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転職GO GO!転職して良かった〜。

忘れもしない2005年の初夏、
それまでは考えも思いもしなかった“嵐“が
突然目の前に現れ、
大きな波となってアッという間に身をさらわれ
気がついたら生活環境がスッポリと変わっていた..。
それが僕にとっての“転職“っていう経験だ。

前職で働いていた舞台は音楽業界小売業、いわゆるCDショップだ。
入社してすぐ音楽バブルが訪れ、何100万枚のヒット作が連発。
元々音楽好きで入社した会社だったし
自分を育ててくれた音楽というものの普及を担っているという点においても
やりがいも満足度も高い状態で仕事に取り組む事ができていた。
そう、それまでは順調に来ていた..と自分では思っていた。
思っていたというか、仕事面においては間違いなく順調だった。
会社内での立ち位置や評価に関しても全く不満や不安は無かった。
“アイツ“が来るまでは、このまま定年まで安泰だって信じて疑わなかった。
そう“アイツ“が来るまでは..。

そしてアッという間に、すぐそこまで来ていたんだ。アイツが..大波が。
しかも気づいた時にはもう目の前30cmに、君はジョーズかってな勢いで。
「乗るしかないこのビッグウェーブに」なんて笑顔で言える程の余裕も無しに
…音楽配信という大波が..。
アメリカにおける音楽ソフト販売が壊滅的な状況になっているという
実績満々,まるでロードウォリアーズの様な前評判を持って。

それだけであれば、まだまだ闘う気は満々だった。
日本の音楽業界をジャンボ鶴田と天龍に例えたならば
何とか戦いに持ち込む事はできるはずだと。
一方的に負けてしまう事はないはずだ、と。

だがそんな感じで何となく背中のあたりが薄寒くなってきたな〜という
接妙?のタイミングで、親のちょっと深刻な病気が発覚。
そして前途の通りの様な状況で自分が店長として働く2店舗が
閉店するという決定。
親の側にいて支える事ができる勤務地はこの2店舗のみというのに..。
又、当時3歳になる息子や自分の大切な家庭の将来を考えた時に
このままこの会社にいて10年後は、もっと厳しくなっているであろうという
想像的現実からも決して目を逸らす事ができない状況..。
自分の中でそれが一度に押し寄せてきたのが、忘れもしない2005年春だった。

いざ転職をしようと決めた後はとんとん拍子に進んでいった。
在職中に前職の後輩の属する会社から転職のお誘いを頂き
何の負担もなく転職先決定。
40歳手前で全くの異業種っていうのに若干の不安も感じたし
これからの業界という事もあり、ぶっちゃけ目先の給料は大分減る。
だがしかしだ!10年後を考えた時には確実に逆転していると確信できた。
そう、全ては順調に行く筈だった。

いざ、転職後。
今となれば想像もできるのだが、
ちが〜うのである。
何がって、あれもこれも、それもこれもが
すべてにおいてちが〜うって感じてしまうのである。
吉本新喜劇のニュアンスでちが〜うのである。

大学を卒業して15年間、
自分が社会の常識として捉えてきた事を含め
会社が大切にする価値観みたいなものが
まるで異世界に来たかの様に変わって感じる。
その様はまるで昨日まで日本人だった自分が
目が覚めたら容姿も含めてアメリカ人になっていた位に違うく感じるのである。
そう、バックトウザフューチャーかってな位に見方価値観がまるでちが〜う。
夢か幻か..ドク、俺を早く元の時代に戻してくれーみたいな感じ。
この“ちが〜う“は否定的な意味合いでの価値観的“ちが〜う“でなく
空気の質が変わったっていう感覚的“ちが〜う“である。.

実際の業務に関してっていうよりも
この空気が変わったという感覚に実は1番手こずった。
共有するべき価値観が変われば当然居心地も違ってくる。
何か「孤独だな」って感じた。
でも僕を元の時代に戻してくれるドクもいないし、当然デロリアンも無い。
何かエベレストの頂上に突然シラフで放り出されたかの様な息苦しさを感じた。
そし気づいたら前職の空気を懐かしんで戻りたいって思っている自分がいた。
そりゃそうだよね、
音楽業界で、仕事はセンス一発!って言ってた人間が、
そんな空気で仕事を覚えて育った人間が
決まりとルールの徹底こそに価値があり最優先。
の世界に放り込まれた、、いや自ら飛び込んでいったんだから。

いや〜、自分でいうのも何だけど..。
その後はホントに頑張ったね。
桃栗三年柿八年っていうけれど
先の違和感を解消するのに三年
自分の色を出し始める事ができたのが八年ってな感じ。
それ以降は
雪の下に眠っていた時代があるからこその
強靭さを身につけた自分がいたね。
ちょっとやそっとじゃへこたれないね、いやホント。

そしてその経験を経て
転職から今16年の時を経て言える事がある。
実は今の自分を作り上げている、
もしくは今の自分のベースとなっているのは
桃栗三年柿八年の経験だ。

この感覚の違いを自分なりに消化して、そして昇華して、
新しくできた自分の価値観や開発された能力
そしてそれを育てたその過程こそが、今の自分を形作ってるんだね。


良い転職の条件としては色々あると思う。
グーグル先生に聞けば、
「成功する転職のポイントは」ってな感じ?
それを羅列して、ちょこっと自分の経験に当てはめれば
きっといっぱしの文章もできるだろう。

だが、ここであえて言わせていただこう。

フ〜〜ッ(深呼吸)
ちが〜うのである。

条件で成功を図ると
条件でしか幸せを感じなくなる。

成功とは、良かったとは
条件というよりも過程。
その過程の経験こそが成功であり、
よかった事なんだ。

コレこそが
自分が転職をして良かったと感じたコト。

ススメ!進め!すすめ!
転職で身につけた強靭な自分を身に纏って
まだまだ進むぞ!ムロイシゲサト!







#転職してよかったこと

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