「日々勉強 日々感謝」令和6年の新春を迎えて
あけましておめでとうございます。
令和6年の新春を心からお喜び申し上げます。
3年半にわたる、コロナ禍が明けました。社会・経済活動に大きな制限を受ける、長く厳しいものでしたが、町民皆さんのご理解、ご協力をいただき乗り切ることができました。心から感謝を申し上げます。
待ち望んだコロナ禍が明ける一方で、ロシアによるウクライナ侵攻、国際情勢の混乱から、燃油・電力・物価高の影響、私たちの暮らしを直撃しています。ですが、オール当麻の力を結集し、立ち止まることなく、前へ。町民皆さんが安全安心で暮らせる、住みよい持続可能なまちづくりを推し進めてまいります。
当麻農業には北海道有数の食味を誇る米どころ水稲を軸に、名実ともに日本一のスイカの王様でんすけすいか、北海道一の生産量キュウリ、ミニトマトなどのそ菜、キクやバラ、カーネーションなどの花き、全道・全国に誇る高品質な施設園芸作物の栽培とを組み合わせた複合経営による「稼ぐ当麻農業の力」があります。
農作業の省力化を目的としたスマート農業の推進、ハウス設備導入など、先端技術を積極的に取り入れた営農活動への支援策を当麻農協と連携し強化。当麻農業に夢を抱き意欲的に営農、新規就農いただける環境づくりとともに、積極的な魅力の情報発信、担い手の高齢化、労働力不足の課題にも取り組んでまいります。
ウクライナ情勢の影響による燃油・肥料・温床資材の価格高騰は、農業経営に大きな影響を及ぼしていますが、当麻農業の強さが際立つ実績も残されました。当麻町そ菜研究会キュウリ部会販売額8億円の達成、誕生40周年でんすけすいかの新たな試み小玉スイカ「でんすけjr(ジュニア)」流通開始。常に改善と成長へ向けチャレンジ、現状に甘んじることなく時代に合わせ変化する姿勢が、当麻農業の大きな強みだと感じます。生産者、当麻農協、町、関係機関が連携し、産地間競争に勝ち抜き、売れる産地の維持・発展へと力を尽くしてまいります。
北海道、全国から注目と期待を集めている「林業の町、木育の町」当麻町の林業。脱炭素「カーボンニュートラル」への貢献、地場産業・林業の振興発展へさらなる一歩。当麻町森林組合と町とが連携し、令和5年度より「町産材活用促進事業」を活用して新築された戸建て住宅を全て、SGEC森林認証住宅へ一括認定する全国初の新たな取り組みを開始。山林現場・製材加工工場・建築事業者、川上から川下まで適切な管理のもと、木材の積極的な地材地消の推進、持続可能な林業資源の循環利用の普及拡大に努め、昨年度は新築20棟がSGEC森林認証住宅として誕生しました。
さらには令和5年2月、北海道初となる環境配慮型郵便局「+(プラス)エコ郵便局」、移転新築された当麻郵便局が誕生。木材を全面活用した木質化局舎、当麻町役場庁舎と同様に木質バイオマスボイラーの採用、壁付け型の太陽光パネル発電設備を導入し、既存局舎と比べ二酸化炭素の排出量7割削減。オール当麻の取り組み、重ねてきた実績は、大きな民間投資を呼び込むに至りました。
多様な起業、夢を応援。当麻町での新規出店、既存店の魅力向上への新たなチャレンジを後押しする「とうまのお店元気事業」が「当麻町商工業振興補助事業」へと衣替えし、対象業種、支援メニューが拡大。さらに、空き店舗や空き家などを活用した「当麻町移住開業者チャレンジ支援事業」など、当麻町商工会と連携した取り組みを強化させ、後押ししています。
町民皆さんの日々の生活へのご支援、消費を喚起し地域経済を活性化させるべく、「当麻を元気に!当麻で元気に!」当麻町商工会と連携してプレミアム付商品券(第6弾)を発行。お互いさま、地域で支え合う町民皆さんの温かなお気持ち、お礼を申し上げます。
酷暑も、涼しく快適に。異常な高温に見舞われた北海道の今年の夏は、真夏日が観測史上最長を更新し、熱中症の疑いで救急搬送される方も多い厳しい暑さでしたが、当麻町では町内全小中学校、一部の公共施設に設置したエアコンが、7月初旬から9月上旬までフル稼働。子どもからご高齢の方まで、室内を涼しい環境に維持し、快適に利用いただけたこと、大変うれしく思います。
町内すべての小中学校の各教室・職員室をはじめ、デイサービスなどご高齢皆さんの利用が多い保健福祉センター・ヘルシーシャトーの他、スポーツセンターや子育て総合センターなど、主要な公共施設避難所にエアコン設備を導入。道内の自治体において、先がけとなる取り組みとなりました。
