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大学院

僕にとっては「当たり前」の男子学生としての生活がスタートした。

喫煙所ですぐに友達ができた。バイクの話、麻雀の話、彼女の有無や下品な話。いたって普通の学生たち。

僕の気持ちはとても穏やかだった。想像していたよりも何倍どころか数百倍穏やかだった。もっと浮足立つほど「男子学生」としての立場を喜ぶ自分を想像していたのだが、拍子抜けした。

その理由は単純明快。

自分にとってこれが「普通」「当たり前」だからなのである。

自分は男なのだから、男性として学校に通うのは当たり前であり、周りが自分を女性と思って接するわけがないのだ。人間、「普通」「当たり前」なことに一喜一憂はしない。

もちろん、僕の願いを快く受け入れ、細かな対応をしてくれた学校側には今も感謝している。あの学校のお陰でとても充実した学生生活が送れたのはもちろん、男性としての人生もスタートすることができた。

周りのレベルが高く、勉強についていくのは大変だったしレポートに追い回される日々でもあった。修論もしんどかった。

今となっては懐かしい思い出である。

2年間よく頑張ったな、俺(笑)

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