【ラジオRADIO】NEMURENU35th 解題と投票

(校正前の文章です。不手際あればこっそり教えて下さい。)

眠れぬ夜の奇妙なアンソロジー、「NEMURENU」です。
2021年4月号で第35集を迎えました。次回で三周年です。

眠れぬ夜の奇妙なアンソロジーは一つのテーマでnote記事をつなぎます。文芸、音楽、イラスト、写真。ジャンルはオールOK。新作・過去作問いません。自薦、他薦も問いません。お気軽にご参加ください。

35集のテーマは「ラジオ」。

古今東西の鬼才がラジオな作品を持ち寄りました。右を向いても左を見ても、何処を切ってもラジオラジオ。皆様の鼓膜を震わせる周波の洪水でございます。
今月もお楽しみ下さい。

目次

01 gif「 personal radio」 y.
02 非活劇的挙動「これはバラードではない」朝見水葉
03 コラム「FESTA2018出展 GUGEN2018 電池のいらないラジオ」Yamada3
04 ラジオ原稿「23:50 バスルームから愛をこめて」ひらさわ たゆ
05 動画配信「ネムキリスペクトに初参加ですにゃ」koneko
06 音声配信「二本立て」イヤシヤ
07 日本の放送百年百局 番外編4「日本ラジオバラエティ放送史」デーブ川崎
08 小説「そこに愛はあったのかい?」ひゅうが
09 音声配信「作家のラジオ ライ、ラ、ライナス~ゆるうり編~」常世田美穂
10 音声配信「20210330_175338_Normal」千本松由季
11 連載小説「なりきりDJ★GSスター」たゆ・たうひと
12 詩「ラジオの脳裡」千葉貴史
13 小説「蒸気ラジオのささやかな航跡」としべえ2.0β
14 小説「冥界ラジオ」くにん
15 小説「雛具師のラジオ」拙
16 動画配信「えっ あ、ほらオーディオブックってラジオドラマじゃん」磯貝剛
17 小説「ろくろ首の胴の方」海亀湾館長
18 小説「ラジオマン」クマキヒロシ
19 音楽「発表禁止」テツオ
20 小説「クスクス笑ってる花とウインクしてるペニス」千本松由季

アンソロジーはこちらから



解題

01 gif「 personal radio」 y.

GIFの巨匠y.さんです。y.さんの参加は時の運にかかっておりますので、y.さんが参加した会は本企画のアタリ回だと思っております。悪魔が誘惑を囁いて、それを制する天使様。
一体どっちの言うことを聞いたら良いのよ、とダブルバインドの状況ですが、当事者の本人様は馬耳東風。どちらの言うことも意に介しません。天使と悪魔の中庸を進むマイウェイですね。こんな精神性を私も身につけたいものです。



02 非活劇的挙動「これはバラードではない」朝見水葉

練られております。推敲も行き届いて。丁寧なお仕事をされております。
本シナリオのハッシュタグに「アセクシャル」とあります。「アセクシャル」とは他者に対する性的欲求が低いことを呼ぶようです。また「デミロマ」はデミロマンティック。こちらは性的欲求はあるけれど、他者に恋愛感情を抱けないこと。
性というものが曖昧になって多様化しておりますが、アセクシャルやデミロマンティックのような無性であることもまた性の形の一つ…。というテーマなんですね。深いです。マイノリティをテーマにした作品は書きにくいものですが難しいテーマに深く切り込んでおります。テーマの深さと云い、表現力と云い大変読み応えのある作品でした。



03 レポ「FESTA2018出展 GUGEN2018 電池のいらないラジオ」Yamada3

yamada3さんは電子女子。手作りで鉱石ラジオを作りました。(可愛い助手付)
我々の周囲を飛び回る電波をアンテナで捕まえてコンデンサを通すことで電波を音の波形に変えて、そうすると電池などの動力源が無くてもラジオ音源は聞こえるもののようです。今回、ラジオがテーマと言うことで理系の話題が多く出てまいりますか、なんというか全く頭がついていけません。
コンデンサって…何?私にはオカルトの世界にしか見えません…。



04 ラジオ原稿「23:50 バスルームから愛をこめて」ひらさわ たゆ

たゆさんの作品はラジオの原稿をイメージした小説です。本当に喋っているみたいですね。かつての少年少女はラジオ番組に憧れて、自分でラジオ番組を作りテープに吹き込んだものですが、そして架空のリスナーからのお便りを読み上げたりしたものですが。この小説、というよりも台本にはそのような郷愁があります。
「10分間の半身浴にお付き合い下さい」という擬似バスロマン。ラジオってそういう趣向を凝らしますよね。名番組と名高いジェットストリームも確か演出は空の旅でしたものね。ラジオの再現度が高いです。


