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私の人生が最高最強に楽しくなった理由

日々の生活のなかで
「今、最高最強に楽しいっ!!!!!」
と感じられる瞬間はどのくらいあるだろうか。


私には、その瞬間が割と頻繁に訪れる。
その瞬間の自分は、自分自身で見てもものすごく活き活きとした魅力的な笑顔で、「私、生きている!」という感覚がある。

「楽しー!!!」と叫んでしまっている時もざらにある。


それは、天気の良い日に外でカメラ片手に散歩をしている時だ。


ファインダーを覗くと、まるで自分が立っているところだけ世界が変わってしまうのだ。時間の進み方が変わって、自分だけふわふわと心地の良い時空へ飛んでいく。夢中になって、ただただシャッターを切る。


ただただ大好きなカメラを持って、ファインダーを覗いて、目の前の日常の瞬間を、シャッターを押すことで切り取る。
その繰り返しが私の幸福感を高めて、最高最強に楽しい瞬間へと運んでくれる。


私は有名カメラマンでもなければ、カメラ一本でこれから生きていこうと思っているわけでもない。
趣味からカメラを始めた者にとって、カメラの世界はそう甘くはなかった。
しかし最近は趣味が高じてカメラマンの一端として仕事をいただく機会も少しずつ出てきて、光栄さとプレッシャーとに頭がクラクラしつつも精一杯いただいた仕事をこなしていた。


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私とカメラとの出会いは、今から6年前のこと。
もともと写真を撮ることが好きで、出かける度にスマートフォンで写真を撮っていた。だが、当時持っていた端末のカメラでは満足できず、ニュージーランドへ一ヶ月ほど滞在するタイミングをきっかけにオリンパスのミラーレス一眼レフを購入した。


当時はシャッタースピードや絞りやISO値など、細かいことはほとんど分かっていなかったし、自分の持っているカメラが果たしてどのくらいのランクのものかも把握していなかったが、買ってもらったカメラを首にぶら下げ歩く街は本当に楽しくて、一気に虜になった。


スマートフォンで撮った写真とは比べ物にならないくらい写りが鮮明で、色が華やかで、目の前の景色や一緒に過ごした人、注文したコーヒー一杯に対してすらシャッターを切った。ある時はカメラを持っているだけで笑顔の人たちが周りに集まり、コミュニケーションの手段になり、ある時は日記代わりになった。


ニュージーランドで過ごした一ヶ月の写真は、選別しきれず、100枚以上をプリントしてアルバムに保管してある。今見返すと変な画角やピンボケが多く、目を覆いたくなるような写真ばかりだが、それもふまえてくすりと笑いながら見るのがまた楽しい。


カメラは当然、静止画であり、画角が限られていて、肉眼や動画でみた方が立体的に多くの情報が得られるのは当然のことだ。それを分かった上で私はどうして写真にこだわるのか。
初めはただ撮ること自体が楽しくて、シャッターをきる行為が楽しくて撮影をしていた。撮影の後、写真を見返し、その時の思い出話に花を咲かせる時間もまた好きだった。


写真を撮るようになってから、SNSや写真展で他の人の写真をとにかく見まくっているが、ただの静止画にもかかわらず、「物語」がある写真を見かける。一枚の写真の中に、その感情や、どう影響を及ぼしたのか、その流れが見える写真だ。


私はその写真を撮った人のことを全く知らないし、そのシチュエーションがいつどこで撮られたのかも知らない。そうなのにも関わらず、ただただ通りすがりの私にも、その物語が伝わってくるのだ。
これはなんと面白いのだろう。一枚の静止画に、ストーリーがある。このストーリーのある写真を私も撮りたい。この瞬間の物語を私も収めたい。


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自分の写真を見返してみた。すると、楽しい、とか嬉しい、とか感情があふれた瞬間を切り取った写真は、活き活きとしていて、その感情が詰め込まれているようだった。
こんな写真をもっともっと撮りたい、一枚の写真に物語を収めたい。自分の物語だけではなく、身近な人の物語を、人生の一場面を、写真という形でこの世に残したい。写真を撮る最大の「目的」が定まった瞬間だった。


その後、わたしはカメラをますます好きになり、友達からもカメラをやっている人、として認知されるようになったが、決してカメラが「目的」となることはなかった。


私がシャッターを切る目的は、「写真を撮ること」ではなく、自分を取り巻くものたちの物語を写真に収めることであり、時には友達と仲良くなることであり、時には日記をつけることだった。そして今の仕事もカメラがあってこそ。カメラは最大最強の私の相棒だ。


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カメラはいつだって、私の行き先を示してくれる羅針盤。ファインダーを覗けば、向かうべき先がわかるんだ。
これからもよろしくね、私のカメラ。

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