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大友克洋・高千穂遥原作 高寺彰彦 漫画「サルタン防衛隊」レビュー「頭の中で思い描いた通りの展開になる快感が癖になる漫画です。」

中東某国の首長(サルタン)来日に当たり,
彼を護衛するSPの人選に手心を加える様,警視庁に政治的圧力がかかる。
というのも日本国政府としては親日家の副サルタンと誼を通じたく
大きな声では言えんが副サルタンと政治的に対立している
現行のサルタン護衛の任が失敗し彼には暗殺されて欲しいのだ。
そこで選出された4人は素行に問題のあるロクデナシばかり。
だが彼らは駄犬かもしれないが
「やれ」と言われた事を愚直に守り通す連中で
「サルタンを守れ」と言われたら,如何なる犠牲を払おうと厭わないのだ。

本作は序章,終章があって本編は3幕構成になっている。

第1幕:羽田空港
第2幕:国会議事堂
第3幕:新宿副都心

サルタンの行くところ暗殺者が付き纏い,爆風が吹き,血煙が舞うのである。
サルタン防衛隊のせいで
羽田空港・国会議事堂・新宿副都心の順で廃墟と化して行く。
後になる程被害が多く,規模も大きく,死者の数も増える事は言うまでもない。

暗殺者達がサウナで作戦会議を開きながら

「アジェバ(サルタンの名)に,日本国政府はどうやら凄腕のSPを付けた様だ」

と勘違いして苦悩する場面が一番の見所。
そらもうニコニコしちゃいますね。

きっと皆さん読んでいて途中でオチが分かると思います。
その思い描いた通りのオチになるのが素晴らしいのです。

サルタン防衛隊のリーダーが財津一郎似,
日本国首相は中曾根康弘似ですね。

兎に角,描き込みが凄くて読んでいて気が抜ける箇所が無く
それ故に読んでいて疲れる漫画でもあります。



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