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『くもをさがす』を読んで

今日は最近読んだ本を紹介したいと思います。
西加奈子さんの『くもをさがす』という本です。

実は、西さんの本はこれまで一度も読んだことがなくて、この本が初めてでした。

この本は、西さんご自身が乳がんになったことについて書かれたノンフィクションです。

率直な感想。乳がんになるという西さんの体験を同時進行に見つめるような読書でした。そのなかで、西さんのまなざしがどんどん澄んでいくような、不思議な共振が読者にも伝わるような内容でした。
人は死と近づくとき、よりその人の生も強くなるのかもしれません。

私が心打たれたのは、西さんのまわりにはいつも温かい人たちがいて、西さんを文字通り支え、強めていること。そして、西さんはその友人たちひとりひとりを、これ以上ないというくらい愛を持って受け入れていることがその表現から伝わってくることでした。
こんなふうに友達を称したい。見返りを全く求めない、友人たちの温かい輪のなかで生きることは、なんて幸福なんだろう。そう思いました。

乳がんという巨大な出来事が西さんに訪れたこと、そのなかで西さんが見つめた景色を読書を通してほんの少し共有させてもらえるような本でした。

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