世界で進む地球温暖化は、「地球沸騰化」という言葉も生まれるほど、深刻化しています。平時、避難時ともに対応できる施設環境づくり、また、感染症対策としての換気循環機能をあわせ持つエアコン空調設備は重要です。引き続き、着実に進めてまいります。
当麻町のふるさと納税額は、上川管内23市町村の中でも上位となる約5億円。食育・木育・花育による、当麻町ならではのまちづくりは、ふるさと納税を通して、全国皆さんからあたたかな応援をいただき、進めることができています。これからも積極的にSNSなどを活用した情報発信、都市圏イベントPR出展などに力を入れ、当麻町応援団の輪を広げてまいります。
コロナ禍もあけ、にぎやかにイベントや学びの場を開催することができました。心晴れやかに、笑顔が広がった蟠龍まつり、文化の風が流れた生涯学習フェスティバルをはじめ、町をあげての田んぼの学校田植え・稲刈り、「食育・木育・花育のまち」郷土教育・体験など、子どもから大人まで町民皆さんの力で創り上げる町の誇りと学びの数々。あふれる当麻愛をありがとうございました。
事業期間10年にわたる総事業費100億円を超える事業「国営かんがい排水事業当麻永山用水地区」幹線水路の大動脈の工事完了。当麻町の基幹産業、農業。主軸である水稲栽培を中心に施設園芸作物、畑作物、「稼ぐ当麻農業」複合経営モデルを将来にわたり継続維持、発展させてまいりたい思いです。
大雨、集中豪雨時の越水により農地被害などが発生していることから、災害対策として、廠舎川の河川改修工事を実施します。また百間掘川、清水川についても同様に水の流れが止まる冬工事となりますが、河川改修工事を実施します。
定住の促進、空家の解消を促進する当麻モデル。空き家・中古住宅とその土地を購入・除却し当麻町産木材を活用して住宅の新築等を行う場合、除却費用と新築町産材費用をセットで支援、補助額は最大で450万円となる「未来へつなぐ宅地循環促進事業」を展開しています。当麻町は、転出よりも転入者が多い社会増を実現する上川管内で数少ない自治体。官民連携の力、不動産の需要、人気の高さを生かし、危険な空家の発生を抑えたい思いです。
子ども医療費助成対象を令和5年度より15歳から18歳、中学生から高校生へと拡大。当麻町は子育て世代の転入者が多く、社会増を記録する町であり、移住定住促進との相乗効果も高い、子育て支援策を強化しました。
昭和44年に建築され、現在は葬祭場の役割を担う武道館。亡くなられた町民方々を偲び、別れを告げたい、送り出したいと願う、多くの参列者が一堂に介すことができる場をこれからも大切に。施設の長寿命化へ、屋根板金塗装、外壁塗装工事を実施しました。
明るくエコに、当麻スポーツセンター全館LED照明改修。球切れなどの不具合が生じていたアリーナ電灯を水銀灯からLED電灯へ更新することで電力使用量80%超をカット、また、全館全室の全ての照明をLED照明へ一斉更新。維持管理コスト削減、省エネ、カーボンニュートラル、ゼロカーボン北海道への実現へ最適解を求め、当麻町では今後も、電力使用量の削減効果が大きいと見込まれる大型公共施設を中心に、計画的なLED電灯化を進めてまいります。
「もしもに備える力」。備蓄品や災害援助物資など保管する備蓄倉庫を含めた、新たな備え、令和5年度での工事完了を目指す地域防災拠点施設整備事業。防災備蓄品保管倉庫の建設工事、災害時の土のう作成所、敷地の舗装工事の実施の他、非常用発電機、フォークリフト、4トントラックなどを導入します。防災減災力の向上、安全安心なまちづくりを進めてまいります。
ゼロカーボン北海道、カーボンニュートラルの実現へ。当麻町「ゼロカーボンシティ宣言」により、脱炭素、地場産業振興による経済活性化、持続可能な地域づくりを同時に進めるべく、バイオマス資源の活用、町内主要公共施設への積雪寒冷地対応太陽光パネル設置など、再生可能エネルギーの導入と普及に向けて取り組んでまいります。
開町131年を迎えた令和5年度から、第6次当麻町総合計画がスタート。「人・夢・心がつながるまちとうま」をまちづくりのテーマとし、「人と環境と活気の調和で築く持続可能なまちづくり」「『食育・木育・花育』で心を育む『心育』によるまちづくり」を掲げました。
次の世代へ、子どもたちに誇れる持続可能なまちづくり。引き続き、町民皆さんのご理解と、ご協力をお願いいたします。
本年が自然災害などなく、ロシアによるウクライナ侵攻、パレスチナ自治区ガザ地区での悲惨な戦火が止みますこと、町民皆さんにとりまして、笑顔あふれる輝かしい年でありますことを願い、新年を迎えての所信、ごあいさつといたします。
当麻町長 村椿哲朗
(令和6年新春号・広報とうま我が郷土 掲載)