05 動画配信「ネムキリスペクトに初参加ですにゃ」koneko

と、思っていたら、konekoさんが、前出のたゆさんの原稿を読み上げて、音楽を合わせてYouTubeで公開されました。
たゆさんの小説を読んでラジオ番組の再現度が高いと思っていて、konekoさんの動画を聞いたら編集技術が高くて本当にラジオです。
かつての少年少女が吹き込んだテープが今はこうしてnoteの音声配信やYouTubeで公開できる。昔から考えると夢みたいな時代ですね。誰でもラジオが配信できる。
その気になれば企画を立ててユーザーからハガキ職人を募る事も出来ます。
うーん、誰もが芸能人時代です。コメント欄でも書きましたが喋っているのはkonekoさんですが、原稿がたゆさんなので、たゆねこさん的な混乱が楽しいです。


06 音声配信「二本立て」イヤシヤ

イヤシヤさん、二回目のご参加です。一部から天才と評されるイヤシヤさん。前回「ムラサキ」でも独自の視点で世界を紫色に染め上げて天才性の片鱗を発揮しておりました。今回もまた新たな天才性が発揮されております。
三種類の缶チューハイを試飲して感想を述べます。それだけ。本当にそれだけ。試しに聞いて見て下さい。この力の抜け感。そして、感想もちゃんと言えて…ない?
天才です。
秀才と天才の違いについて時々説明が試みられますが、秀才は力を注入する力で、天才は抜く力なのかもしれないな、と。
こうした卓越した企画力は今や人気YouTuberとなった「進撃の弁当屋」さんを思い出します。素晴らしい作品をありがとうございます。


07 日本の放送百年百局 番外編4「日本ラジオバラエティ放送史」デーブ川崎


ラジオのキーワードでnote内を探して本記事に辿り着きました。デーブ川崎さんは放送史研究家、演芸番組のディレクターも務めていらっしゃるようです。
現在もnoteで良質の記事を発表し続けております。
この記事も非常に濃厚な記事です。ラジオ黎明期のお話が詳らかに語られます。ラジオを作った人々の息遣いまでもが聞こえてくるかのような臨場感があります。
こうした記事が人知れず公開されているのもnoteの魅力ですよね。

08 小説「そこに愛はあったのかい?」ひゅうが

ひゅうがさんの小説。前回の小説もそうでしたが、小説と思って読んでいると実話に基づいていたりします。
実体験を題材にしているだけに物語展開が自然主義的で、深みがあります。
朴訥の祖父の生き方は一見して不遇に見える。彼は犠牲者であったのか、と小説を通じて問われます。小説ならばそれぞれの解釈も出来ましょうが、実体験とあっては中々深くに踏み込めない。ただ、聞かされたままを、そうなんですねえ、と頷くのみです。人間の一生は深くて重い。その重量が込められた物語でした。


09 音声配信「作家のラジオ ライ、ラ、ライナス~ゆるうり編~」常世田美穂

前回、「アイオライト」の美しい話をご投稿下さった常世田さん。当該作品を中編小説に改稿して公募に出すと言っておられました。良い結果が出ると良いですね。
私はとんと公募に出すなんて事はご縁が無くなってしまいましたが、公募に出した直後の無敵感ってなんでしょうね?私だけでしょうか?皆さんは公募に出した後に「絶対自分が受賞する」という謎の自信に満ちあふれませんか?
それはそれとして、常世田さんは今回音声配信でのご参加です。人間の声って良いものです。聞いていると癒されます。
この人はどんな人なんだろう、と文面から推察しても声を聞くと覆る。声音から得られる情報も大きいんですね。常世田さんの御声も初めて拝聴致しましたが、とても優しそうな御声でした。


10 音声配信「20210330_175338_Normal」千本松由季

常世田さんがラジオをしているかと思えばこちらでは千本松さんも音声配信をしております。今回のアンソロジーが「ラジオ」ということで当月は音声配信が多いです。いつもは小説偏重ですが、今回は小説とそれ以外の比率が半々。文芸企画にしては中々異種な回となりました。


11 連載小説「なりきりDJ★GSスター」たゆ・たうひと

冒頭で素敵なラジオパーソナリティをお務めしたたゆさんですが、こちらはたゆさんが長期に連載した140字小説。140字のうち曲紹介の部分もあるので毎回オチを付けるのが難しいと思いますが、毎回オチを付け続けとうとう完結致しました。たゆさんは連載ものが得意ですね。現在は新たな140字小説「ハナブサ」の連載が始まっております。


