムで駆け抜ける人々の声を聞きながら
月日の経つのは早いものだと思いながら、人生は過ぎ去っていく
あなたに出会うまでは

実際の歌でもこの導入の部分が一番好きです。この「cobblestones」という単語を知りませんでしたが、「worn」と組み合わさり「磨り減った石畳」と訳しました。

エアリスが5番街スラムを歩きながら、行き交う人の声を聞き、自分がミッドガルに来てからあっという間だったと思い返してる情景が目に浮かびます。この「あなた」はそれぞれ想像出来る人に当てはめて貰えばいいのかなと思います。


二節目

I won't say that it was fate
I won't say that it was destiny
But if not, what could it be that drew you towards me?
Could it be chance?

宿命だったとは言わない
運命だったとは言わない
でも、もしそうでないとしたら
何があなたを私に引き寄せたのだろう?
偶然なのかな?

最初に出てくる「fate」と「destiny」は両方「運命」とも訳せますがこういった意味の違いがあります。

fate
・悪い運命に対して使うことが多い (死や敗北など)
・人知を超えていて絶対不可避であることが強調される
destiny
・良い運命に対して使うことが多い
・物事の成り行きで未来に起こることであり、変更可能ではないものの「fate」ほど不可避であることは強調されない

エアリスは「あなた」と出会ったことは、そんな決められたことだったなんて言わないし、言いたくない、でもなんで出会ったのかな?偶然?と、自分の感情を自問自答してる感じでしょうか。

これは自分が死ぬという未来に対しての自問自答とも取れるし、幼い頃から「運命」を意識して生きてきたエアリスが、好きなだれかと出会えたことを、そんな最初から決まってたことみたいなことでくくりたくない、という意思にも感じます。


三節目
 
Till the day that we meet again
Where or when I wish I could say
But believe know that you'll find me
Promises to keep, we won't ever need

また会える日まで
いつ、どこで...そう言えたらいいけど
でもあなたはきっと私を見つけてくれると信じてる
守るべき約束はもういらない

このあたりから、個人的にはエアリスが死を覚悟している歌詞にも見えてきてしまってます。これは死生観の話にもなってしまいますが、自分自身も割と「いつか死んでもどこかできっと会える」と、亡くなっていく人に思う事が多々あります。

それはそうして自分を慰めている部分もきっとあるんですが、それでも自分が大切な人や自分が亡くなる時には「大丈夫、いつかまたきっと会えるよ」とそう伝えたいと思ってしまうんですよね。

なのでもしエアリスもそういった考えが根底にあるのであれば(FF7の世界では死は星に還るだけなので余計そう思っているのかもしれないけど)、理解出来る部分が多いな、と個人的には思います。

「自分はいなくなってしまうと思う、でもきっとまた会えるよ、約束も出来ないし、いつ、どこで、なんて言えないけど、でもお互いが好きで会いたいと思っていればいつかきっと会えるよ」とそう言われてる気がします。


四、五節目

If only I'd never known
All the burdens I was born to bear
Lived a life without a care in the world save for you
but that won't do

Till the day that we meet again
On our street, I want to believe
In the chance that we'll share a glance
Promises to keep, we won't ever need

もし私が重荷を背負うために生まれてきたことを知らなければ
世界を気にすることなく生きてこれたのに、あなたさえいれば...
でも、それではだめなんだ

また会える日まで
私たちの街で、二人が一目でわかる可能性を信じたい
守るべき約束はもういらない

ここにはより明確に、「セトラの民」としてやるべきこと(世界を救うこと)の運命を背負って生まれてきてしまった自分と、ただ一人の人間として、好きな「あなた」と一緒にいたいと考える自分と、その葛藤が書いてあります。

しかし、最後には「でもそれではだめなんだ」と決意しています。自分に言い聞かせる為に書いた一文かもしれません。好きな人がそのまま幸せな生活を送るためには、自分の犠牲が必要だと、そう思っている気がします。

