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【紫PURPLE】眠れぬ夜の奇妙なアンソロジー第34集 解題と読者アンケート


眠れぬ夜の奇妙なアンソロジーは一つのテーマでnoteの記事をつなぎます。noteは現代のアカシックレコード。日々紡がれる膨大な物語に、タイムラインの奔流に、あなたの物語が押し流されて消えてしまわないように。遺構に眠る誰かの呟きを掘り起こし、磨いて輝きを取り戻すために。大切なものを繋ぎ留めるために。
この企画には今月も多くの記事が集まりました。

「この企画は山小屋のようなものだ」と或る方が言いました。

山小屋はいつも開いていて、登山の人々は自由に其処に憩い、集うのだ。山小屋に集う人々は面識もなく、しかし言葉少なにそれぞれの物語を語るのだ。夜は小声で、奥ゆかしく。山小屋はいつも開いていて、彼らの言葉を聞いている。

今月のアンソロジーのテーマは紫です。
各人各色の紫色。
縦横無尽に綾なしてどのような物語が紡がれるのでしょうか。
今月もどうぞお楽しみください。

目次


01イラスト 和服美女-Purple oui-n
02小説 唇で塞がれるもの みこちゃん
03小説 吸血鬼の子守唄 Saki
04小説 青と赤の紫の 千本松由季
05写真 ムラサキの空 あーちゃん
06小説 アムリタの雨に花開く りりかる
07小説 アイオライトの果て 常世田美穂
08小説 紫色の彼女 ひゅうが
09小説 紫色母子ししょくぼし 要
10エッセイ ムラサキ侍 平沢たゆ
11小説 ムラサキの香り~ココロにパフュームをⅣ くにん
12小説 ムラサキの冒険 五十嵐 史
13詩 紫の部屋 数理落語家 自然対数乃亭吟遊
14小説 紫の鏡 磯貝剛
15エッセイ 紫とムラサキ イヤシヤ
16小説 失恋ソングの使い方 海亀湾館長
17朗読 パープル りりかる
18エッセイ 紫の薔薇の人 りりかる
19小説 ダーリン・イズ・イン・モノクローム ムラサキ
20小説 パプリカ クマキヒロシ

投稿された作品はすべて拾えたと思うのですが、お気づきの点はお知らせ下さい。

アンソロジーはこちらから



解題


01イラスト 和服美女-Purple oui-n

改めましてこんばんは。和服美女のムラサキです。イメージ的に京都とかに住んでます。
今月のテーマは紫なので、oui-nさんに描いて貰った私の似顔絵からアンソロジーは始まります。ouinさん、私を綺麗に描いて下さって有難うございます。ホホホ。
それにしても今回のアンソロジーは色々凄いですねえ。
一言で云えば「混沌」でしょうか。
青と赤、相反する二つのエレメントを混ぜて紫。まさに紫は混沌の象徴なのかもしれません。
oui-nさんのイラストにもさりげなく「カオス」って書いてありますし。
テーマであるムラサキと、それを解題するムラサキ。何が何やら現実も幻想も有耶無耶混沌に。カオスの祭典、ネムキリスペクトです。今月もよろしくお願い致します。


02小説 唇で塞がれるもの みこちゃん

みこさんの小説。みこさんの前回「温泉旅行」でご参加頂きましたので、今回は二度目のご参加になります。ありがとうございます。
コメント欄でずっと私は紫のパンツの話をしておりますが、改めて読み返すと最低なコメントですね!
最低を承知で更に紫のパンツについてお話を致しますが、コメント欄にて「濃い紫である程、エロティック」という見解を示しました。これを改めて考えてみると、「色の濃い派手なパンツ」は若い人でないと着用出来ない、気がする。そうすると歳を経るほどパンツの色は薄くなっていくのでしょうか。そう考えると、色が濃い程良いとした私の思料は些か浅薄なのではないか。寧ろ色が薄い方が当該おパンツの歴史観(?)が深まるのではないか。と反省していた所です。
果たして、本作品のパンツの色味は如何なるものか、作品をご覧になって皆様も御一考下さい。


