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どうやら母になったらしい ③妊娠3ヶ月

※これを書いているのは2020年6〜7月です。

もう3ヶ月?? おかしくね??と思うけど、実際まだ受精から1ヶ月半、最後の生理からは丸々2ヶ月なので、つまり3ヶ月目、という方が正しい。しかし、言葉のせいで、否が応にも妊娠を自覚させられる感じがある。

[身体の変化]
・胸がでかくなりすぎ
・乳首立ちっぱなし
・胸がちょっと動くだけで思春期なみに痛い
・喉がやたら乾く

・腹が減る(でも量は食べられない)
・便秘気味
・毎日眠い


● 【8週目】リングフィットアドベンチャーをゲット

妊娠中は腹筋を鍛えるな、無意味、などといった言説があちこちに載っていたため、筋トレを辞める。すると、みるみる体型が戻った……(体重は変わらず)

しかし運動はしておきたい。というわけで、ようやく手に入れたこちらを。

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リングフィットアドベンチャー! はい、最高。いいゲーム。

私の食欲に合わせて、ぷくぷくし始めてた夫にもちょうどよかった。

妊娠初期なのでレベル2に設定。リングフィットは、いろんな身体の人が運動できるようになっているユニバーサルデザインゲームだ。お腹が大きくなってきたら、腹筋を使う運動をボタン操作で代用できる方法もある。ニンテンドーすげー。ますます好きになったわ。

今のところ、2〜3日に1回くらいのペースで運動してる。


● 酒飲みの弊害

酒を飲みたい欲求以上に厄介だったのが、自分の酒飲みキャラクターだった

というのも、必ず飲む人がいきなり飲まなくなったら変に思われるため、自動的に馴染みの店での外食=マタニティカミングアウトせざるを得ず……。

「何かあったら面倒だし、安定期まで外食は我慢してもいっか」と思ってたのは最初だけで、結局食欲には勝てず。地元には、うまい飯が多すぎる。

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家で飲んでたミントソーダ(ノンアル)をTwitterでモヒートと間違えられて、そのまま否定しなかったり

さらに毎日ひたすら眠いので、自炊が億劫になっていた。ああ、店の人たちと仲良くならなけりゃよかった。それは違うか。

クラフトビール屋なんて、コロナ自粛で毎週のように買いまくってたのにぴたっと買わなくなったから、死んだと思われてるかも。と、スーパーの帰りに、挨拶へ行くも、店の冷蔵ケースの中身は、全部来年までただのポイズンだ。

いつも、どの酒が食事に合うか、ばかり考えてたのに、その相乗効果がゼロになってどの食事も物足りない。おかげでラーメン、カレーライス、うどんといった、お酒をさして必要としない料理を摂りたがる。酒を忘れるために。

そんなに飲みたいか。飲みたいです。

ちなみにこの時点で、近所の八百屋、寿司屋、居酒屋、ビール屋には伝えているが、未だ父には伝えていない。だってコロナで会ってないし……。

毎日毎日「こういうのって、いつ言えばいいんだ……」と逡巡している。


● 人からの誘いを断りまくる

近所の店を除くと、この時点で妊娠について知ってるのは友人1人だけ。4月に出産したばかりの彼女とは、互いに妊活の話もしていた。で、彼女のが先に妊娠して、そのころ割と頻繁に会う機会があったので、妊娠を伝えられた。そのため、私が伝えたのもそのお返しの感じで。

正直、話せる友人(しかも直近の体験者)がいるのはかなり心強くて。

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懐妊祝いに友人がくれたメルローとソーヴィニヨンの葡萄ジュース。めちゃくちゃうれしい。そしておいしい。

この時期、やたらお誘い(主にサウナの)があったのだけど、いろいろ理由つけて断りまくっていた。会ったら酒飲まないから一発でバレるし、そもそも公衆サウナで体調崩したら嫌だし。サウナはダメではないみたいだけど。

9週目までは胎児とすら呼ばず胎芽といい、とにかくまだ安定してないのだ。ただ、人工中絶でも、死亡届を出さないとならないのは12週からなので、今腹の中にいるのは人間ではなく未分化の何か、ではあるんだけど。

ちなみに、世界産科婦人科連合の定義では「初産では35歳以上、経産では40歳以上」、日本では「35歳以上の初産婦を高年初産婦とする」 と定義しており、経産婦での定義はとくにない。

前回も書いたけれど、初期流産の確率は、万が一(=0.01%)って言葉よりもはるかに高い約8~15%高齢出産では15%以上だ。そして、そのほとんどは胎児側の遺伝子に問題があって流れるパターン。珍しくない確率なので、気を遣わせるとよくないから、この時期にはあまりカミングアウトしたくない。

でも今、流産してほしくない一番の理由は、この1ヶ月ひたすら寝てばかり、初期の地味な鈍痛に耐えたりしてたのが、振り出しに戻るのがマジでめんどくさいから。ごく淡々とした理由。

