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2021/06/26 夏に殺される

夏、夏、どの歌も作品もみんな夏ばかりだ
夏の匂いなんか感じることがない非感傷マゾヒストな私はもううんざりしている

みんな夏にノスタルジーを、青春を感じやがって 
夏なんかただムシムシ湿度の高い不快な暑さで満ちているだけなのに

夏が嫌いだ
創作の中の夏だけが不快指数のないキラキラとした輝きでただ私を見つめる、商業的な視線だ
不自然な自然、サナトリウムのような隔離された青春、作り物だ
だからこそみんなそんな作り物の夏に耽溺するのかもしれない

夏が嫌いだ というか四季が嫌いだ、風情なんて持ち合わせてないから
神様が一年中出雲に出張して年中十一月になってしまえばいい
そうすればもう夏の歌にも冬の歌にも負い目を感じることなく過ごしていけるだろうから

ああ、こうしてるうちにも刻一刻と夏は近づいてくるのだ
嫌いだ 夏に殺される

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