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安原伸監督の「国防挺身隊(こくぼうていしんたい)」全4話レビュー「新宿新都庁舎上部に設置された破滅兵器で皇居が蒸発する特撮に技術云々よりも度胸に驚く」。

旧日本軍の軍服を着て銃剣で武装した一団が
個人の資格で不審な外国人を撲殺し
新宿副都心の新都庁舎に偽装した巨大要塞に立ち向かい
亡国の国会議員を褒め殺し
雅子妃御成婚パレードを護衛するのだ。
本作にはクレクレタコラの演出が見受けられ監督の正気を疑う。

初見。
全4話。
最初の2話は「三宅裕司のえびぞり巨匠天国(エビ天)」参加の為に製作。
第2話で完成1年後の新都庁舎,3話で国会議員の褒め殺し,
4話で雅子妃の御成婚パレードが登場したりと当時の世相を懐かしめる。
第5話は予告のみ作られ挺身隊と宇宙人,
巨大ロボットとが闘う予定であったが頓挫する。
「上等兵役の若者が結婚して真面(まとも)になってしまったのが痛かった」
と監督はコメンタリーで述懐する。

本作の白眉は2話「巨大要塞を撃て」で
新都庁舎上部に設置された破壊兵器で皇居が蒸発する場面に驚く。
寡聞にして皇居が敵の直接攻撃を受ける場面を観るのは初めてだ。

国賊女に「挺身隊は女を殴れない」弱点を突かれるものの
「国賊に男女の区別無し!」理論で成敗されるのであった。

特典映像を観ると監督は日本共産党にカチ込みをかける
気違いの右翼に見えるが本当のところは不明。
もうひとつの見所は
実際の雅子妃御成婚パレードに挺身隊が参列する4話だ。

挺身隊の所有する車両は
極右故に右にしか曲がれないという設定に
監督のユーモアのセンスを感じるが
迂闊に笑ったら鉄拳制裁を受けそうなヤバさも同時に感じる。


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