コラム「映画の欠点」

「映画」という娯楽には致命的な欠点があります。
先ず座席に着席し映画が始まったなら2~3時間その座席に拘束されます。
また映画上映中はスマホを見る等の「他の事」が出来ません。
「映画鑑賞」は実は全く人に優しくない趣味なんです。

ひところ話題になった「映画を早送りで観る人」は
映画を早送りで観て「拘束時間」を短縮しようと試み
「七人の侍」とかで3時間以上も拘束される
趣味としての「映画の欠点」を告発してるんです。

それに対し「本当の映画ファン」からの回答は
「映画鑑賞とはそういうものだ」
でした。
しかしながら「そういうもの」とは「どういうもの」なのでしょうか。
映画鑑賞中にスマホを見る人に対しては
「怪しからん」「マナーを守れ」
と頭から𠮟り
「なんで3時間もスマホを見る自由を制限されなければならないのか」
「映画鑑賞という娯楽には欠陥があるのではないか」
という本質的な問題を見ようとしない。

こんな…年寄りが若者を頭ごなしに叱る様なやり方では
問題の解決になってないんです。
「映画鑑賞」が孕む問題点を次々と指摘されているのに
「映画鑑賞とはそういうものだ」
と突き放した結果,「映画を観る人」が減ってますよね。

当たり前です。
今や映画より楽しい娯楽が沢山ある。
それらの娯楽は3時間席に座り続ける事を強要しないし
3時間「他の行為」をする事を厳禁する厳格さもない。

「楽しくない娯楽」って一体何なんですか。

僕は土日に池袋・新文芸坐にオールナイトで
ホラー映画を4本立て続けに似に行きました。

客観的に考えたら約7時間半もの間,
座席に拘束される「苦行」の領域に到達してるんですよ。
「本当の映画ファン」は今や!
修験者と同じ感覚で映画を観てるんです。

これじゃ一般の方は「引き」ますよねえ。
そして「本当の映画ファン」は「若者の映画離れ」を嘆くのです。

こんなの…離れて当たり前でしょう?

映画に「未来」は無いと僕は思ってます。
「若者」のいない分野に!
「高齢者」ばかりの分野に!
「未来」なんてある訳ないじゃないですか。

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