見出し画像

Kaurilan Saunaの物語

元アンチサウナだった人が、フィンランドでサウナにどハマりし、noteでフィンランドサウナ旅行記を連載したり、滝ツボにダイブするサウナのレポを寄稿したり、自宅にサウナをつくったり、サウナ情報冊子をつくったり、ついにフィンランドサウナからサウナグッズ輸入販売をはじめてしまったわけですが。


画像1

2021年初夏 GRAND OPEN!したオンラインショップ

そんな私を、フィンランドで沼奥深くまで沈めてくれた愛すべき場所。それが、ヘルシンキ郊外のKaurilan Sauna(カウリランサウナ)です。


カウリランサウナは、フィンエアー公式がオススメするサウナや、フィンランド政府観光局がオススメしたい最高のサウナ100にも選ばれていてます。

ほかにもHanakoで紹介されていたり……


さらにマグ万平&清水みさと「のちほどサウナで in フィンランド」にも登場。

このアイキャッチ画像になっているサウナが、カウリランサウナ


なお、私が行ったレポはこちらに。


もう、これらの記事をざっと見ただけでも、日本にはまだ存在しないタイプの、フラットで自由で、たおやかなサウナだと伝わるかと思います。

ああ、忘れられない、あのろうそくの明かりの中で、誰もが裸のまますごした不思議なひととき。あたたかいミントティと、世界で一番おいしいパン……。

そんなカウリランサウナに惚れすぎて、ムロタの手によって本邦初輸入。


カウリランサウナ、知れば知るほどますます好きになる、素敵なエピソードがあるので、ご紹介します! 

(多少、訳がまずいのは大目にみてくれ、たいして英語ができないのに輸入業を始めちゃう猪突猛進型なのが私だ!


● Kaurilan Saunaのはじまり

カウリランサウナは2009年、ヘルシンキ郊外のOld Meil​​ahti(オールドメイラハティ)地区に、女性管理人Saara(サーラ)によって設立されました。

画像2

カウリランサウナ

カウリランサウナは、現在、オーガニック化粧品とキャンドルを作っているメーカー。ヘルシンキの西側にあるMunkkiniemi(ムンキニエミ)に、コスメなどの実店舗もあります。

画像3

ムンキニエミにあるショップ


さて、私が惚れ込んだ公衆サウナはというと……。

実は、土地のオーナーの権利問題で2020年冬にまさかの閉鎖。現在、サーラとその夫であるJaakko(ヤーコ)、そして素敵なサウナの妖精たち(言い方がかわいすぎる)と新しい場所を探し中。いい所が見つかり次第、再開予定とのこと。

コロナが落ち着き、日本からフィンランド行けるようになるころには、復活していてほしい……!!


● 若くしてシングルマザーとなったサーラ

さて、カウリランサウナの女性オーナー、サーラの紹介を。

サーラは、17歳で息子を出産したシングルマザー。レストランで働いたり、シルバージュエリーを製作したり、とにかく若いころからたくさん働いて、生計をたてていました。そしてしっかり稼いで、ちゃんと節約して、そのお金で、息子と一緒にヨーロッパ、アジア、ニュージーランドなどへ、ちょくちょくバックパック旅行にでかけていました。

最近母となった自分からしたら、この勤勉っぷりがすごすぎてもうね……。

このころから続く好奇心や勇気、経験、オープンなマインドが、今もカウリランサウナの下地となっています。

画像4

彼女は小柄で、息子は年齢のわりに大きかったため両親のいない姉弟と思われることもしばしば……写真は2000年、息子さんとサーラ、イタリアにて


サーラは、メイラハティ地区の家にあった木造のサウナが大好きで、いろんな人とその素敵なサウナを共有したいな……と常々考えていました。

伝統的なフィンランドサウナを最大限楽しんでもらうためには、どうしたら? まずはオーガニックコスメとやさしいリネンのタオルが必要だ! と思った彼女は、ゲストのためにタオルを一枚一枚、縫うことからスタート。その数、およそ80枚。

画像5

カウリランサウナは女性のみか、男女混浴かのいずれかで、どちらもフルネイキッド、定員8名ほどの完全予約制


カウリランサウナの始まりとなった、リネンのバスタオルもsinäで販売中


● オーガニックコスメとキャンドルの誕生

さらに、サーラは美しく燃えるキャンドルを探し求めていました。また、敏感肌の彼女の肌に合う、無香料の石鹸も。しかし、なかなかカウリランサウナにぴったりだと思えるプロダクトは見つからず……。

もう自分で作った方が早いなと、なんと彼女は石鹸とキャンドルの作り方を勉強。いや、行動力……!

