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NHK Eテレ「オトナプリキュア」第2話「ケツイノスガタ」レビュー「オトナの心の中にはコドモだった頃の「自分」がいて,いつだってコドモはヒーローに変身出来るんだ。」

第1話のレビューも良かったらどうぞ。

「オトナプリキュア」が始まったとき,
のぞみ達は再びプリキュアに変身するのか,
30歳を過ぎても変身出来るのか…が気を揉まれた1週間であった。
まあね。
僕は「汚い大人」になってしまったから
「30歳過ぎのプリキュアもアリなのでは」
と埒も無い妄想に耽っていたのですが
結論から言えば第2話で
夢原のぞみはキュアドリームに16年ぶりに変身しました。
その際の「変身出来る理屈」が面白かったので解説します。

今回の敵シャドウは大人に「諦めるよう」「どうせ何をしても無駄」と囁き,
心を眠らせて辛い現実から逃避する事を推奨して来ます。
「のぞみの心の影」も生徒の父親の仕事の不振も,両親の離婚も,
ダンスの全国大会に出たかった生徒の夢も,
何ひとつ解決出来なかったのぞみの無力感を突いて
辛い現実を忘れて眠るよう呼び掛けて来ます。
一旦はのぞみの心は眠りに就くのですが…。

確かにオマエは何も出来なかった。
だからと言って
「何も出来る事はない」「何をやっても無駄」
「無駄な事をするのは止めよう」
と14歳だった頃の…プリキュアだった頃の自分に胸を張って言えるのか。
オトナの心の中には「コドモだった頃の自分」が生きていて
真っ直ぐな瞳でこっちを見詰めている。
オマエは「コドモだった頃の自分」の瞳を見返す事が出来るのか。

現実から逃避して寝てる場合じゃないんだよ。

こうして「心の中の14歳」がキュアドリームに変身して戦うのである。
「心の中の14歳」が変身して戦うので変身も必殺技も16年前のまま。
ただバンク以外の作画が死ぬ程気合いが入っていて
「鬼神キュアドリーム」を堪能出来ます。

オトナでは辛くて跳ね返せない苦境も
何の根拠の無い全能感・無敵感に満ち溢れた14歳のコドモなら跳ね返せる。
コレが本作の主張する「中二病」と言う訳。

どんなオトナの心の中にも
「14歳だった頃の・コドモだった頃の自分」
がいて苦難に立ち向かうのが本作の「変身出来る理屈」なのだ。

勿論16年前にコドモだったオトナが
キュアドリームの勇姿を見て拍手喝采を送る事は言うまでもない。

今回はのぞみが「14歳だった頃ののぞみ」に戻って変身したけど
次回はかれんが変身する模様。
楽しみですね。

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