ネマワシの科学

ネマワシってなんだ?

ワークマンが「ネマワシ禁止」という発令をして話題になってますね。
ということで、ぼくなりに「ネマワシ」について考えました。

まず、ぼくは「ネマワシを広義にとらえないほうがいい」と思っています。
このワークマンの取組みで賛否わかれるのは当然で、「ネマワシ」を広義でとらえているからです。

ワークマンの「ネマワシ禁止」に賛同している方は、恐らく
・稟議や報告を行う前に上司や担当役員に事前に全く同じ説明をする
・上司向けや役員向けにわかるような言葉で資料を作る
・事前説明の会議を設定する

こんなわずらわしいことから解放されるなんて、素晴らしい会社だ!という視点だと思います。

一方で、「ネマワシ禁止」に反対している方は、恐らく
・稟議が通りやすいように決裁者に話を通しておく
・会議が円滑に運ぶようにアジェンダを整理して共有しておく
・発注が取りやすいようにベンダと引き合わせしておく

こういった、「時短術」としてのネマワシを想像しているので「ネマワシも大事だ!」という視点なんだと思います。

まぁ、このことからわかると思いますが、議論でよくありがちな「ゼロヒャクでものを考えないほうがいいよ」という事ですね。

冷静に考えてみる

顧客に出す謝罪の報告書の内容を社内の意思決定者向けバージョンの資料を作る。
これは「ネマワシ」ではなく「紙芝居」です。
本読めばわかる内容を子供にもわかりやすく咀嚼してあげる行為ですから。

事前に役員に全く同じ説明をする。
これは「ネマワシ」ではなく「ご機嫌取り」です。
恐らく、「そんな話聞いてなかったぞ!」と怒られるから事前説明してるんですよね?
それはネマワシでもなんでもありません。面倒くさい人を今以上に面倒な状態にしたくないために行う奉仕活動です。

これらと「ネマワシ」をごっちゃにしているのが、賛否分かれる結果になってるんだと思います。
なので、正直言ってワークマンさんの「ネマワシ禁止」で禁止していることは「ネマワシ」ではないと思っています。

こういう整理をしてみんなが嫌がってる行為はネマワシというレベルじゃないよね、という定義付けをした上で、
ぼくは「ネマワシは大事」だと思っています。

ぼくなりの結論

例えば、100万円のツールを導入したいと企画したときに、部長よりも決裁者の社長に相談しといたほうがいいに決まってます。

部長から攻略しようとすると、その部長は「社長に納得してもらうための理論武装」を考え出します。

「本当に意味があるの?」「同業他社も使ってるの?」「上手くいかなかったらどのくらい損害があるの?」という感じで。

しかし、社長に直接相談すると、「100万でしょ?やってみれば?」となります。
そうすると大量の情報を集める必要なく、「社長に話はしてあります」で済みます。

「そんなことしたら部長のメンツはどうなるんだ」という意見もありそうですが、それこそくだらない忖度精神です。

「ネマワシ」とは「根を回す」ということですから、植物を急速に成長させるために行うものです。
ここでいう植物の対象は「自分」と「会社」です。上司じゃないです。上司は自身で頑張って根を回し、会社は多くの根によって順調に成長すべきです。

むすんでみよう

ということで、あまり「ネマワシ」議論をゼロヒャクで考えずに「自分の中で必要なネマワシとは」を考えてマイナスなネマワシをしないようにね。
ということをワークマンさんのあの宣言には込められているんじゃないでしょうか。

最後にここまでぼくは「根回し」を「ネマワシ」とカタカナで表現していました。
ぼくはカタカナ派なんですが、これはスーパーファミコンのソフト「ロマンシング・サ・ガ3」の中で会社経営のミニゲームがあるんですが、
その中の技に「ネマワシ」というのがあり、カタカナ表記なのが気に入っているので、カタカナで徹底して表現しています。

「根回し」より「ネマワシ」のほうが謀略っぽいでしょ?w
だからこっちのほうが個人的には好きなんです。

「ネマワシ」をして思ったとおりのスピードで事が運んだとき、気持ちいいですよね。
諸葛孔明にでもなったような優越感がありますw
「ネマワシ」、他人のためじゃなく自分のために有効に使っていきましょ♪

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