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【2023年ベストバイ】ファッションライターMが今年買って良かったモノ
今年のお買い物を振り返る「2023年ベストバイ」。今回筆を執るのは、東京でファッションライターとして働く私、M。仕事柄、展示会やファッションショーなどを通じ様々な形でファッションに触れることが多い私は、本格的に貯金をしなければと考えを巡らせながらも10代20代のファッション離れなどどこ吹く風。年々服の購入総額が増えていることから目を逸らしながら買い物を続ける日々です。目まぐるしく状況が変わるファッション業界に身を置き、激流に流されそうになりながらなんとかしがみついている私が選ぶ、2023年に買ってよかったモノ9点。なお、某ファッションメディアとは一切関係ありません。
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sacai ドッキングチェスターコート
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まず1点目は、「サカイ(sacai)」のドッキングチェスターコート。2023awのアイテムで、展示会で一目惚れしてオーダーしました。本格的なミリタリーはあまり得意でない自分ですが、このコートは品のあるチェスターコートを基調としながらミリタリー要素をあくまでスパイスとして採用しているのが好みです。
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もう一つの特徴が、肩周りのすっきりとしたシルエット。こういったドッキング系のアウターは形が美しくないと一気に野暮ったい印象になってしまいがちですが、着用してみると肩に沿いながら裾に向けてなだらかに広がるAラインで、仕立ての良さを実感します。ドローコードを絞ることで、腰回りの広がりを自分好みにアレンジできるのもミソ。
「サカイはメンズよりウィメンズの方がいいよね」なんて声もちらほら聞こえたり聞こえなかったりしますが、個人的にはそんな意見に一石を投じる一着ではないかと思います。ちなみにサカイは2024ssもオーダー済み。既に来年のベストバイに入りそうな予感です。
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MARNI ベロアパンツ
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2点目は、「マルニ(MARNI)」2023ssシーズンのベロアパンツ。ロンドンのアーティスト フラミニア ベロネージ(Flaminia Veronesi)のグラフィックを落とし込んだアイキャッチな一着。シルク×レーヨンのとろみのある上品な素材使いで、着用するだけで気分が上がるアイテムです。
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ちなみに定価はなんと20万円オーバー。そこらのアウターより高いじゃないか!という声には耳を塞ぎ、お気に入りで穿く頻度が高いからコスパは良いと自分に言い聞かせています。春夏シーズンのアイテムではありますが、ベロアという素材の特性上真冬でも全く問題なく着られるのも嬉しいです。
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今年気に入っていた合わせの一つ。
実はセットアップのジャケットもあり、こちらも好みではあったのですが、シルエットがビタビタすぎてリアルクローズでは着られないと断念。。流石に着こなせる自信がなかった(笑)。
…と書いていたら紅白歌合戦で大泉洋がこちらのジャケットを着ていました!なんだか嬉しい!
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JW ANDERSON ブロックニット
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お次は「ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW ANDERSON)」のブロックニット。確か2021AWのアイテムだったかな。発表された時に欲しい!と思って狙っていたのですが、当時は価格が20万円近かったこともあり、金銭的都合で泣く泣く断念。。悲しみも癒え、忘れかけていた今年の秋に仕事の関係で再会し迷わず購入しました。
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秋冬らしいカラーリングの中に鮮やかなグリーンをしのばせているのが流石ジョナサン。「ナマチェコ(NAMACHEKO)」のアウターと重ねるのが今秋のお気に入りでした。公私問わず、多くの人に「それいいね」とお声がけいただけるアイテムでもあります。
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GUIDI PL1
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4点目はイタリアで100年以上の歴史を持つルジェロ・グイディ(Ruggero Guidi)によるプロジェクトレーベル「グイディ(GUIDI)」のフロントジップブーツ「PL1」。「アンダーカバー(UNDERCOVER)」のジョニオさんや「ベッドフォード(BED j.w. FORD)」の山岸さんなど業界人にも愛用者が多く、「30になるまでには一足ほしい」と考えていたところ、縁あって今年購入することができました。下ろす前のメンテナンスは青山の名店「ブリフトアッシュ(Brift H)」で。黒系のオイルで磨いていただき、無骨なムードながらも自分のスタイルに合わせやすい表情に仕上げました。
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グイディに関しては一足目なのであまり偉そうなことは言えませんが、履いてみるとまず驚くのが歩きやすさ。ヴィブラムソールが貼られていることもありますが、重厚感のある見た目からは想像もできないほど軽やかな履き心地で、足に吸い付くようにフィットします。また、やはりスニーカーや通常のレザーシューズとは足元の存在感、スタイリング全体の見え方が全く違いますね。「お洒落は足元から」なんてお馴染みのフレーズは半分聞き流していましたが、まさかこの歳になって実感することになるとは。「言うてレザーブーツでしょ?」と高を括っていた私ですが、今や完全に虜になっています。
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PL1のおかげでブーツの素晴らしさに気付いた私。次は「リック・オウエンス(Rick Owens)」のビートルターボが欲しい(いつになるかは分かりません)。円安や原材料高もあって年々価格が上がっているので、高価格帯のインポートブランドに関しては少しでも早く購入するのが吉だなとしみじみ思います。
編み物☆堀ノ内 エゴン・シーレ展限定バッグ
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家庭用編み機を駆使して、時代を象徴する人物からアニメキャラクターまでインパクトのあるニット作品を生み出している編み物アーティスト「編み物☆堀ノ内」のエゴン・シーレ展限定トートバッグ。仕事でお付き合いのある方から上野で開催していたエゴン・シーレ展のチケットをいただき足を運んだところ、会場で出会ったアイテムです。価格は1万2000円ほどと、会場販売のグッズにしてはかなり高価でしたが、これまでの人生経験で変に節約して実用性のないものを買ってもお金の無駄になると痛感していたため迷わず購入。良い買い物でした。