お腹も出てないし、女体スゲー、って思ってるだけで、母性らしさはまだ芽生えていない。そんなもんです。


● 自宅サウナ、稼働

妊娠が発覚してからは、1回だけ銭湯のサウナへ行った。だが、コロナ自粛期間が明けたばかり、かつ、妊娠中にサウナってどうなのかこの頃はまだわからず、緊張してあまり楽しめなかった。

そんななか、ようやく電気工事の目処がたち、自宅サウナ設置完了。

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サウナで体調崩したらどうしようとか、万一出血でもしたら……とか、そういうことを考えなくて済む! 最高にうれしい。

この自宅サウナができるまでについてのnoteはこちらをご参照。

一応、公衆浴場は妊婦も入っていいらしいけど、お腹大きい状態を人に見られるのが気になるし、サウナはクセの強いおばさん=ヌシも多い。そのため、気兼ねなく入れるサウナが家にあるのは、最高のインフラだ。

"Finland・sauna・pregnancy" などでいろいろと検索したけれど、だいたい極端すぎる温度のサウナでなければ、ふつうに楽しんでいいといった記事がたくさん見つかった。

妊娠中のサウナは多生児、妊娠高血圧では禁忌。ほか、炎症を起こしている場合もよくないが、基本は立ちくらみにさえ気をつければ、風呂と同じように楽しめるらしい。

現在、お腹はそこまで温めないようにしながら、のんびり入っている。そういう温度調整もできるのが、自宅サウナのいいところ。


● つわり的な何かと、消化器官の不調

相変わらず「うっぷ」はない。が、とにかくやたらとお腹が空く。お腹が空くと、食道から胃までハッカ入れてスースーさせすぎてるような変な違和感があり、それを埋めるために何かを食べていたい。この感覚は人生ではじめてだ。

お腹は頻繁に空くのだけれど、たくさんは食べられない。

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心強いお供。ハリボーもぐもぐ


あと、よく妊婦は酸っぱいものを欲しがる、って言うけど、要するに刺激的な味覚が欲しい感じだ。辛いのとか、酸っぱいとか。元々タイ料理ラブなので、そこは妊娠前とあんま変わらず。

ほか、イワシの梅煮とか、中華の甘酢とか、パイナップルなんかもうれしい。

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あわたまスープも幸せのひとつ。これとってもおいしい


ほかの変化といえば、やはり先月に引き続き、甘いもの欲が止まらない

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急にわらびもちなんて恋しくなったりして

あと、便秘はあまりしない方だったが、お通じが3日に1回くらいになり、ついに1週間に1回に。毎回、産みの苦しみに苛まれる。寝てばかりいるので直腸から肛門への重力がうまく働いてないとか。リングフィットして、サウナして、ご飯食べて、それでもまだあまりよくない。

限界がきたので、鍼治療に行ってみた。タイミングがよかったのか治療の効果か、鍼打って30分後、一気に解消された……。

それからは根本的に腸内環境改善しようと思って、ヤクルトレディにミルミルを毎週持ってきてもらうことにしてみた。すると、以降、まったく便秘せず

全妊婦にオススメしたい。

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ヤクルトレディはすばらしいサブスク


● 夫への愛情が低下

うちは結婚して9年でも新婚と間違われるくらい仲良いから大丈夫っしょ、と思っていたのに、クソどーーーーーでもいいことでイライラする

コロナで夫がリモートになったため、もう3ヶ月ずっと一緒にいるせいなのかもしれないし、このイラ〜の原因は正直不明。以前は何でもないのによく私からぺたぺたとくっついていたのに、なんか絶対くっつきたくなくなった。その気持ちを認めたくなくて愛着を手繰り寄せようとするんだけど、違和感がすごい。

"妊娠中は愛情が下がる" って何かで読んだからじゃん? と思いたいのだが、実際夫の料理が下手すぎ(手際が悪すぎ)てゲッソリしたり、コロナで身なりに気を使わなくなりつつあることにグンナリしたり……でも、これは妊娠前からその傾向はあったしなあ……。

時間が解決するのを祈る。


● 【9週目】予定日確定

病院へ。私と同じ1月生まれに決まり、ちょっと愛着が湧く。

実は子どもの誕生日を、秋〜冬生まれにしたいと思っていたので計画通りだった。これはごく単純な理由で、夏に臨月と出産をしたくなかったから。新生児って体温高いし、冬ならくっついていたいかなと思って。猫も、冬のがくっついていたいと思うし。って、また基準が猫。

とはいえ、実際産んでみたらやっぱ夏のが初期の買い物が少なくて済んだとか、冬は腹の中との寒暖差激しくてかわいそうとか、4月生まれのがいろいろと有利、とか、いろいろあるかもしれないけども。

ま、なんでもいい、とりあえず今は育ってくれれば。

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他人から見たらなんのこっちゃな超音波検査だけど、右上が頭で手足も出てて、2頭身がはっきりくっきりです。わかりますか。ヒィー! スゲー!