03小説 吸血鬼の子守唄 Saki

sakiさんの小説です。
短い作品に凝縮された情念の、歴史の深いこと。少女が大人に変わる過程が叔母への視点を通じて描かれています。
叔母が老婆になり、いつか自分が骨を拾う。とそんな描写がありますが、リアリズムに慄っとします。叔母の人生に自らの生き方を準える主人公は、叔母の焼骨を思う事で既に自らの死を覚悟している。その視点は生き乍ら既に死の中にあります。
生命と死が直截描写される事は御座いませんが、死と生命の融和があります。深い余韻を残す重厚な作品でした。


04小説 青と赤の紫の 千本松由季

先月のアンソロジーで「発狂文体」と評された事を大変喜んで下さった千本松さん。評する方も評する方ですが、喜ぶ方もどうかしています!
しかし、無意味な比喩、文法の破綻、過剰な省略、もしくは過剰な修辞など発狂文体の感覚は私も好きなんですね。

主人公は頭の中の王様から、今晩黒い服の男に殺されると宣言されて、コンビニにいたタキシード姿の男の匂いを嗅いだら、この男に殺される事が直感的に分かり、その男に付いて行く事を決めたのですが、超越的に破綻しています。狂ってる!

この破綻を私は勝手に発狂文体と呼んでおりますが、発狂文体のもうひとつの特徴は口語的である事でしょうか。
人間は思考や感情を想起しながら話を致しますので、正しい文法で話すことを致しません。文脈が捻れて混濁を起こす事もよくあります。会話を速記致しますと、、余程会話の上手な方でなければ発狂文体化しております。
そこに発狂文体のリアリズムがあります。

そのような特質が発揮されたのが、御伽噺などの口頭文学、メルヒェンの世界であろうかと思います。民話の世界は語り部の話を書き留めますので、物語の一部が消失して、脈絡を欠いている事がよくあります。伝承されるうちに輔弼と消失を繰り返して原型を失くす歪さがあります。それが正体不明に不気味な魅力を放ちます。

千本松さんの試みは現代的なメルヒェンであり、どちらかと言えばアウトローな人間のリアルを描写しようとするハイパーリアリズムでもある。これを一言で言い表すと「狂っている」になる訳です。

皆様も是非この狂気に触れてみて下さい。


05写真 ムラサキの空 あーちゃん

あーちゃんさん、のお写真です。紫の世界ってやはり狂気を含ますよね。この幻想的な光景は月宵のマジックアワーかと思いきや、朝日の太陽をデジタル処理して作られた、非現実の世界のようです。この世には存在しない光景です。
現実であって現実でない混沌がやはりここにもあるわけです。
このアンソロジーも次第に狂気の世界に飲み込まれて参りましたね。
深い狂気です。

06 小説 アムリタの雨に花開く りりかる

りりかるさんの小説。
タイトルのアムリタはインド神話で神々の醸造した甘い水。飲めば不老不死となります。乳海と呼ばれる混沌を攪拌して作られるという伝説があります。
アジサイの花色はアルミニウム(CB6227696)の含有量で決まっているらしい。そうした科学が魔法のような言葉で紡がれることが詩的です。
その比喩は随所にあって、女性が「酸性」で男性は「アルカリ性」。
これは体液のことですね。
酸性とアルカリ性の交わりが性行為のことであり、またアジサイを紫色の花色にするための土壌改良の描写にもつながります。土壌の酸性度をアルカリ性に保つと、アルミニウムが土壌に溶けないのでアジサイがアルミニウムを吸収せず花色が紫色になります。
乳液の攪拌に始まって、酸性とアルカリ性が交わっていく。官能的な描写ですね。
パン、蜂蜜、卵。食感を伴う命の描写と、その同化。卵の殻が砕かれ散骨されることの死。幾度も生まれる生と幾度の死の繰り返し。
性行為なのか園芸なのか食事なのか、生きているのか死んでいるのか、愛なのか。描写が溶けて、もう判別はつきません。その攪拌の中にも雨は降りますし、土壌は改良されていきますし、愛は育っていきますし、私たちは少しずつ死んでいきます。やがて庭のアジサイは紫色になるでしょう。
科学ロマンが詩となって情感に溶けていく。大変美しい官能の世界です。


