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【AIR】都市における木造高層建築の可能性

突然ですが「木造」と聞くと皆さんはどのような建物を思い浮かべるでしょうか?一戸建て住宅、梁の立派な古民家、寺社仏閣のような歴史的建造物、といったイメージが思い浮かぶかと思います。

では建物の高さはどうでしょうか?おそらく木造=低層の建築を思い浮かべるのではないでしょうか?それも当然で、都市部の駅前、市街地には高層ビルやマンションが建ち並びいずれもRC造や鉄骨造の建物ですからね。いつしかRC造や鉄骨造の建築の集積が都市の象徴と私達は思うようになってしまっており、木造では高層建築はできないものだという固定観念に陥ってはいないでしょうか?

筆者もまさにその一人でした。ところが先週、出張で仙台を訪れ宿泊した駅前ホテルの窓から何気なく外を眺めると工事中の建物の防音シートに「日本初 純木造7階建てビル」というコピーが書かれているのに気づきましたちなみに筆者が仙台駅前で目撃した純木造ビル建築のプロジェクトがこちらです。

・国内最高層の純木造ビル、仙台駅東口で内覧会
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/202009/20200918_12033.html

木造建築業のシェルター(山形市)は17日、仙台市宮城野区榴岡2丁目で建設中の木造7階ビルの内部を関係者に公開した。純木造の建物としては国内最高層。同社が開発した耐火基準を満たす無垢(むく)材の柱や梁(はり)がお披露目された。
(中略)
建物は延べ床面積1131平方メートル。1、2階にテナント、3~6階にオフィスが入り、最上階は住居になる。16日に上棟し、来年2月末に完成予定。(出典:2020年9月18日 河北新報より)

山形の住宅メーカー株式会社シェルターが設計・施工を担い、木造ビル実現のために3時間耐火構造を持つ木質耐火部材を自社開発して国土交通大臣認定を受けています。こうした新しい挑戦を試みる企業が山形にあるんですね。日本の地域企業が持つ技術資産を未来に向けどのように活かすかが地域産業の重要な点の一つだと教えてくれるケースです。

・仙台駅東口に純木造7階建てビルを建設!
http://www.shelter.jp/news/main/5816

・木造3時間耐火で大臣認定、超高層にも適用可
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/cpbook/18/00004/00008/

たまたま仙台で取り組まれている話なのかと思い調べてみると国内建築で木造ビルへの挑戦が始まっているという新しいトレンドが浮かび上がってきました。

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