ビジネス初心者にとって「書籍制作」ほど非効率的なものはない
今日は書籍についてお話ししたいと思います。
フリーランスや会社経営者、または会社に勤めていて独立を考えている人は、「自分の本を作りたい!」と考えることがよくあります。本を作る目的としては、出版を通して自分のブランディングをしたい、自分の商品やサービスの販売につなげたいというものがあります。
例えばKindle Unlimitedの無料で読める書籍でよくある事例は、巻末にQRコードを載せておき、そのコードを読み込むと、自分の商品やサービスに繋がるランディングページ、無料のウェブセミナーへの誘導ページにアクセスできるようにしておくこと。
これは書籍をフロントエンドとして扱い、自分の商品やサービスなどバックエンドを売るために本を用いる方法ですね。
もう一つの目的は印税収入です。一般的に本は売れると売り上げの一部が印税として自分に入ります。Kindleの場合も、1ページあたり0.5円などといったように、一定の報酬が入ります。印税収入は、一度本を出してしまえば継続的に収入が得られるので、多くの人が魅力を感じています。
僕はストアカを使って「AIで書籍を作ろう」といったウェブセミナーを開催していて、この講座が結構人気があるんですよね。これまでの受講生は実際に、
「印税収入を得たい」
「自分のブランディングをしたい」
「本を出しておけば何かしら活用できるかもしれない」
「自分の商品やサービスを販売したい」
などといった願望を抱えている方が多くいらっしゃいました。
ただし、実際に本を作ってマーケティングやブランディングをするのは非効率的な場合が多々あるんですよね。
ビジネスに慣れている人ならともかく、これから独立したい人や、経験の浅い人にとってはリスキーな手法かと。
当たり前ですが、本を作った後は多くの人に存在を知られなければ、購入につながりません。これは、Kindle Unlimitedで本を作る場合でも、紙の本でも同様です。
多くの人に読まれるためには、Amazonでのランキング上位表示を狙ったり、広告を打つ必要があります。
Amazonでランキング上位を取るためには、人気のあるジャンルやカテゴリーを選ぶ必要があります。例えば、健康、美容、転職、副業、人間関係、コミュニケーション、お金、ビジネスなどのテーマは人気が高く読まれやすいですが、競合も多い。だからカテゴリー選びや分析が重要です。
選んだカテゴリーによっては、上位表示されているのが、 もう結構前に登場したベストセラーの本だったり、有名な作家が出しているような本だったりするんですよね。
知名度の高い作家とかの場合でも、Kindle Unlimitedで無料で読めたりするじゃないですか。
ちょっと前だと、僕はKindle Unlimitedで「コンサル一年生の教科書」とか「夢をかなえるゾウ」とかを読みました。
他にもKindle Unlimitedをよく見てみると、意外と名著が多いんですよね。
有名な本、ベストセラーの本がKindle Unlimitedで上位表示されていて、それと同じランキング・カテゴリーで自分の本が載っていったとしたら、(言い方悪いですが)素人の本よりも、そのランキング上位にある本とか、知名度の高いベストセラーの本とかが選ばれますよね?
そういったところで競合が強いカテゴリーだと勝ち目がないので、まず競合が少なそうなカテゴリーを探す必要があります。
また、本のタイトルやデザイン、書籍構成も意識しなければならない。文章も作成しなければならない。この時点でやるべきことは多いですよね。
しかも、これだけのやるべきことをやったとして、ランキング上位表示を取れるとは限りません。
そこで、Kindle Unlimited初心者がよく取る方法は、X(旧Twitter)などのSNSを活用すること。SNSを通して自分の本を宣伝したり、フォロワーを増やすんですね。
同じジャンルの作家や編集者をフォローし、その人たちのポストにいいねやリポスト、コメントをして自分の存在を知ってもらう、気に入ってもらえるように努力する。
さらに他の作家の書籍にAmazon上で良いコメント、評価をして、自分の書籍にも同じような反応をしてもらえるようにする。
…などといった地道な営業活動をするわけです。とても地道ですよね。
基本的にすべてのビジネスは認知から始まります。商品やサービスの存在を知られなければ、購入にはつながりません。ですが書籍を使ったマーケティングは認知されるまでがとても長い。
加えてAmazonのランキングや人間関係といった不確定要素に左右されやすく、必ずしも効率的とは言えません。
唯一例外なのは「ブックローンチ」ではないかと。
これも自分の書籍を無料で配布し、バックエンド販売を狙うものなのですが、広告コストがかかるやり方だし、それを回収できるだけのバックエンドも必要なので、ビジネス初心者向きではありません。
この話は長くなるので、また別の機会にでも解説できればと思います。
これからビジネスを始めようとする人や、始めて間もない人は、本を作るよりも、ライティングやデザインなど自分のスキルをウリにして、直接顧客に営業をかけていく方が手っ取り早く稼げるのではないかと思っています。
僕もこれまでお客さんの本だったら30冊近く書いてきたけど、自分の本は書いたことがない(2024年5月時点)。
しかしながら、「自分の本を出したい!」という人は多いですね。まぁ「著者」って肩書がインスタントに権威性をアピールできるので、魅力を感じる人が多いのだろう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?