07小説 アイオライトの果て 常世田美穂

常世田さんは今回、初参加です。千本松さんの怒涛のPR記事に応じて参加して下さいました。アイオライトという石の中にはいくつも星が輝いていて、まるで宇宙のようです。船乗りたちが星を見て航路の舵を取るように、輝く星々を紋様に持つアイオライトにも導く力があるとされます。かつての船乗りたちはアイオライトを航海のお守りにしたという話もあるようです。
主人公の部屋の天井にはアイオライトがひとつ埋め込まれている。
海を模した部屋の天井に輝くアイオライトは主人公の心の指針も照らしてくれるのでしょう。
この主人公には友人がいて、場面は二人が話をしている所。二人がどのような状況下で向かい合っているのか前後は語られませんが、そこにドラマを感じます。文字にならない行間に物語が凝縮されている、そのように感じました。設定や行間の作り方が大変勉強になります。


08小説 紫色の彼女 ひゅうが

ひゅうがさんの小説です。前回のアンソロジー「夜汽車」の回でひゅうがsんの朗読された中原中也の「夜汽車の食堂」の記事をお借りし、ムラサキ賞を贈らせて頂きました。
この度は小説でのご参加です。ありがとうございます。
コメント欄に書かれていますが、この小説は半分以上が実話で構成されているとのこと。現実は小説よりも・・・の通りに物語の展開に創作では作り切れない深みがあります。
この度のテーマは「紫色」で、紫とは何たるや各々が頭脳を巡らせたわけですが、本小説の「紫」はヤンキーの紫。確かにそんな時代がありました。私の通った高校は比較的自由な校風だったので学生服はどんなものを着ても良かったのですが、当時は裏地がサテンの紫色で竜の刺繍が施されている妙に丈の短い学生服が流行しておりました。そのような学生服を専門に扱う店が街のアーケード商店街の外れにあって、そこに買いに行くんですよね、電車に乗って。学生服の構造は金ボタンが服に縫い付けられておりません。裏ボタンと呼ばれる部品で釦穴に留められておりました。この裏ボタンにも竜が書かれていたりして、とにかく何もかもが竜でしたね。あと、その店には手裏剣が売っていたような気がします。やはり竜が彫られておりましたね。変な時代だなあと懐古しつつも、ひゅうがさんの小説を読んでその紫が悲しい色だと知りました。


09小説 紫色母子ししょくぼし 要

要さんは今回初参加です。ありがとうございます。
大変愉快な小説を書かれました。
理科室の実験で紫キャベツを煮て色素を抽出する。
理科の実験って独特の華やかさと仄昏さがありますよね。背信のアルケミストのような怪しさが実験器具にはあります。
最初の一文が「あぁ、ゲボでそう。」
ゲボ。昔、吐瀉物のことをそのように呼ぶ文化があったように思いますが、気が付いてみればいつの間にか聞かなくなった言葉です。テレビなどで全国的に流通していたように思われますが、共通語枠から外れて方言落ちすることってあるんでしょうか。
しかし、小説の第一行を飾るには威圧のある言葉です。この後の展開に不穏を感じますね。
終始、紫キャベツを煮詰める実験の様子が描かれておりますが、主人公は「あたし」から別存在にスイッチします。主体と客体が混濁して物語は高性能カメラのような精度を帯びて三次元世界を彷徨います。
やはり、華やかで仄昏いお話です。
途中、紫色のものが列記される箇所がありますが、そこに列記された紫が今回のどなたの紫とも重複しておらず、そのイマジナリーに底知れぬ恐ろしさを感じました。


