見出し画像

それはそれは、グッ!とくる言葉たち

テンプル・グランディンという人がいる。動物学者、非虐待的な家畜施設の設計者、そして自閉症の診断を受けている。彼女は言う「時に自然は残酷だが、人はそうある必要がない」。同名の自伝的な映画がある。ぜひ機会があれば見てほしい。彼女が挑戦するときに色とりどり、様々な種類の扉が目の前に現れ意を決して開いていく、知らない世界へ飛び込む、「私という存在」を使いに行く。本当に勇気をもらえるたくさんの人にお勧めしたい映画だ。

フィッシュマンズのナイトクルージング。そこではこういう言葉が歌われている。「窓は開けておくんだよ、良い声聞こえそうさ」この曲調でなんのくすみもなく響く言葉。別れ際に、遠くから友人が叫ぶように。沁みていく。ほんとにしみじみ思う。閉じてると過ぎていくものが、開いているとたくさんの豊かさに出会える、出会いに来てくれる。ぎゅっとなっていた時期が長いからか、ゆるゆるにほころんでいる。ふと聞こえてくるんだ、このメロディと言葉が。

映像研には手を出すな。原作が漫画のアニメ。誰が見ても面白い作品なんだけどグッとくるセリフがある。7話の「私は私を救うんだ!」にて水崎ツバメがアニメーションを作りたい理由を話すところ
「チェーンソーの振動が見たくて死にかかってる人がいるかもしれない。私はチェーンソーの刃が跳ねる様子を見たいし、そのこだわりで生き延びる!大半の人が細部を見なくても、私は私を救わなきゃいけない!動きの一つ一つに感動する人に私はここにいるって言わなくちゃいけないんだ!」
ほんとにそう!私が私を救うために私の欲求を満たしていくしかない。我慢なんてやめてがんがんいこうな。

ここまで書いて、突然「三島由紀夫vs東大全共闘〜50年目の真実〜」をネトフリで見始める。こんなに面白くスリリングでキャッチーで愛くるしいことが日本で行われていたんだと本当にうきうきわくわくした。日本語がわかるならぜひ見てもらいたい。三島由紀夫という愛らしい人がいたことを。イメージが変わる。生徒たちの話をしみじみ聞き、ユーモアを交えて丁寧に話し、論破するわけでもなく、しっかり対話する。こんな人間居るんや!いたんや!と本当にびっくりした。映画自体も面白かった。人が信じるとは、人が生きるとは、まったく違うと思っていても話してみると同じところがあるじゃないか。こういう形で様々だと優しくはっきり見せてくれる。タイトルを見て想像できなかった。こんなにニヤニヤしながら見れるとは。今は三島由紀夫くっそカワイイ、めっちゃ良い人だと感じている。

それでは最後の会話をどうぞ。

三島「わたくしは諸君の熱量は信じます。これだけは信じます。ほかのものは一切信じないにしてもこれだけは信じると分かっていただきたい」

全共闘「それで共闘するんですか?」

三島「今のは一つの詭弁的な誘いでありまして、非常に誘惑的ではあったけれども」

三島「わたくしは共闘を拒否します」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?