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2022年から愛を込めて

卒業公演稽古場日記、アンカーを努めます脚本・演出の山本です。

さて、今回はとても長々と語りたいと思います。ネタバレもございますので本編の方をご視聴してからお読みいただきますようよろしくお願いします。


SNSより愛を込めて

まずは作品について。この物語及び企画は構想期間1年程かかっており、ずっと温めてきたものです。

繋がること伝えることが今回のテーマでした。役者二人はいち早くこの意図について気付いてくれました。ありがたい限りです。
この物語に出てくる二人は方向性は違うものの、「繋がること」を求めています。そのために自分の愛を伝えようと貪欲に貪欲に行動していきます。その結果をリアルタイムでSNSに上がった動画で把握し、本編で彼女たちを知ってもらうのがこの公演の大きな計画です。

なぜこんなにまわりくどいことをしたかと言いますと、お客さんとの双方向のやり取りに近づけることをしたかったからです。

オンラインであるとどうしても液晶一枚挟まってしまい、暗転のタイミングで演劇の世界の外に出てしまう感じがします。

それをどれだけ壊すか。

第四の壁がまた襲ってきました。

だったらお客さんを登場人物として据えてしまえばいい。

詩音が送った動画の一つ一つは「あなた」に送られています。受け取り方は自由です。私じゃないあなたに送られているなぁでもいいですし、私に送られている!と思ってもいいです。あなたをこの作品に巻き込めたなら、大成功と言っても過言ではありません。

そして詩音は2022年で幸せになったのか?という問いですが、答えは本編中にしっかりとそしてほんのりと言及されています。これ以上言うと野暮ですのでひとまず内容の方はこれくらいに。


武蔵大学演劇研究部へ愛を込めて

実のことを言うと3年になってから部活の方を辞めようと考えていました。

理由は簡単です。対面の演劇ができなくなったことです。私達は引退公演が部活動の自粛要請のためできませんでした。

恨むなら未曾有の感染症と言い聞かせて過ごしていました。引退公演の脚本も一応完成させようとしていました。でも何もできませんでした。自己嫌悪だけが募っていて部に籍を入れていることさえ負担になっていました。

けれど辞められませんでした。

ひとつ上の学年の先輩方が卒業公演で新しい道を切り開いた時に、就活で自分を見つめ直した時に、後輩たちが困難な状況でも面白いものを作ろうと奔走していた時に目が覚めました。

先輩方も過去の私も、そして後輩たちも演劇というものに全力でした。最高の劇、最高の瞬間を作るために自分たちの持ちうるすべてを使い、活躍していました。

そんな姿を見て、対面にこだわっている自分が愚かに見えたと同時にもっとできることがあるかもしれないと燃えてきました。

演劇は一人では作り出せない。それは人数的な意味でもあり、精神的な、繋がりという意味でもきっと一人でも作り出せなかったと私は思っています。劇研の人々がいなければ私は折れていたでしょう。

武蔵大学演劇研究部関係者、全ての方に感謝いたします。ここまで燃えることができたのは皆様のおかげです。

ありがとうございます。


同期へ愛を込めて

かの座間さんが稽古場日記で言ったように同期は友達というより仲間です。めちゃくちゃしっくりきました。

うちの学年はカラーがあまり統一されていません。一括でどんな学年?と言われると言葉が詰まってしまいます。そんなバラバラな学年です。

でも演劇がしたくて集まったのは間違いありません。面白いものを作りたい気持ちを持った学年であることは間違いありません。アイディアを持っていくといつも「いいね!」「もっとこうして…」とどんどん具現化させてくれました。

真っ直ぐでちょっと変な方向にいくことはあるけれど、アイディアを一層膨らませてくれて先陣を斬ってくれる我らが部長ひろしょー。

毎度毎度違うテイストの役を華麗にこなし、劇中でも実生活でも違う新しい世界を見せてくれる密かに推しているおとく。

一番ヤバいと方方から言われていたものの、一番真面目で年を経るごとに成長が止まらない、お金貯まったら高い海鮮丼行こうなざまち。

入った当初はかなり警戒してたけど、いつの間にか一年生からいた気もするほど凄い馴染み、今回では編集の大役も果たしたこみりょー。

同期で一番人を良く見ていて、劇研のブラックみにいち早く待ったをかけて色々な人を気にかけてくれた私に無いものを持ってるたじ。

「相棒」っていう言葉で表現したい。0を1にすることが苦手っていってたけど、1を100に変える力があると思うよ。あなたが舞監じゃなかったら私どうなってたかわからんよ倉田。
  
と、このように最高の同期です。
自慢しただけです。
あげません。


この形の公演が完走できたのは間違いなく同期のおかげです。本当にありがとう。


さて、そろそろ筆を置きます。
まだ動画の方は閲覧できますので小ネタなど探してみてください。

名残惜しいですがこの辺で。
2022年から愛を込めて。
またどこかで。

山本朱音

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