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必要なのは、勇気よりも負けない引き出し

僕の尊敬するホビー不動産仲間に、ビーフンデザインの進藤強さんという建築家がいます。

Googleで「変態建築家」と打つだけで進藤さん関連の記事がトップに並ぶほど、いつも無邪気な発想力でトリッキーな設計をされる建築家でありつつ、自らも不動産投資家として予測不可能、変幻自在の投資を多数行っている方です。


そんな進藤さんに数年前、Facebook上で知人の方が、「いつも攻めた投資をされていて、進藤さんは勇気がありますね」というコメントをされました。

それに対して進藤さんの返した、

「必要なのは、勇気よりも負けない引き出し」

というコメントが、大家業をやるうえでとても重要な言葉だと思ったので、シェアさせてください。

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死なないための準備を、死ぬほどする

不動産を買うことは、「一生で一回の大きな買い物」というフレーズもある通り、多額のお金が動きます。

改めて言うまでもなく、不動産投資は安定したリターンを狙える反面、数千万円~億単位の借金をすることも多いため、リスクがないはずはありません。


一方で、銀行に預ければリスクがないのか?といえば、銀行だって絶対に潰れない保証はなく、預金をしてもほぼ金利がつかない水準です。

見方を変えれば、銀行にお金を寝かせることは投資をすれば本来得られるはずのリターンを放棄することであり、インフレが来ればたちまち資産が目減りするリスクを抱えることになります。


数ある投資の中から不動産投資を選ぶ際には、こうしたリスクとリターンを天秤にかけて判断するわけですが、ここで必要なのは決して勇気だけではありません。

もちろん、最後には銀行から多額の借金をする契約書にサインをする勇気も必要ですが、それよりも大切なことは、死なないための準備を、死ぬほどすることだ、という考え方が、進藤さんと僕の共通点です。


改装費用は少なめだけど安全パイな賃料査定にした際に想定される利回りや空室率はどうなる見込みか?

もう少し費用をかけてガッツリ改装するかわりに、多少攻めた賃料に設定する場合にはそれらがどうなるか?

あるいは、建物の現状の用途を事務所や店舗、ホテルに変更したり、一棟貸しだったものをフロア貸しに分けた場合に、それぞれ収支はどう変化するのか?


こうした、アップサイドがどこまで狙えるのか?をシミュレーションすると同時に、もし市況の変化などで想定通りに進まなかった場合、ホテルを共同住宅に戻したり、賃料をどこまで下げれば確実に借り手が見つかるのか?

あるいは、最悪いくらなら売却することができるのか?それでローンが返済できるのか?といったダウンサイドのシミュレーションも、しっかりとやります。


そのうえで、

・一番面白いけど必ず成功するか分からないもの
・いい感じになりそうだけど無難なもの
・面白みは欠けるが安全なもの

といった選択肢をいくつか並べた上で、他にやっている投資でリスクをカバーできるのか?も踏まえて、リターンがちゃんと得られて、『できるだけグッときて』、死なない投資を選んでいます。

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『必要なのは、勇気よりも負けない引き出し』

では、死なない投資をするために必要なものはなんでしょうか?

それは、負けないための引き出しです。


不動産投資をはじめるうえでは、不動産や建築に関する最低限の知識が必須となります。

と、言われた時点でなんだか面倒くさくなってしまって勉強を放棄してしまう方は、多分痛い目をみるので、不動産投資には手を出さないことをおすすめします…


不動産投資は面白そう!と思ったら、まずは関連本を数十冊読んでみたり、セミナーに参加してみてください。僕も、貯金もなく買えるはずもない20代中盤の頃から、随分いろいろと通いました。

今だったらClubhouseで不動産関係のルームに入り浸るのもいいと思います。

投資法は人それぞれで、異なる意見がたくさん入り交じる世界であることを認識するのが、負けない引き出しの第一歩です。

いろんな方々とお会いすることで自分の間違った思い込みに気がついたり、リフォーム工事や融資に関して新たな人脈が広がったりと予想外に得られるものが多いものです。

自分とは考え方が違うかも?と思っても、学べるところが一つだけでもあれば儲けもの。知識を自分流にアレンジしてしまえばいいんです。ちなみに僕の不動産投資に関する知識の9割は、自分と考え方が違う方から得た情報でできています。笑


こうして自分自身がまず不動産投資をはじめるにあたり最低限必要なリテラシーを持つことが、負けないためにはメチャクチャ重要です。

一方で、なんでも自分で知っている必要はなく、「知っている人を知っていること」もとても重要になってくるので、不動産や建築のプロ、各種工事のプロや融資情報に強い百戦錬磨の不動産投資家さんなど、できるだけ広くつながっておくことが負けないための引き出しになり、セーフティーネットになります。


困ったり分からないことがあったら、どんどん他の分かる人に教えてもらえばいいし、頼ればいいと思います。不動産投資まわりの方々は常にお互いさまで動いている感じがあり、気持ちよく助けてくれるはずです。

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臆病で、大胆であれ

繰り返しになりますが、不動産投資に必要ものの一番最初に勇気がくることは決してありません。

人類で最初にナマコや貝類を食べた人とか、ほんとに勇気があるなと思いますけど…。


失敗したら一発退場もあり得る不動産投資の世界では、むしろ勇気より臆病さの方が先にくるべきで、臆病さからくる慎重な準備を徹底的に行なった結果、進むべき方向が見えたら、そこからはひたすら勇気をもって大胆に進むことです。

そしてさらに、その過程で「面白い!」と楽しめる余裕が出てきたら最高です。必要なのは、好奇心と知識と勇気、臆病さのバランスです。


不動産をホビーとして楽しむって、いわばオモチャが稼いでくれて、次のオモチャを買ってくれるようなもの。一度やったら本当に楽しいですよ。大人にしかできない最高のホビー。


僕も、死なないように不動産で遊びたいと願う人の引き出しのひとつになりたいと思っています。お役に立てることもあるかもしれないので、なにかあればお気軽にお声掛けください▼


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