画像6

レースキャンドル製作中のサーラ


そうしてできたオリジナルのレースキャンドルは、唯一無二の美しさ

サーラは自分の肌でコスメを試し、また、サウナのゲストたちの声にも耳を傾けて、試作に次ぐ試作を繰り返しました。

そうしてできたプロダクトたちを、初期のころはサウナの中や、クリスマスマーケットなどのポップアップを中心に展開。やがて人気が出てきて、オンラインショップを2017年に開始、2019年には実店舗をオープンしました。

現在では、フィンランドのさまざまなお店で取り扱いがある人気サウナブランドに。在日本フィンランド大使館のラウラさんも、カウリランサウナのピートとハニー、コーヒースクラブを愛用中。

画像7

2021年にはヘルシンキのMUJIでポップアップショップも

● カウリランサウナの成長

サーラは2009年の設立から2017年まで、カウリランサウナの経営をたった一人でやっていました。一人でサウナを掃除して、薪を運び、火をくべて、ゲストを迎えていました。

サウナ仕事のあとにも、ジュエリーの開発、製作、梱包などを行なっていました。コスメの製作は、はじめはサーラのキッチンで、それからメイラハティの小さな工房で作るように。

画像8

ジュエリーを製造するサーラ

カウリランサウナの最初のスタッフは、マイリ。彼女は今でもサーラの右腕です。それからヤーコが助けに入り、販売やマーケティングだけでなく、サーラが苦手なネットやPC関係の仕事全般を担当してます。

ちなみに私がいつもやりとりしているのはこのヤーコさん。めっちゃレス早いし、文面からいい人さがすごく伝わってくるのです……。

今では、カウリランサウナでは、季節に応じて5〜10人ほどのスタッフ……もとい素敵なサウナの妖精がやってきて、サーラの仕事を手伝っています。

画像9

カウリランサウナの妖精たちと、わんこズ(ドリスちゃんと弟のヒューゴくん)

画像10

Jaakko(ヤーコ)とSaara(サーラ)は別のサウナで出会い、恋に落ちました


● カウリランサウナの名前の由来

カウリランサウナの「カウリラン」とは、フィンランド南東部にある、北カレリア地方と、その村のカウリラに由来しています。

カレリア地方は、2000年以上前にサウナが始まったとされている土地。フィンランド郷土料理カレリアパイでも有名ですね。

画像11

木の葉のような形のカレリアパイ


ここからがまた興味深いのだけど。

1894年に建てられたカウリラ駅の木造駅舎が売りに出されていて。1990年代、サーラの家族がその建物に惚れ込んで購入、今のメイラハティの地に移設してきたのです。

画像12

当時カウリラにあったカウリラ駅舎

画像13

移設後のカウリランサウナ本舎。つまりこの本舎は100年以上前の建物。フィンランドでは木造建築の移設はわりとポピュラーなのだとか


さらに本舎と同時に、古い木造サウナを、ヘルシンキ北にある町Tuusula(トゥースラ)から、同じ敷地内へと移設してきて、公衆サウナ「カウリランサウナ」がはじまったのです。

画像14

カウリランサウナの中。あーまた行きたい……


現在、これら建物は私用となっていて、カウリランサウナのプロダクトは、ヘルシンキの北西部、Pitäjänmäki(ピタヤンマキ)で製作されてます。

画像15

2020年、新しい仕事場で作業台を作るサーラ。作業台までも手作り。

カウリランサウナの目的は、持続可能、いわゆるサステナブルなプロダクトをお届けすること。プロダクトは今でも、ひとつひとつ愛を込めて手作りされています。

サーラとヤーコにとって、サウナはとても大切なもの。いい場所さえみつかれば、あとはすぐに公衆サウナを再オープンするだけ。準備はいつでもできています。

「夢は、一年中開いている、海沿いのサウナを開くこと。

素敵な夏と、最高のサウナのひととき。どうぞ楽しみに待っていてくださいね。

サーラ、ヤーコ、そしてカウリランサウナの妖精たちより。」


ん、もう、めっちゃ待ってる!!!!


……というわけで、そんな彼らのサウナとその想いが好きすぎて、彼らのプロダクトの輸入を始めたのです。

日本にいながら、そんな彼らが愛情こめてつくったものに、触れることができたら素敵だなって。

ショップの中を、どうぞぐるりと回って楽しんでいって。そして、お手にとって、サーラとヤーコの世界を五感で感じてもらえたら嬉しいです。


ショップはこちらから。

画像1


noteにも、ストアできました。


フィンランドサウナの穏やかな日常を、あなたの日々の生活に。



【取り扱い実店舗】
カウリランサウナの商品は、以下の店舗でも一部お取り扱いいただいてます
在庫については各店舗にお問い合わせください

[東京]
サウナラボ神田(竹橋)
フィンランドカフェ キエロティエ(荻窪)

[埼玉]

おふろcafé utatane(大宮)

投げ銭、とっても励みになります