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毛づくろいと君主論【新・群れラジオ#17】

群れラジオは課題図書について語るパートと、群れに関する問いについて考えるパートの2部構成で進めていこうとしています。いつまで続くか分かりませんが。

2/28の問いは「仲良しグループを維持するにはどれくらいの毛づくろいが必要か」です

仲良しグループを維持するにはどれくらいの毛づくろいが必要か

昔は仲の良かったグループも、気が付いたら疎遠になっていることがよくあります。仲の良さは単純接触回数に比例するという噂もありますし、やはりある程度の間隔で会うことが必要ではないかと思うわけです。

意見1:むしろ会わない方が長続きする説

信用口座という考え方があるそうです。日頃どれくらい相手の信用を獲得して蓄積してきたかのパラメータみたいなものです。こちらが気遣いをしてあげれば信用はたまるけど、あんまり気遣いせず自分勝手に接していると、信用口座からどんどん信用が払い出されていき、最終的には縁を切られてしまうと。

会う頻度を高くすると、気疲れしてしまうか、信用口座が空になるかして疎遠になってしまうので、むしろ会う間隔が長い方が「あいつはいいヤツ」みたいな印象で保持されていいのではないか、というのです。

なんとなく、会社の同僚とか、そこまで気を許せるわけじゃない、微妙に距離感のある関係性では、特にありがちな気がしますね。

意見2:会わない期間が長くなると会おうとするのが億劫になるけど仲が悪くなるわけではない説

最近会ってない人に声をかけるのは、なんとなく気まずかったり躊躇するかもしれません。でもいざ会ってみれば、なんてことなく楽しくお話できたりするものです。

中学生時代、交友関係が狭くてほとんど喋る友達もいなかったけど、社会人になってから中学の頃の友人に会ったら、むしろ昔よりも喋れるようになった、みたいな話もありました。

だから別に定期的な毛づくろいは必須ではなく、ただ会うための口実として定期的な集まりがある方が強い、というだけかもしれないと思いました。

意見3:話題の複雑性が少ないと、関係性がもろくなる説

バイト時代によく飲みに行っていた友達と最近疎遠になってしまったという話をよくよく分析すると、当時は本当にバイトの話しかしていなかったことが分かりました。恋愛の話とか、学校の話とかほとんどしなかった。その友達とはバイトの話でしかつながっていなかったので、バイトを辞めて社会人になったら、共通の話題がなくなってしまったのです。

一方、今でも仲のいい友達は日常のことから本当に何でも気の向くままに話しているとのこと。どんな会話でも受け入れられる心理的安全な素地ができているので、ライフステージが変わって価値観が変化してきても、今でもいろんな話を楽しくできるのではないか、と思いました。

これは重要な指摘だと思いますね。皆さんも、今は仲のいい友達とどんな話をしているか思い浮かべてみてください。いつも同じテーマでしか話していない友達は、仲が良いように見えても意外ともろい関係性かもしれません。

君主論 第1章~第3章

今回の説明スライドはこちら

今回はラジオの録画もあります。スライド説明パートをちょっとだけご紹介します。

君主論は社長の話だと思って読むと読みやすいのではないか、国を治めるというのは会社の運営で、他国を攻めるというのは競合から市場を奪うことではないか、といった見方が提案されたりしました。

まぁ社長がちょっと身近に感じられないとしたら、もっと小さなグループの部長とか班長みたいなものでもいいかもしれません。どうやって部の中を治めるか、そんな社内政治の術として読むと、古典が身近に感じられるのではないでしょうか。

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