この日は夫に見せるための動画を録りながら診察。股全開で「うわああ動いた!」とかいちいち言う私。騒がしい。

夫に見せると「えっ、診察って中からなの? お腹の上からあてるだけだと思ってた」と言われた。(※その後、赤子が大きくなってきたらおなか側からの診察になった)

次の診察からは産院の見学も兼ねたいので、別の病院に行きますと伝えたら、受付のちょっと話してた看護師さんに「えー来なくなっちゃうの寂しいです〜 。またいつでも遊びに来てくださいね!」と言われる。

いや、ここ病院だから。遊びにとか、ないから。


● 【10週目】 病院を近所に変える

我が家のでかい猫(5kg)にドカッと子宮を蹴られ、以来、下腹部右側がチクチクズキズキ痛み出して心配に。この際だからと、近所の八百屋が2代でお世話になっているらしい、気になってたベテラン医師の病院のところへ行ってみた。

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思いきり腹に乗る猫。ぎゅむっ

とてもいい感じの先生だけど、おじいちゃんなのでお産はもうやってないとのこと。残念。。。

ちなみに下腹部の痛みは子宮が大きくなる時のソレで、よほど鈍感な人じゃなければみんな痛い時期だと。猫に蹴られたくらいでは大丈夫、そんなに子宮はヤワじゃない、と。よかった〜。

ただ、10週4日目のつもりで行ったのに、なんか「妙に大きいな……もう11週目くらいあるね」と言われ、予定日が少し早まるかもしれない。最終月経から計算すると1/30で、先週決まった予定日は1/26なのに、大きさからは1/22。まあ、でも間をとって1/26でいこうか、となった。

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先週24.0mmだったのが39.4mmに。フォルムも人型へ。成長が早い……。


● 母がいないの地味にキツい

遺伝的に、ある程度体質が似るであろう親と娘。だから、一般的に母親の出産ってのは最も参考になるサンプルのひとつ、だと思う。

しかし、私の母は12年前に他界。さらにいうと、帰ろうと思ってもここが実家(父の方が実家を出て再婚した)なので、里帰り出産もできず。母の妹も、父の奥さんも、出産未経験。つまり、身近に頼れる親族女性、ナシ!  夫側のお義母さんとは、会えば仲はいいけど、直接やり取りするほど親密ではないし……。

そして、まーだ父に妊娠のことを言えていない。母が生きてたら、もう話せていたと思う。母親ってのはそういうもんなんだな……。

対面ならまだ横に夫もいてくれるから話せるのだが、月イチくらい一緒にご飯行ってた父夫妻とは、コロナの影響でもう4ヶ月会っていない。

電話は1対1だから、なんか嫌だ。かといってLINEのトークで言うのも軽いし。だとして、夫に代わりに電話をしてもらうとしたら、コール3秒のあいだ、絶対私が事故ったか何か嫌な気持ちを抱かせてしまう70歳高血圧、寿命が縮まりかねん。

父の奥さん(一緒に海外行ったくらいは仲良し)に話そうか、他人だから逆に話しやすいんだよな、とも思うんだけど、それすると父がなんで俺に真っ先に言わないんだってヘソ曲げそうだし……。

結果、まだ安定期じゃないからいっか〜、などとだらだら先延ばしにしている。この間にも、友人がもう一人、仕事先の人がもう一人、と次々と私の妊娠を知ることに。

家族親類だけが何も知らないまま、日々が過ぎていったある日、勢いで報告することに。ああ、酒があれば酒の勢いで電話できるのに、と思いながら。父に限らず、最近電話なんて滅多にかけないから緊張するな。

「あ、もしもしお父さん?」

「なに、どうした」

「えーと……私、今妊娠しててさ。」

「……おお。おめでとう。」

「今3ヶ月で、まあそろそろ安定期だから報告しようと思って。一応来年1月下旬が予定日なんだけど。」

「うん。そうか。あ、ちょっと妻に代わるね。」


代わるんかい!!!


で、ここからはずっと父の奥さんと喋ってた。つわりがキツくないとか、夫婦共にリモートだから安心だとかなんだとか。

なんとなく、電話の向こうで鼻をすすってるような音が聞こえた。父は一人っ子で、両親もとうに他界している。妻とは死別し、息子は未婚で、そんな中での初孫。まあそりゃ色々なことを思うよな。ただの鼻炎かもしれないけど。

翌日、父たちは2人でシャンパンを開けてお祝いしたそうな。

弟にもこの日伝えた。こっちはLINEで適当に。夫も、夫の両親に電話で伝えてくれた。

翌日、リビングに行くと夫が泣いていた。ええ、昨日の感慨でもあったのかな、心優しいやつ……と思いながら、どしたの? と聞くと


「いまHUNTER×HUNTER読み返してて……ズズッ」



……そういうやつなんだよ。



つづく。


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