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『絶対に受けたくない無駄な医療』(室井一辰著,日経BP,2014)(60回)重症ではないぜんそく、気管支炎で胸のX線検査をしない 米国病院医学会

【第60回】

受けたくない医療57【呼吸器科】
重症ではないぜんそく、気管支炎で胸のX線検査をしない
米国病院医学会


 ぜんそくや気管支炎で胸のX線検査をする場合があるかもしれないが、米国の学会は否定的だ。米国病院医学会は、「重症ではないぜんそくや気管支炎の子供に胸部X線検査を実施してはならない」と言う。臨床研究によって、胸部X線検査はぜんそくや気管支炎の診療では有用性が限られると分かっているからだ。
 前項ではスパイロメトリーの有効性について触れたが、現状の米国のガイドラインでは、身体検査や病歴からぜんそくや気管支炎の診断は十分にできるとしている。胸部X線検査をしなければ、むしろ無駄な出費が減るので、こちらの方が重要だと見る。診断や治療の質を下げることにもならない。日本ならば、1回当たり5000円ほどの節約効果がある。

(第60回おわり、第61回へつづく)

(Photo: Adobe Stock)

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