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『アートに出会うショートトリップ』 あさひの芸術祭 あさげーその3(旭エリア)

 旭駅周辺から旭中央病院にかけて、たくさんのアートを見られる場所が集まっている。まずは駅から少し遠いところで、旭中央病院周辺を散策してみる。

1.おひさまテラス(イオンタウン旭内)

 2022年4月にオープンしたイオンタウン旭の2階に上がると、多世代交流施設の「おひさまテラス」がある。以前に、少し見学しに来たが、木がふんだんに使われた、子どもたちが遊ぶ場所があったり、大人も本を読みにきたり、キッチンスタジオや、音楽スタジオ、モノづくり工房などもある多目的スペースで、併設のカフェもとても心地よい場所だ。
 そのおひさまテラスにはイラストレーターの具緒氏、とてもリアリスティックな、少し何かを訴えるような油彩の田島和雄氏、美しいバレリーナなどを柔らかなタッチで表現している菅原青生氏の3人のアーティストの作品と、あさげーのメインロゴの作成者でもありカフェの経営者の赤座剛氏が参加している。
 具緒氏の地域を題材としたものや、魅力的なキャラクターたちが本棚の上で踊っている。何よりも目を惹いたのは、地域の名前にあわせたキャラクター。自分の知っている地域はありましたか? 是非この東総の地域の名前を憶えて帰ってほしい。

具緒さんの作品が生き生きと本棚の上で踊る


心地良いカフェ「Ready Made in Wonderland」

2.ひととひと

 イオンタウン旭を出るとすぐ近くに旭中央病院がある。病院の西側のランドリー隣にあるカフェ ひととひと。ここは「カフェとモノとヒト」のお店。木のドアをそっと開くと、ざわざわとヒトの気配がする。旭市産の野菜があったり、雑貨があったり、たくさんのモノたちが並ぶ。カウンターには美味しそうなお惣菜なども置かれている。思わず小腹が減ったなと思って、コーヒーと可愛らしいお菓子を買う。
 ここには写真家の小林雅弘氏が、カメラと共に扉を開けてすぐのところに座っておられた。2巡目にまたお話に来たいなと思いつつ、写真家の作品をもっと見てみたくなった。

写真の展示の仕方もおしゃれ
デコレーションされたワッフル

3.訪問介護ステーション ソフィアさわやかホール

 ひととひとのカフェを出て、旭駅に向かう。
駅前通りから細い路地に入り、住宅街の中を次の目的地、訪問介護ステーションソフィアさわやかホールを探す。ようやくあさげーの旗を見つけて、入口の戸をガラガラと開けると、驚きの空間が待っていた。
 ガイドブックに、『「遊びオブジェの精」南隆一オモシロランド』と書かれていたので、どんな世界が待っているのかドキドキしながら扉を開いた。
 一部屋全部が作品であり、JAZZが緩やかに響く。スピーカーも捨てられようとしていたもの。廃材など色々な素材を活用したアートの世界。
 まるでピカソや岡本太郎画伯を思い起こさせるような、不思議なものがあちこちにある。JAZZプレイヤーを描いた作品や、床をグルグルと不思議なオブジェが回っている。
 遊び心満載なアート作品に囲まれながら、スピーカーから流れるJAZZの旋律を楽しむゆったりとした時間がここには流れている。
 作品もさることながら、南隆一氏自身もとても魅力的な人であった。お茶とお菓子をごちそうになって、もし2巡目に来れたら、石のアートペインティングに挑戦したいなと思う。丸みのある小さい石を拾ってまた来よう。

部屋中おもちゃ箱のようなものがいっぱい

4.進学塾ミズヤ

 塾というと、なんとなくコンクリートの建物を想像してしまったが、瓦屋根の二階建ての一軒家だった。オープン時間を過ぎていたのに、扉を開けると快く向かい入れていただいた。その方が、なんと黒板アート作家のすずきらな氏だった。すでに、彼女の作品として潮騒ふれあい広場の100mに及ぶ防潮堤の竜を見ていたが、この場所は活動拠点とされているということだった。
 チョークアートとは思えない、リアルな絵を一つ一つ感心しながら見ていると、子どもたちが習字教室に来ていて、大柄な書道の先生が子どもたちに教えておられた。そして、その大柄な先生が、書道家の平山爆風氏その人だった。(あとから気が付いた)
 時間が過ぎていたので、早々に失礼したが、もう一度ゆっくり訪ねてみたい場所であった。

びっくりするほど美しいチョークアート

5.Seed

 旭駅近くの銀座通りにあるおしゃれなギャラリー・カフェ・コワーキングスペースのSeedさんに立ち寄って、本部に行けばあさげー全制覇かなと思っていたら、あいにく日曜日はSeedさんはお休みだったので、本部のMadokaさんにちょっとだけ立ち寄って出直すことにした。

 仕切り直して雨の土曜日になったが、Seedさんのガラスのドアを開けると、おしゃれなカフェとギャラリーの空間に包まれる。珈琲のいい匂い。
 「ここでコンプリートなんですよ」というと、「おめでとうございます!!」とお祝いしていただいた。
 素敵な笑顔の女性が美味しい珈琲を入れてくれる。
体を包まれるようなソファで、気持ちよくて眠りそうになりながら展示されている絵を鑑賞。外は雨だけど、ゆったりとした時間が流れる。
 オーナーの小久保一椎氏は建築家で造形家。この建物のリノベーションも手掛けた。Seed自身が小久保氏の作品なのだと気づいた。

明るくおしゃれな空間

6.ちば醤油アート広場

 ちば醤油工場跡地に、壁画や塔、壁面に貼られたイラストや書の大きな作品と、屋内も平山爆風氏の書が並ぶ。広場はクローバーが生い茂り、まるで緑の海のようになっている。四葉のクローバーを探しながら、壁面のアート作品を鑑賞する。
 広い緑の海の上に浮かんだ船のようなオブジェは、モンゴルマン斉藤俊一氏の作品。屋外のアートは、色々な環境に溶け込んで、その風景全体が一つの作品になっているようだ。
 イラストレーターの秋山正義氏の、童話に出てくる世界の絵や、阿部秀三氏の刑部岬や飯岡灯台の絵。緑の海に倒れこんでしまいたい衝動に襲われる。

7.Mado-ka 中央地域包括支援センター

 さて、このあさひの芸術祭ショートトリップも最後の場所になった。スタンプラリーも完全制覇したので、本部となっているMado-kaさんにスタンプ帳となっているガイドブックを持って行った。コンプリートのお祝いをしていただき、記念品をいただいた。
 たまたま花文字のまりも氏が在廊中だったのは幸運だった。まりも氏の花文字の実演をしていただき、同行者に指導もしていただいた。
 花文字は、中国由来の伝統芸術・漢字の書体の一種。まりも氏は、さっと花文字を書いてしまうが、なかなか同じようには書けない。
 鯉の花文字を一筆でさっと書かれた時には、その美しさに驚き感動した。縁起の良い絵柄「吉祥絵」の集まりで、一つの文字を創り上げる。
 まさに文字が絵画となり、花のように舞いだす瞬間を見ていた。文字が生き物のように、するすると紙から出て来て、空中で舞いだすのではないか、という感覚を持った。


コンプリートの記念品
まりも氏の美しすぎる花文字

 あさひの芸術祭の出展作品はこれで全部見終わったが、もう一度ゆっくり見直したいところもあり、2巡目はいつ行こうかと、ガイドブックをしげしげと見ながらカレンダーとにらめっこしている今日この頃である。 了

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