10エッセイ ムラサキ侍 平沢たゆ

たゆさんのエッセイは「ムラサキ」について。お寿司屋さんでは種々のジャーゴン(隠語)が用いられます。アガリ、ガリ、クサ、ナミダにムラサキ。
ムラサキは醤油の寿司用語ですね。
小皿に垂らした醤油の色が紫色に見えるので「ムラサキ」。昔の方の観察眼には恐れ入ります。果たして現代人にそんな美意識があるものか。私の眼には黒か茶色か、その類にしか見えませぬ。ああ、これが紫色と言ってみたいものです。そのムラサキに濃いと薄いと種類がございまして。そのようなお醤油の種類が美味しそうに語られているのが本エッセイ。
ちなみに我が家は高級な醤油を買うように心がけております。醤油だけは贅沢したいという庶民の夢です。高級な舌は持ち合わせておりませんので、あくまで気分です。


11小説 ムラサキの香り~ココロにパフュームをⅣ くにん

くにんさんの「ココロにパフュームを」シリーズもはや、第四回。本シリーズは眠れぬ夜の奇妙なアンソロジー「香水」が初出。まさか連載ものになるとは思いませんでしたが、縁は異なものです。本アンソロジーの毎月のテーマは偶発的に決定されますので、毎月の参加を心がけている方にとっては何の小説を書かされるのか予想できません。「香水」がテーマになった時も当時の男性陣は香水の勉強から始めねばなりませんでした。

「眠れぬ夜の奇妙なアンソロジー2019年9月 テーマは香水」

懐かしいですね。このシリーズは七海とさくらという二人の同級生が離れ離れになっても、心で支え合いながら、お互いの夢を追い求める物語です。さくらの夢は調香師になること。調香師を目指して大学で化学を専攻しています。第二話のテーマは「炭酸水」、第三話は「雨」と登場人物を増やしながら本アンソロジーに時折登場しています。
くにんさんの小説にはジュブナイルというジャンルがあって、人生の過渡期を描こうとする作品群があります。大長編である「月の砂漠のかぐや姫(最新話は163話)」もそうですね。本シリーズも過渡期の少女たちの物語です。


12小説 ムラサキの冒険 五十嵐 史

紫犬のムラサキが生き別れた飼い主を追い求めて、転々と冒険を致します。
行く先で新たな飼い主と出会っては数奇の運命に翻弄されます。考えてみれば小説とはその運命を描く事ですね。偶発にせよ、必然にせよ運命を前にして人間は水流の渦巻く中に翻弄される木の葉のようなものです。
紫犬のムラサキ君を如何なる運命が待ち受けているのか。転々と流転する物語の展開が鮮やかに描かれました。


13詩 紫の部屋』数理落語家 自然対数乃亭吟遊

私は友達がおりませんので、一人でいる事が多いです。そうした運命を克服しようと頑張った時期もありますが、諦めて一人でいる事を受容してからは大変楽になりました。

そんな話をそう言えば以前も書いた気がします。ええと。なんだっけ??

そうそう、これこれ。
もしあなたが狭い車内に他の方と二人きり。気まずい沈黙が先程から訪れております。あなたならどうしますか?
1、無難に天気の話をする
2、仕事の話とか
3、お菓子を勧める

なんて状況で、私は沈黙でいる事を克服しましたので、別に何時間でも黙ってられるよ!

友達はおりませんが、孤独ではありません。孤高です。寂しくないです、別に。


14小説 紫の鏡 磯貝剛

「紫の鏡」という話は有名な話だと思っていたのですが、本話のコメント欄を見るとそうでも無いようですね。
迂闊に此処でお話すると恨まれることもありそうなので、知りたい方は磯貝さんの記事をご覧下さい。
磯貝さんのお話は精巧に組み立てられておりますので、言及は避けます。

