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特撮番組「ウルトラマンティガ」レビュー「ウルトラマンの「決まり」」。

「ウルトラマン」シリーズでは「初代マン」と「セブン」が好きで
「ウルトラ兄弟」なる概念は受け入れられない。
本作品は子供の頃「ウルトラマン」シリーズに
夢中になった子供たちが創った作品である。

まず特筆すべき点は「ティガ」の正体が判明し
「ウルトラマンはひとりで戦わなくてはならない「決まり」でもあるの?」と女性隊員に問い詰めさせた点であろう。
「決まり」…「セブン」でも最終決戦前に正体は判明するが
「セブン」が最後の敵を倒しそのままM78星雲に向けて飛び去って行った。
正体が判明すればそれが永遠の別れのときだった。
それが「決まり」だったのだ。

「ティガ」はその「決まり」に疑問を投げかける。
「ティガ」は正体判明後,最後の敵に破れ石化してしまう。
「セブン」で言えばガッツ星人の罠にはまり
十字架に拘束された場面を連想し
「初代マン」でいえばゼットンに破れた場面を連想する。
今地球人の「助け」が必要なのだ。
「セブン」も,「初代マン」も,そして…「ティガ」も。

「ティガ」でもうひとつ特筆すべき点は
「ティガ」を「構成しているもの」は一体何なのかという疑問に
「新解釈」を提示した点であろう。
「光の巨人」は「光」で構成されている「光の集積体」である。
ではその「光」とは一体何なのか。
その問いに初めて「新解釈」を提示したのは「ティガ」である。
石化した「ティガ」を「みんなの力」が
「光の巨人」として再び立ち上がらせ最後の敵を「みんなの力」で倒す。

地球はね,「誰か」の力を借りず
地球のみんなの力で守らなくてはいけないんだ。
地球人ひとりひとりがティガなんだ。
ウルトラマンは超人だけどティガは人である事を選んだ。
そんな解釈。

そして…「ティガ」への変身能力を失った男性隊員が
「M78星雲」に飛び去らず「光の国」にも帰らず
地球のみんなの元に帰ってくる。
男性隊員はウルトラマン(=超人)ではないのだから
「決まり」を破っても構わないのだ。
本作品は「初代マン」や「セブン」に最大の敬意を払いながら
「新解釈」を付加した傑作だと思う。

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