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今年映画も公開された「岸辺露伴は動かない」の大ファンの私。ヴィヴィッドなカラーリングも魅力で、露伴先生をイメージしたコーディネートには欠かせないアイテムです。
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MAHITO MOTOYOSHI メンズワンピース
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6点目は、「コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)」出身デザイナーの本吉さん手掛ける「マヒト モトヨシ(MAHITO MOTOYOSHI)」のメンズワンピース。2023年秋冬コレクションは「タカヒロミヤシタザソロイスト.」がメンズスカートのコレクションを披露して注目を集めたことで、ジェンダーレスの機運が自分の中で高まっていたシーズンでもありました。
メンズワンピース自体展開の少ないカテゴリーではありますが、その多くがオーバーシルエットのものが多い印象の中で、こちらは肩周りに関してはすっきりとしたジャストシルエット。丈の長さとのバランスが絶妙で、メンズワンピース初挑戦の自分も抵抗なく着用できました。今回のワンピースが調子良かったこともあり、2024ssシーズンは別ブランドでメンズスカートをオーダーしています。今から着るのが楽しみ。
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JW ANDERSON タートルネック
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次は、今年2点目のジェイ ダブリュー アンダーソン。ジャケットのインナーとして使えるタートルネックを探していたところ、ちょうど良いものを見つけて購入しました。1点目に紹介したJWのブロックニットはMサイズでざっくり着用していますが、こちらはインナー使いを考えてジャストサイズのSをチョイス。元々はインナーで購入しましたが、1枚で着用するのも想像以上に調子良く、ヘビロテしています。自分の中で「困ったらこれ」というある種の逃げ道のようにもなっており、ワードローブの強い味方です。
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LOEWE レザージャケット
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8点目は、上質なラムレザーを贅沢に使用した「ロエベ(LOEWE)」のレザージャケット。仕事でヴィンテージの祭典「VCM VINTAGE MARKET」を訪れた際、とあるお店で売られているのを見かけて一目惚れしました。革小物製作が趣味だった父の影響でレザーアイテムに目がない私ですが、レザージャケットだけは革が固く動きづらいのがストレスで手を出してきませんでした。もちろん他にもラムレザーのジャケット類はあったりしましたが「形が好みでない」「革の質感が違う」などの理由でどれも購入には至らず。それら自分の全てのハードルを軽々飛び越えたのが今回のレザージャケットでした。
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圧倒的な高級感と無骨な雰囲気を併せ持ちながら、男臭くなりすぎることなく程よくスタイルに馴染む。ボタンそれぞれにさりげなく施されたモノグラム。そしてジャストフィットながら若干ゆとりを持たせたパーフェクトなサイジング。どこを見てもレザーにおいて世界にその名を轟かすメゾン、ロエベの仕事を感じることができます。
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阪急うめだ本店8階の新売場「グリーンエイジ」にオープンした革製品の修理・補修を専門とした世界初の店舗「ロエベ リクラフト(LOEWE ReCraft)」にこのジャケットを持ち込んだところ、どうやら1990年代に100万円ほどで販売されていたヴィンテージとのこと。ジャケットに使われているボタンはまだアトリエに保管されており、修理なども受けることができるそうです。前のオーナーが大切に使用してくれていたようで、まだまだ長く活躍できそう。人から人へ受け継がれた想いとともに、ジャケットを未来に届けようと思っています。(これはジョナサンが手掛けたアイテムではないですが)JWのニット2点のほか、「ハウルの動く城」とのコラボアイテムも買ったりしたので、今年はジョナサンにすごくお世話になった1年だったなあ…。
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Stone Island ダウンジャケット
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ラスト9点目は「ストーンアイランド(Stone Island)」のダウンジャケット。個人的にダウンジャケットは暖かいし、ウールコートほど気を遣わないので冬の一張羅として持っておきたい気持ちはあったのですが、シルエットが好みでなかったり、アウトドア志向が強すぎたりと、どうにも自分のスタイルにマッチするものと出会えず。。「フミト ガンリュウ(FUMITO GANRYU)」のダウンに挑戦したりもしましたが、やはり着膨れして見えるのが自分の中ではしっくりきませんでした。
そんな時に12月にお世話になっているセレクトショップさんで偶然出会ったのがストーンアイランドのこちらのダウン。程良いゆとりがありつつも、すっきりとしたシルエットでサイズもぴったり。光沢がありラグジュアリーに馴染む生地感で、自宅の洗濯機で洗濯できる。しかも生活撥水。それまで自分に合うダウンに飢えていた私にとってはまさに青天の霹靂でした。「同窓会に顔を出すと全員が黒ダウンを着ている」といったポストがバズっていましたが、このダウンならそういった心配もありません。
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本当は着画を載せたかったのですが、年末に駆け込みで購入した関係でまだ用意がなく。。来年にでも載せようと思います。もしよかったらインスタグラムのフォローをお願いします(笑)。
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今年を振り返って
ブーツやダウン、メンズワンピースなど、これまで挑戦できていなかった新たなカテゴリーに挑戦した一年でした。また、今回挙げたアイテム以外にもPLAN Cのセットアップやマルニのカーディガン、ベッドフォードの星空パンツなど、全体的に“攻めた”アイテムが多かったように思います。10月に28歳を迎えましたが、まだまだ落ち着くつもりはありません。来年もファッションを全身で楽しむつもりなので、どうぞよろしくお願いします。
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