その代わり私の小学生の頃に盛んだったお話でもしましょう。
旧道沿いにある古い神社はいつも薄暗くて子供には不気味を感じる場所で、近所の子供たちからはお化けが出ると噂されておりました。その噂と言うのが、4時になると口裂け女が出て追いかけられる、というもの。でもこれは逃げることが出来ます。運良く逃げおおせて、まだ遊んでいると(!)5時になった時にお社が開いて異次元に連れ去られるという噂でした。昔、子供が夕方になっても遊んでいたので、親が探しに行ったら神社のブランコで首を切られて死んでいたんですって。

子供の頃はその神社が怖かったですねえ。でも、4時って早過ぎ!定時前ですよ!日も暮れてません。そして最終宣告が5時!早いよ!
大体4時に口裂け女が出てるのに、5時まで遊ぶ奴はいないよ!

子供騙しってこういう事ですね。
さて、駄弁を弄するのは程々に。もっとスリリングな磯貝さんのお話をお楽しみ下さい。


15エッセイ 紫とムラサキ イヤシヤ

初参加のイヤシヤさん。
これはコメント欄に書いた事ですが、多くの方が「紫」のテーマを前にして紫色のものはなにか探し始めた時に、いまある紫色では無いものを、紫色に変えてやろうと企んだのはイヤシヤさんだけでした。
小説には新奇性が大切で、皆が知ってることを語っても面白くありません。誰も見聞したことがないものを描くのが小説の真髄です。小説に描かれた新奇を追体験する事に読書の楽しみはあります。
イヤシヤさんのこのお話には誰もが見た事のない紫の世界が広がっています。
全ては紫色に。未来が混沌に沈んでいきます。


16小説 失恋ソングの使い方 海亀湾館長

海亀湾さんの小説です。
カラオケサークルに集まったメンバーに下った司令は80年代失恋ソングを歌うこと。
どんな歌が歌われるでしょうか。
小説の面白さもありながら、コメント欄には「私ならこれを歌う!」といくつかのコメントが寄せられました。参加型の小説と申しましょうか。こんな交流もまたサークル的で楽しいものです。
皆さんなら、このシチュエーションでどんな失恋ソングを歌われますか?
80年代って何もかもが光ってますよねえ。ジュリアナ東京や光GENJIが流行していた時代ですものね。バブル!
是非、皆様の失恋ソングをお寄せ下さい。


17朗読 パープル りりかる

17番、18番はりりかるさんのムラサキネタです。こちらは朗読。私の話ばかりが続いてしまうのも気が引けますので、本記事の解題は次の記事の解題にまとめます。


18エッセイ 紫の薔薇の人りりかる

今回のテーマが紫でございますので、ムラサキ氏ネタが出るのはご愛嬌。それを私が解題するのが面映ゆいですね。
私が昨年書いた小説に「パープル」という作品があります。
海中水族館に閉じ込められた男女が渇水で死にゆく話。海水の満ちた水槽の中にはアメフラシが数匹飼育されております。
話のあらすじはどうとして、何故かアメフラシの交尾方法について執拗に説明が続きます。アメフラシの交尾方法について語りたいという謎の執念が恐ろしい話です。このお話、結構長いのですがよく朗読して頂けたものだと。これは作者たる私も好きな作品なので、この度ムラサキ氏の作品「パープル」をテーマ「紫」のアンソロジーで取り上げて下さった事、感謝致します。
タイムレコードが30分ありますので、料理の最中や半身浴、車の運転中、或いはお休み前にごゆるりとお楽しみください。
自分の作品がラジオドラマになりますと、また違った味わいが生じます。

そして次は、りりかるさんによる「ムラサキ氏とは一体誰なのか」の考察文。ムラサキ氏について言及された記事を網羅しつつ、正体を探ります。
この度のアンソロジーの冒頭で私は和服美人で京都とかに住んでそうな人間ですと発言し、まさかここまでの発言からしても信じている方はいらっしゃらないと思いますが、もし私の事にご興味持って下さった方がいましたら、本記事をご参考下さい。ムラサキ氏の正体について極限の真相に迫っている、そう言っても過言ではないでしょう。


