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つぼやき

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つぶやきとぼやき
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2020年6月の記事一覧

今朝は雨がシトシト降っている。雨降りの出勤で濡れるスニーカーを恨めしく思いながら朝食を食べる。いつも長靴を買おうと思いながら、つい、あとでいいや、という。仕事を覚えてからは怠惰な自分との距離をうまく測っていたつもりなんだけど、人間の本質てのはなかなかどうして、変わらないものです。

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数日前にポケモンgoを始めた。デジタルの地図の上にポケモンが現れてスマホをブルブルと振動させる。走っていても景色よりポケモンが気になって新緑の風景も無機質に見える。ランニングの醍醐味はいかに。でもより強いポケモンを求めるポケ魂に抗えず、しばらくは下を向いて走ることになりそうです。

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ポケモンgoで体調を崩した。寝不足です。昔からゲームにハマると昼夜の境を見失う。抑圧からの反動、と捉えています。今では勉強だなんだと娘を抑圧している私。彼女にくる反動はどんなものか。あんまりマニアックなものでなければいいなと願っています。そういうのって自律できないことが多いから。

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8年前の6月9日に籍を入れた。晴れた日の昼間に銀座で婚姻届けを出した。それから結婚記念日はいつもレストランで食事をしてベロベロになるまで酒を飲みロックなんか聴かずに眠った。今年は外食を控えて家で食事をする。クイーンの映画を観ながら酩酊した。今日が今までで一番ロックな日だった。

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藤井風のなんなんwを聴くと方言がまるでおしゃれに聞こえる。聴いとるだけで気持ちええんじゃけえ歌う方はもっと気持ちええんじゃろうな。大阪風お好み焼きとか広東風かに玉とか食べ物を連想させる彼の名前をツイッターで検索すると藤井風にアレンジされた音楽をおいしくいただけます。ご存じですか?

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電気で動くものに電気が通っていない。駐輪場から出られなくなってしまって緊急連絡先のフリーダイヤルに電話する。トゥルル。出ません。トゥルル。呼び出し音の長さに比例して、沈黙を守る精算機を蹴り上げたい衝動が高まります。トゥルル。怒りのために震えるなんて何年ぶりでしょうか。トゥルル。

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昔、多摩川で見つかったアザラシのたまちゃん覚えてますか?私は覚えてませんでした。多摩川沿いには実に多くのスイッチが隠されていて、それを押すたびに川の底に沈んでいたような様々な記憶が浮かび上がってきます。こういうのを原風景っていうんでしょうね。たまちゃんは元気にやってるでしょうか。

ガソリンの排気が烟る赤堤通りにロードバイクに乗って颯爽と現れた彼女。前傾姿勢を崩さず一定のリズムでペダルを回す。彼女の髪の匂いが風に乗って後ろに流れていく。黒いズボンに包まれた大きいお尻が暗闇の中の赤提灯みたいにドシンと車道に浮かんでいて、私はそれを頼りに渋谷まで自転車を漕いだ。

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腕時計はどっちの手につけますか?私は左手です。それでたまに右手につけるとすごく違和感がある。なんか調子でないんだよな。在宅に慣れてしまった私という腕時計がたまに会社で時間を進めているとやっぱり違和感を感じてしまう。退勤まであとどれくらいか。やたら腕時計を気にしたりしてですね。

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早起きしたのでいつもより時間をかけて丁寧にヨガで体をほぐして、いざ自転車に跨ろうとしたらギックリ腰になった。腰を曲げて帰宅した私を妻は心配してくれたが、大事にはならなそうだと見極めた彼女は「あんなめっちゃヨガしていってこんな事ある?」と言って笑った。関西人の彼女のツッコミは鋭い。

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十代で椎間板ヘルニアを患って以来すっかり歴戦の腰痛持ちです。この自粛期間中は真剣に腰痛と向き合いました。でも百戦錬磨の痛みの元に私ごとき勝ち目はありません。日本語で突出を意味するヘルニアの突き出した一発のジャブでダウン。ギックリ腰による戦意喪失でTKO負けを喫しました。

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影が夜に消えていくように生活の中に潜む不安が消えていくのを感じます。この街に越してきたのが二年前。道に咲く花の名前を覚えたり、夏草の匂いを思い出したり、酒に誘う人ができたり、良い医者に巡り会ったり。私は運がいいのです。あとは大事なものが消えてしまわないよう注意深くいるばかりです。

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梅雨という名前の監獄に閉じ込められた晴天が思いがけなく脱獄して自由の喜びを地上に注ぎ込んでいるような天気だった。ベンチに座って街路樹を見るともなくみていると大きな木から羽のような実がざあっと風に吹かれて飛びすさびアスファルトを淡い黄色に染めている。これは夏を報せる木でしょうか。

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