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映画「ヘルナイト」レビュー「職能は身を助ける。」

リンダ・ブレアは若者が青春を謳歌するなか自動車修理工の父を手伝いながら進学するも新歓パーティで過剰な賓客待遇を受け場違いなドレス姿を披露。

その彼女の姿は映画「エクソシスト」で天才子役として鮮烈にデビューしておきながら,その後パッとせず,かといって彼女の「エクソシスト」での功績を軽んじる訳にも行かない撮影現場で,ただ持て余されるだけの「扱い辛い存在」と成り下がった彼女の「今」の戯画なのだ。

そんな彼女に妖魔が迫り車はお約束通りエンスト!
だが彼女は父から継いだ職能を生かし車を冷静に修理し妖魔と対決する!
彼女の苦労と屈辱と汗に塗れた「これまでの人生」は決して無駄ではなかったのだ。

妖魔を打ち滅ぼした彼女の長い長い「ヘルナイト」が明けて,
朝日がその身を包む。
朝日が差す中,歩き始めるリンダ・ブレアは,
ありとあらゆるしがらみから解放されたかの様に見える…。

彼女の「今」を逆手に取った脚本の勝利だ!
リンダ・ブレアは本作でラジー賞(最低女優賞)を受賞したと言う。
僕は沖田艦長に倣い節穴揃いの審査員達に「バカめ!」と言ってやる!


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