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【活動レポート】ムラツムギVillage オンライン村民集会第1回ームラツムギがどんな団体か、今更ながら紹介させてくださいー

 みなさんこんにちは。ムラツムギ事務局です。
 いつもムラツムギの活動を見守り下さりありがとうございます。

 6月7日(日)、ムラツムギの新たな挑戦として、ムラツムギVillage オンライン村民集会第1回を開催しました!

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 これは、ムラツムギの考え方やビジョンについて、できる限り多くの人に分かりやすく届けていきたいという思いから始まったものです。

 記念すべき第一回目のテーマは、「ムラツムギがどんな団体か、今更ながら紹介させてください」
 ムラツムギについて、これまでメディアやイベント等で自己紹介させていただく機会はありましたが、ここで改めて、どういった問題意識の下生まれたか、どういったビジョンを掲げているのか、共同代表の田中、前田、そして副代表の佐藤がざっくばらんに振り返ってみました!

ムラツムギの設立

 さかのぼること3年前、佐藤と田中の出会いからムラツムギは始まります。

 当時地域おこし協力隊員として京都の集落で活動していた佐藤は、いわゆる限界集落を訪ね歩くなかで、地域活性化だけではない何か別のアプローチが必要なのではないか、そう思うようになります。

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 実は協力隊になる前は看護師として勤めていた彼女。

 人の最期と地域の最期―そのつながりから彼女は、「地域の終活」というコンセプトを思いつき、同じ思いで活動している人がいないか探していました。
 そこで偶然見つけたのが、共同代表の田中が2014年に講演した「ふるさとの看取り方」。失われゆく故郷に対して、「看取り」こそが必要なのではないかという考えに共感した彼女は、そのまま田中と意気投合することになります。

 一方、当時島根県の離島の高校に通っていた前田。

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 地域活性化で名高いその島でも、実際には地域によって温度差があることが分かってきました。中には、自分の代で集落がなくなりつつあることに、後ろめたさのような感情を抱えていた人もいたそうです。地域活性化だけしか選択肢がないことも、地域の息苦しさを強くしてしまうのではないか…?

 そう感じた前田も混ざり、いよいよムラツムギとしての活動が始まります。

ムラツムギの問題意識

 まるで異なる経歴の3人が集まってできたムラツムギですが、共通していた問題意識は「集落がなくなってしまうということがタブー視されすぎているのではないか」ということでした。

 医療従事者として患者の死に向き合った佐藤も、延命治療が唯一の正解とされた時代から、よりよい終わりを迎えるにはどうすればいいか、という発想に戦後少しずつ転換していったと語ります。

 これまではとにかく活性化することを目的として地域も、自治体も、国も活動してきたけれども、それだけではない新しいアプローチが必要なのではないか、そこにムラツムギの最も大切な問題意識が眠っています。

これからの時代の集落

 ここでちょっと話をマクロな視点に変えてみましょう。

 これまでムラツムギの設立経緯や問題意識を語ってきましたが、そもそもその背後にあるのは「集落からどんどん人がいなくなってしまう」という前提です。これは本当なのでしょうか?

 一つ重要なことは、市町村と集落という二つの存在を分けて考えることだとメンバーは言います。
 市町村とは、行政サービスの提供などを目的にした人工的な区切り。今は全国に1700程度存在していますが、なんと明治時代は7万近い市町村が存在していました。この通り、市町村とは時代に応じてベストの形に変わっていくものであり、その人口増減だけを見ることは必ずしも適切ではないように思います。例えば、市町村単位で人口が増えていたとしても、実はその中には人口が激減している集落があったりします。
 集落とはより人の生活や生産に密着した単位。今起きているのは、こうした集落単位で人がいなくなろうとしている現実なのです。

 さて、話を戻しましょう。

 日本の人口で見ると、2015年の1.2憶人程度をピークに、今後数十年間はひたすら減少すると予想されています。また、最近の調査では、全国にある自治体のうち、今後30年間で人口が増えるのはたった100ほどしかなく、それ以外はすべて人口が減るともいわれています。
 また、近年田園回帰など都市と地方の新たな人の動きも見られますが、例えば病院まで1時間以上かかったり、教育機関のなかったり、地理的に不利と言われる地域に存在する集落に、どこまで人が戻ってくるのかはまだまだ予断を許さないところ。

 こうした中で、消滅という事態を真剣に受け止めなければならない集落は、少なからず出てくるのではないかと考えています。

ムラツムギの活動

 では、こうした集落の厳しい状況に直面して、ムラツムギは現在どういったことに取り組んでいるのでしょう。

 一つは、こうしたオンライン・オフラインでのイベント開催や情報提供。これは、実際に地域で活動している人ほど、「地域の終活」を選択肢にすることができない難しさ、もどかしさから、同じ問題意識を持った人たちが横につながる場を作れれば、という思いで運営しています。「地域の終活」という概念については、本シリーズの中でさらに語っていきたいと思います。

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 もう一つの大きな活動は、佐藤と縁のある京都の集落で進めている現場でのプロジェクト。こちらは「人口減少を踏まえたまちづくり」といったコンセプトで、住民の方々とともにワークショップや議論を重ねています。
 実際地域で活動を重ねると、「人口減少を踏まえた」ということすらなかなか言い出しにくい現状があります。諦めるのか、匙を投げるのか、ともすればそう捉えられがちな考え方だけに、地域の方々と信頼関係を構築し、少しずつ前に進めているのが実態です。
 こちらも、ぜひ今後一連のイベントの中でも詳しくご紹介できればと思います。

これからの活動に向けて

 最後になりますが、ムラツムギのメンバーがこれからの社会をどうしていきたいのか、メンバーから話を聞いてみました。

 佐藤は、「人口がこれから減っていく集落で生きる人たちが、寂しさややるせなさを感じない、人口減少について前向きに考えられる文化を作りたい」、そう語っています。地域に身をうずめたからこそ、偶然今を生きる人たちが、歴史の重みを必要以上に抱えなくていいようにしたい、そういう思いで活動を続けていきたいとのことでした。

前田は「この問題は中長期的に考える必要があるテーマであり、焦らずにしっかり概念を固め、広げていく努力をしていきたい」とのこと。現在大学に所属する前田は、アカデミアと現場の橋渡しをすることを一つの役割と捉えており、そのためにも「調査とは時に暴力になりえる」という非常に難しい問題を抱えつつ、それでも現場に実直に向き合っていきたい」、そう語っています。

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 以上、今回はムラツムギの考え方やビジョンをざっくりとお伝えしましたが、これからさらに深堀りして議論をお届けしていきたいと思います。
 引き続き拝見いただければ幸いです。

次回以降のお知らせ

さて、6月から始まりましたオンライン村民集会ですが、次回以降は以下のスケジュールで配信を続けていきたいと思います(タイトルは今後変更の可能性があります)。よろしくお願いします!

第2回(8月頃)     集落ってなんだろう?
第3~4回(秋頃)   これまでの地域活性化を振り返る
第5~6回(冬頃)   縮小社会を見据えたムラツムギの目指すまちづくり
第7~8回(年明け頃)ムラツムギの今後



NPO法人ムラツムギへのサポートをお待ちしております!集落の調査研究及び発信活動、行政機関等と連携した試験事業を主軸に、「集落のおわり」を考える活動を行っています。皆様の貴重なご寄付は、主に調査研究費・団体維持費として活用させていただきます。