そもそも卍解とは何か。

卍解。BLEACHにおける死神の奥の手。

特殊な例外を除き、多種多様な能力をもった各死神に対して一本の強力な力である。

まぁ、斬魄刀の定義だとかそういうのはwikや考察動画などで散々語られているからあえて自分が作中の説明を改めてする事もあるまい。

その上でBLEACHという作品専用の言葉や独特な言い回しではなくもっとシンプルな言葉、BLEACH読者以外にも伝わるように説明するなら何なのかを考える。


結論を言えば卍解とは一種の言葉遊びであると思う。

卍解とは元々は「挽回」であると考える。

そうした言葉遊びとしては「完聖体」も「完成体」であると言う風に言えるが、まぁそれは今回はいいだろう。


卍解に話を戻し、卍解とは挽回である、と仮定する。
そして挽回は名誉挽回などといった風に「失った物を取り戻す」ということを。

とすれば卍解とは前は死神が持っていた力、となるわけだが実際はあの世界の死神は年齢を増せば強くなる。

何百年、何千年と生きる死神達にとっては実年齢というよりも見た目の年齢だが。

そして基本的にはその見た目が若いほど弱い。

歳を経て失われた力などないように思えるがでは何を失い、卍解で何を取り戻しているのか。


色々と端折るが斬魄刀の中の卍解に当たるものはホロウと同質である。

そしてホロウとは「心」を失った魂魄。

死神は斬魄刀と寝食をともにする事で心を共有する。

では卍解とは何か。

それは突き詰めると「心」なのだがそうなると死神は心を失った、という事になってしまう。

しかし死神はホロウではないから勿論心自体はある。

心自体は失っていない。

失ったのは心の時間。

失った時間の代わりに経験を得た。

だから卍解とは死神の「過去の心情」そのもの。

過去の心情、つまり「今」を生きる死神にとって卍解とは過去の心、「若さ」というものを取り戻す事に他ならない。

一方、死神の力を得たホロウである破面の「帰刃」ホロウから破面となる事で心を得た。
代わりに失ったのはホロウ時代の姿、「過去の肉体」。こちらもまた「若さ」を手に入れた。

では崩玉により斬魄刀と融合した藍染惣右介はどういうものか。

斬魄刀の卍解と破面の帰刃を同時発動。
それは「心の若さ」と「肉体の若さ」 を手に入れた。
つまりは「転生」を果たした事になる。しかも「今」の藍染惣右介の知識や経験を持ったまま。
つまりは「強くてニューゲーム」的な事。

では何故「強くてニューゲーム」な転生をしたのか、といえば後悔があるからだ。

やり残した事、力不足で出来なかったこと、あるいはあの時違う選択をしていたら。

それを全て知っている「今」の知識と経験を持ったまま「若い頃」に戻れたら。

さてとりあえず以前の投稿していた所では投稿するには文字数が足りなかったのでこのあと藍染惣右介の「卍解」を考えたのだがそれは改めて書きたいので省略。

基本的に卍解とは「過去」の力。
過去、というとネガティブに感じるけれどつまりは経験などから生まれた「教訓」。
ただ時間軸としては常に死神にとって過去。
そして時間軸は破面の帰刃も同じ。
異なる点は「今どうするか」
死神の卍解は「経験をもとに得た教訓を武器にして戦う」のに対し、
過去のホロウの姿に戻る破面の帰刃は「過去に囚われて思いを馳せる」のだと思う。
同じ過去の力でも考え方次第で希望にも呪いにもなるのは現実の人間と一緒。
とはいえ、破面の考え方については現実と照らし合わせた場合、アンチエイジングと変わらないので一概に「過去に囚われる」とネガティブ表現は少し過剰かもしれない。

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