そして自分が死んだとしても、その先で、それでもまたお互いに気付く可能性を信じたいと、そう表現している気がします。

正直こんなの辛過ぎて、泣きますよね。何が辛いって、これが運命から逃げたいって歌じゃなくて、それを受け入れてそれでも前に進もうとしてる力強い歌だからこそより悲しくなります…。


六、七節目

Till the day that we meet again
At our place, just let me believe
In the chance that you'll come,
Take my hand and never let me go

Take my hand and believe
We can be together evermore

また会える日まで
私たちの場所で、ただ信じさせて
あなたが来てくれる可能性を
私の手を取って、決して離さないで

私の手を取って、信じて
私たちはずっと一緒にいられる

ここも、ちょっとひねくれた捉え方をすれば、怖いからこそ誰かが来てくれて手を取ってくれることに盲信しているようにようにも見えます。

エアリス自身はもう出来る事がない、しいていえば世界を捨てて逃げることかもしれないけど、そうすると世界は滅びて、自分の大切な人達も星もみんな死んでしまう、自分が犠牲になる未来から逃げられないとするなら、自分に出来ることは、その先でまた好きな人達と一緒にいられるよう信じることだった、という風にも見えちゃうんですよね…。

勿論、それを上回る大きな希望としてこう言ってるとも思えます。ここを歌っているエアリスはとても前向きに見えますからね。

しかし、ここは本編の演劇イベントのエアリスが歌う部分のラストでもあり、その後、エアリスの歌声に呼応したかのようにライフストリームが現れ、おそらく現状の世界では亡くなってしまったアバランチの3人(ジェシー、ビッグス、ウェッジ)の姿を見せます。(ここも正直、エンディングに続いてめっちゃ号泣したシーンでもあります)

リメイクの最後で生き残ったかのように見えていたビッグスも、実際はザックスが生き残った世界線での話だということがわかり、リバースのクラウドがいる世界線では、アバランチの3人は明確に亡くなっていることが示唆されたシーンでもあると思います。3人の死もまた、FF7原作から変わらない結果となりました。

そして、だからこそこの歌を歌いきったエアリスが3人を見て涙を流していたことがとても印象深いです。結果的に歌った後にはクラウドや仲間達が駆け付けて笑顔になりましたが、エアリス自身が歌うこの歌は、決して笑顔で終わりに出来ない歌なのかな、と想像してしまいました。



八、九節目

Walking city streets with worn cobblestones
Struggling against the crowds and finding ourselves all alone
Fate and destiny are no guarantee

Still, I hope someday you'll come and find me
Still, I know someday you'll come and find me

磨り減った石畳の街路を歩く
人ごみに揉まれ、ひとりぼっちになってしまう
宿命も運命も保証してくない

それでも、いつかあなたが私を見つけてくれることを願っている
それでも、いつかあなたが私を見つけてくれることを知っている

そして、エンディングで流れる最後の部分です。演劇シーンのラストでの大サビが最後かと思っていたら、エンディングで流れるこの歌のラストにまた冒頭のパートを持ってくるので、本当に泣けます。

エアリスは、最後まで「人が人を想うこと」「人が人を愛すること」が、全てを変えていくんだ、とそう訴えている(信じたい)ように見えました。

何かあれば、ちょっとしたことで運命や宿命なんてきっと変わる。
それでも、自分が誰かを想う気持ちや、誰かが自分を想ってくれる気持ちさえあれば、いつかそれは叶うと知っている、そう言われた気がします。


運命や宿命、約束なんてものは何も助けてくれない。今自分を、今誰かを助けることが出来るのは、今自分や誰かの未来を変えることが出来るとすれば、今動こうとするその気持ちだ、とエアリスに言われた気がするので、後半は自分の歌詞意訳での内容が多くなってしまいましたが、ここに自分の想いも残そうと思いました。


ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
それでは、また。


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