[FAB]ドラフトに置ける卓読みの基礎[MST]

FABのドラフトをやる機会があり、言語化による理解度の向上とドラフトを全くやったことない人に向けて書いていきます。


MSTドラフトの前提知識

MSTのパックの配列は一定の規則で決まっており、この中身を理解しておくことが重要になります。
まず、パックの内訳を簡単に記載します。

通常コモン:11枚
・暗殺者(神秘・暗殺者):2枚
・忍者(神秘・忍者):2枚
・イリュージョニスト(神秘・イリュージョニスト):2枚
・ジェネリックor神秘:2枚
・装備品:1枚
・超越カード:1枚
・装備と超越カード以外からランダム:1枚
R以上:2枚
・ランダム:2枚
Foil:1枚
・ランダム:1枚
合計14枚

MSTドラフトはデッキ構築が30枚固定のため、
42枚のカードの内、デッキ30枚・装備4枚までしか使えないため、
最低8枚のデッキに入らないカードが存在します。
Nuuの軽減できないAAやNuu対面で強力な青いカードと入れ替える使いにくい青いカードなどの一部以外は基本的に過剰にピックできている場合は実質使えないカードを取ってるのと同じになります。

卓読みの重要性について:卓内ヒーロー選択数

ドラフトを行う上で卓の中で同じヒーローを目指している人数がどの程度いるのか、自分の左右のプレイヤーがどのヒーローを行っているのかが重要になります。

何故重要なのかを数字と例題を持って整理します。

まず、卓の中でのヒーローの割合について8人で3ヒーローのため、
綺麗に分かれた場合、3:3:2で2人だけ競合相手が少なく有利になりやすいと言えます。

ランダム枠が平均的な割合で下記の通り出るとします。
各クラスのカードとジェネリックまたは神秘のカードが各3枚
装備と超越カードが各1枚

8人いるので、全体では1パック目からは各クラスと神秘とジェネリックが24枚ずつ出ます。
それを均等にピックした場合、下記の通りになります。
卓4:装備1枚・超越1枚・ジェネリック3枚・クラスカード6枚
卓3:装備1枚・超越1枚・ジェネリック3枚・クラスカード8枚
卓2:装備1枚・超越1枚・ジェネリック3枚・クラスカード12枚

卓2のピック数が3枚ほどオーバーしているので、実際にはジェネリックや超越、装備が減る可能性はありますが、基本的にはピックしたすべてのカードを使うことができ、尚且つ弱いカードを採用しなくても住む可能性が高いです。

逆に、卓4になると最後に合わないカードだけが流れてくることもあるため、最低枚数の30枚を何とか揃える程度になり、選択できる幅すらありません。
これらのことから、卓4のヒーローを選んでしまうと厳しく、卓3まではちゃんとデッキを組めて、卓2だと選択できる余裕があることがわかります。
そのため、卓で少ないヒーローを選択することが重要になります。

卓読みの重要性について:上家と下家

ドラフト内で卓2のヒーローが有利という説明をしましたが、次に左右のプレイヤーとピックの関係について考えます。

まず、結論から言えば上家と下家と被るヒーローは避けたい、特に1周目と3週目の上家と被るのが一番避けたいです。

自分を基準に右隣(1周目でピックしたカードを渡す相手)をA、左隣(ピックされたカードを貰う相手)をBとして考えてみます。

両方と被った場合
これは最悪です、ヒーローを決めたあと1周目と3週目で流れてくるカードはBさんが選ばなかったカードしか流れてこず、2週目ではAさんが選ばなかったカードしか流れてきません。
Bさんと被ってしまった場合は、1周目と3週目はBさんが選んだカードは流れてこず、2週目のみ強いカードをピック出来ます。
逆にAさんと被った場合は、2週目以外はちゃんと強いカードをピックすることができます。

被った相手が遠ければ遠いほど、相手がまだ見ていない強いカードを選択できるチャンスが増えることになります。なので、基本的に両サイド、特に上家(Bさん)と被らないのが大切です。

ピック方針とシグナル

ピックの方針とはどのヒーローを選ぶのか、装備品や超越をどのタイミングで取るのか、クラス替えはどのタイミングで検討するのかなどであり、これは人により考え方が異なるので各々で正解を見つけていく必要があると思います。

シグナルとはより精度の高いピックの方針を選ぶための情報であり、このシグナルを上手く読み解くことがドラフトへの理解を深める第一歩になると考えています。

シグナルって何?

