怪しげなアニメ感想 ~ふしぎ駄菓子屋 銭天堂~


 🔶内容🔶
1話1話が短いオムニバス形式。
作中の登場人物は、ふしぎな駄菓子屋『銭天堂』店主『紅子』と関わり
紅子の提供するお菓子を食べることで様々な不思議体験をすることになるのだが
結末は人それぞれで良くも悪くもなる部分も特徴的。


 🔶感想など🔶
原作は児童小説。なんとも怪しさ漂う雰囲気に惹かれほんの少し興味もあったためアニメを見ることに。
従来のジャパニメーションにはない闇芝居のような質感で描かれており、曲も含め
作中の雰囲気は整っているのだが見てみるとこれからどうなるのか分からない様な怖さがある。
1話1話の独立した短いストーリーや正体不明の店主は見ていて、大昔のアニメ『瞬間ストーリーランド』を彷彿とさせる。

 駄菓子というだけにお店に来る客は子供ばかりかと思いきや大人も結構登場し
提供されるお菓子は多彩かつファンタジーで値段も安い一方
お菓子を食べる際の扱いを間違えるとかなり危険な目に遭うこともある。
 結末がやや想像つきにくくも1つ1つの話が短くテンポよく楽しめるものとなっている。

 大体、悪い大人は悪い結末にこそなるため、どちらかと言えば教訓的で勧善懲悪に少しよった作風なのかと思いきや
明らかにコイツ悪いヤツだと言える大人相手にも紅子は平然の駄菓子を売るあたり、紅子自身は
善や悪を無視した中立的なキャラクター性を帯びているようにも思えるのだが、この点が
ストーリー全体としての教訓的で勧善懲悪な要素に対し、どこかずれたギャップのようなものを感じさせるのである。
まあいずれにせよテイストがホラーによったこの作品としては、少しくらい悪い大人が登場するほうが面白いといえる。

 この作品子供向けかと思いきや思いのほか優しさがあり、大人が見てもホロリするような驚きの展開もあるすらもあり
10話は寧ろ大人のほうが見ていて感動しそうである。個人的にはドクターラムネキットの話が1番好き。

また、よ~く見ると紅子以外のその話のメインの人物でも、後の話にほんの少し顔出しすることがあるようだ。