19小説 ダーリン・イズ・イン・モノクローム ムラサキ

で、私です。このお話凄く長くなってしまったんですよ。2万5000文字あります。こんなに長いお話を読ませるのは気が引けるなあと思っていたら、もっと長い人が後に控えておりましたので、なんだまだまだいけるなあ!と思いました。長くて読むの大変ですけれど読んで頂けると嬉しいです。


20小説 パプリカ クマキヒロシ

久々に眠れぬ夜の奇妙なアンソロジーに帰ってきたクマキヒロシさん。帰ってきたというより、コメント欄でこの作品を紹介されていたので、私が勝手を言って本アンソロジーに掲載してしまったんですけれど。
だってこのアンソロジー企画は自由が売りなんですもの。長かろうが短かろうが、ジャンルがなんであれ、発表せずにはいられない。この作品を読んでくれ!と言いたいけれど恥ずかしいから小声でしか言えない・・・!という方のための企画です。
この作品はSFです。以前の小説でも感じましたが、クマキさんはSF設定が上手です。ああ、実現しそうだなあ・・・実現したら面白そうだなあ・・・という絶妙なツボを突いてきます。今作では渋谷全体が大規模ARの中にあり、現実の渋谷と仮想現実の渋谷が重複して存在します。AR世界はGoogleグラスという周辺機器を用いることで可視化されます。
つまり、渋谷の街を探訪しながら、AR的仕掛けを楽しむことができる。素晴らしいアミューズメントです。このようなテーマパークやお店があったら間違いなく行ってみたい。
商業利用の可能性が無限にあります。
それを商業のみならず、裏社会や国家権力までもが利用しようと暗躍している。スリリングですね。

これで参加作品の紹介はすべて終わりとなりましたが、最後に、この度は千本松さんがとにかくこの企画の紹介記事を書いて下さったので、いくつか紹介しましょう。

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幾つかと言いながら、全部のリンクを載せてしまいました。現時点で全部で16本。凄いですね。ありがとうございます。
この企画において、このような連続したリンクの貼り方は以前「殺人事件」のアンソロジーで磯貝剛さんが「箱」全19話のすべてに「ネムキリスペクト」のハッシュタグを付けられたので、じゃあ全部掲載しようかな!・・・ってなった時以来ですね。あれも良い思い出です。

千本松さんの怒涛の紹介記事の他にも今回のアンソロジーは実に異例ずくめでございまして。
今までのアンソロジーに触れてきた方は今回のアンソロジーの「異質」と「熱気」を感じて頂けた方もいるかもしれませんね。約三年も続くと色んなことが起こるなあと、私も楽しませて頂きました。

「紫」は狂気と混沌の色。
関われば、誰もが狂う色。
ひとの意識が眠ろうとして、闇に落ちていくその最期に目にする色が「紫」。
テーマが「紫」に決まった時から、この混沌は始まっていたのかもしれません。「紫」は知らぬうちにあなたの精神に狂気を宿します。
皆様も「紫」にお気を付け下さい。
振り向くと・・・おりますよ、「紫」が。

当月もお疲れ様でございます。
(この度、素敵なタグをお寄せ下さった皆様、ありがとうございます。)

アンソロジーはこちらから。


読者アンケート

恒例の読者アンケートです。今回のアンソロジーの中でお好きな作品にご投票下さい。投票は一人につき三作品まで。三作品を選び、特選(三点)、秀逸(2点)、並選(1点)を決めます。
複数の作品を投稿されている方は投票欄がひとつにまとまっておりますので投票の際にはご注意ください。

投票の締め切りは3月9日18時です。


次回テーマ決定のアンケート

眠れぬ夜の奇妙なアンソロジーは、毎月次回のテーマをアンケートによって決めています。
下記のフォームでご興味あるテーマ三つにご投票下さい。一位が同数となった場合は私が恣意に決めます。
こちらの投票締め切りも3月9日18時です。

また今回も独特の候補が揃っておりますね!

#小説 #眠れぬ夜の奇妙なアンソロジー #ネムキリスペクト #紫