シグナルとは合図や信号といった意味で、ドラフト的には上から渡されたカードを見て上家がどのようなピックをしているかを考えて、自分がどのようにピックするのが良いのかもしくはどのようなピックをしない方が良いのかを判断する材料のことをシグナルと思ってください。

シグナル紹介:初級編

1-2で下記の通りにカードが流れてきた場合
忍 忍 暗 暗 暗 イ 神 ジ 装 超 忍R 神R ジF
*それぞれ忍=忍者、暗=暗殺者、イ=イリュージョニスト、神=神秘、ジ=ジェネリック、超=超越、R=レア以上、F=ホイル

上記の内容から見てわかることは、上は初手からイリュージョニストのカードを取っており、エニグマをやりたそうだということがわかる。
*最初のパックの配分から、クラスカードが2枚はでることがわかるため、クラスカードが1枚しかないイリュージョニストを取っていることが推測できる

ただ、シグナルには強弱があり、イリュージョニストを取っているが、他のカードを見ても明らかに弱すぎて取る物がなかった可能性や、まだ1パック目なので上が他のヒーローを取り始める可能性もあるのでまだ信頼しきっていいわけではないですが、装備や超越、汎用カードよりはピックを優先していることがわかります。

シグナル紹介:中級編

1-2  忍 忍 暗 暗 暗 イ イ 神 ジ 装 超  赤蒼白 ジF
1-3  忍 暗 イ イ 神 ジ ジ 装 超  R R ジF
上家について赤蒼白という最強クラスのカードを選んでいない時点で緊急事態です。
ここで考えられるのは強いMかデッキの核になるクラスのRが出たと思われます。
Rであればクラスカードしかなく、ZENなら2コス7点コンボ、Nuuならステルスの赤を追放するたび1ドロー+1点回復が考えられ、Mだとすると神秘とジェネリックならレベルか最も脆いところが可能性あり、それ以外は基本的に専用クラスのカードを取っていることになります。

基本的には蒼白が来た時点で上家はクラスを決めていて、先ほどとは違い多少のことではクラスを変える選択を取らないことがわかります。
そして、2パック目で上二人が忍者と暗殺者をそれぞれ取っています。
どちらかは必ずクラスを決めている上家が選んでいるので、この時点でエニグマに切り替えることで上家と被る可能性がかなり低くなります。

実際にはこのようにわかりやすいことは少ないですが、1枚取られただけのパックでもこれだけのことが推測でき、手順が進むたびに情報は増えていきます。(ただし、これは蒼白の評価が上家と共通していることが前提です。)

シグナルとの付き合い方

シグナルはただの情報です。
この情報を上手く使うには、精度を高める・情報を元にどのようにピックすればいいのかを知ることが必要でここがピックの上手さに繋がっていきます。

正しいシグナルを得るために必要なこと

ここはカードの個別の評価やピックのしやすさを理解していなければシグナルを正しく得ることができません。
強いデッキを作るピックするためにも必要ですが、シグナルとしても強いカードが流れてくるということはやってる人は少ないという情報や強いカードが流れてこないときはもしかしてやってる人が多いかもしれないという判断ができます。
逆に、正しく評価できず、弱いカードを高く評価していると、そのカードが多く取れるから空いていると思って参加したとたん、カードが流れてこなくなることもあります。まぁ普通に弱いカードばかり取ってると弱いデッキしか組めないのでシグナルとは別に個別評価を正しく認識するのは重要です。

最後に

FABのドラフト好きの人やMTGなど別ゲームでドラフトを遊ばれてる人には当たり前な内容や、レベルの低い内容が多いですが、本当に初心者の人で知らなかったという人に少しでも参考になればよいなと思います。
セット毎のカード評価や環境評価などについてはまだまだ自分のレベルが低いため、知見がついたら書いてみたいなと思います。

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