【AIR】地域資源を活かしたアドベンチャーツーリズムの可能性

観光庁の「訪日外国人の消費動向 2023年次報告書」によると、訪日外国人旅行者が訪日前に最も期待していたことに関する調査結果を見ると、1位の日本食を食べ ること(36.0%)、に次いで自然・景勝地観光(11.5%)が2位となっています。

・観光庁 訪日外国人の消費動向
https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001742979.pdf

(出所)https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001742979.pdf

私たち日本人も海外に行く際に、世界的に有名な観光地として各国を代表する都市を訪れる他に、自然観光地をイメージすることが多いですよね。例えば、アメリカだとグランドキャニオンやヨセミテ等の国立公園、ブラジルからアルゼンチンに跨るイグアスの滝、ボリビアのウユニ塩湖、トルコのカッパドキア、イタリアの青の洞窟等。こうした悠久の時が刻まれた美しい大自然の景観は、存在自体が唯一無二のものでありその場所に立ち、自分の目で見ることに価値があります。そのためわざわざ時間とお金をかけてでも行ってみたいという旅の明確な目的地になります。

そして自然の絶景を単に見るだけではなく、自然の素晴らしさをゆっくりと体験するアドベンチャーツーリズムも世界中で人気です。

ちなみにアドベンチャーツーリズム(以下、AT)の定義ですが、一般社団法人アドベンチャーツーリズム協議会によると「アクティビティ、自然、文化体験の3要素のうち、2つ以上で構成される旅行」とされています。

「ATとは旅行者が地域独自の自然や地域のありのままの文化を、地域の方々とともに体験し、旅行者自身の自己変革・成長の実現を目的とする旅行形態」を意味するそうです。アドベンチャーという語感から、ハードなアクティビティをイメージしがちですが、地域をよく知り、地域の人と深く接する手段の一つとしてアクティビティを捉え、まちの散策や文化体験等のソフトなコンテンツもATの対象となります。

・一般社団法人アドベンチャーツーリズム協議会
https://atjapan.org/adventure-tourism

また先程の一般社団法人アドベンチャーツーリズム協議会によると、ATは次のような点から地域経済に与える効果が大きいと指摘しています。

・10,000米ドルの経済効果を生み出すためには、クルーズ旅行等のマスツーリズムでは旅行客が100人必要なのに対して、ATでは4人の旅行客で達成が可能。
・マスツーリズムでは消費額のうち14%の経済効果しか国内に留まらないのに対して、ATは65%の経済効果が国内に留まるそうで、地域に落ちるお金が多い。

(出所)https://atjapan.org/adventure-tourism

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