12 詩 「ラジオの脳裡」千葉貴史

千葉さんの詩です。この企画には初参加となります。ありがとうございます。言葉の緊張が連なって予断を許しません。硬派な詩です。

コンテンポラリーアートは難解、とか、現代詩は難解などの言葉はよく聞きますが、難解ですよね。現代詩は特に難解で、慣れない人には付き合い辛い文芸であるかもしれません。
現代アートの傾向のひとつに「分解」の視点があって、我々が日頃目に馴染むものの姿に新たな視座を加えること、その「視点そのもの」がアート足りうる。これが面白さと難解さを産んでいるように思います。現代アートたる「現代詩」もまた、詩そのもの、言葉そのものを解体し、束縛から解き放つ挑戦を致しますので、時に難解さを感じます。言葉の束縛とは「言葉の音」に「イメージ」や「意味」が連なる事です。その連なり、固定観念を和らげ、言葉に新たな意味を持たせること。それが現代詩の世界です。森に行って木々の一本一本を観察する事がないように、言葉の海を俯瞰して並んだ言葉を楽しむような、そんな付き合い方をするのが宜しいと思います。日本語は横書きならば左上から読みますが、現代詩はともすればそのルールすらも無くしておりますので読み手も逆さまに読もうと縦読みしようとそれは読み手の自由と芸術。スマートフォンをたがめてすがめて自由な鑑賞を。

千葉さんは今回のアンソロジーでは、磯貝さんの作品「箱」朗読動画の中で音楽を担当しています。


13 小説「蒸気ラジオのささやかな航跡」としべえ2.0β

としべえさんも今回、企画に初参加です。ありがとうございます。
化学分野の用語集かと思うらく、専門用語のパレードです。洒落っ気が愉快な作品です。
しかし、私は解題をする関係で、この化学用語を理解せねばなりません。
だがしかし。私は文系脳でございますので、難しい用語を聞くと脳髄痛を起こします。あと、日頃の寝不足も手伝って数秒で脳回路が切断されて、寝ます。
結局、ラジオアイソトープとは何だったのか。放射性物質は分かりましたが、同位体とな…?

もう何がなにやら分かりませんので
ラジオアイソトープについて解説されたページをそのまま貼り付けておきます。

すべての物質は原子が集まってできています。原子の中心には正の電気を持った原子核があり、その周りで負の電気を持ったいくつかの電子がそれぞれ決まった軌道の上をまわっています。原子核は、正の電気を持ったいくつかの陽子と、電気的に中性であるいくつかの中性子からできていて、原子核の種類は陽子の個数と中性子の個数の組み合わせによって決まります。

アイソトープ(同位元素、同位体)とは、陽子の個数が同じで、中性子の個数が異なる原子同士のことを指します。これらの原子核は、質量は異なりますが同じ化学的性質を持ち、同じ元素に属しています。アイソトープの中でも、圧力、温度、化学的処理など外部から加えられる条件に関係なく、ひとりでに放射線を出して他の種類の原子核に変わるものを、ラジオアイソトープ(RI)と呼んでいます。放射能とは、原子核がアルファ線、ベータ線、ガンマ線などの放射線を出して、他の種類の原子核に変わる性質のことで、この現象を壊変あるいは崩壊といいます。

壊変が起こるため、RIの原子数は、時間の経過につれて減少し、原子数がはじめの半分になるまでの時間を半減期と呼びます。半減期はRI固有のもので、数十億年以上といった長いものから、百万分の1秒以下の短いものまでいろいろありますが、温度、圧力といった外界の影響は受けません。

自然界に存在するRIは、ウラン、トリウム、ラジウム、カリウムなど約70種あり、一方、原子炉やサイクロトロンを利用して人工的に作り出されたRIは2000種以上もあります。私たちの身近で使用されているRIの例としては、夜光塗料、蛍光灯のグロー放電管、煙感知器などがあげられます。

という事でした。

14 小説「冥界ラジオ」くにん

9色、9体の姿があるというくにんさんですが、今回はブラックくにんさんです。いやブラックでは無いのかな。妖怪好きのくにんさんは何色でしょうか。
妖怪の鬼ごっこ、妖怪AI温泉など、くにんさんの妖怪シリーズです。今回は地獄がテーマ。人類にとって地獄とはなにか。
ええ?そうなの?地獄って?そんな?
とくにん氏が描く新たな死後の世界。

コメント欄でのやり取りで地獄の獄卒に就職出来たら人生は勝ち組ですよね?と発言致しましたが、地獄の獄卒って国家公務員扱いという事で宜しいですか?え?ブラックなの?

15 小説「雛具師のラジオ」拙

これはわたし。実話怪談風の小説です。
実話怪談の先駆は怪談師稲川淳二「本当にあった怖い話」シリーズに端を発します。その後に勁文社の「超怖い話」シリーズがヒット(現在の刊行は竹書房)。1991年から始まった本シリーズは現在までに35巻まで刊行されるという異例のヒットを飛ばしております。ほぼ同じくして異例のヒットをしていたのが木原浩勝、中山市朗の新耳袋。
稲川淳二、超怖い話、新耳袋が実話怪談御三家としてマニアに根強い人気を誇っています。


16 動画配信「えっ あ、ほらオーディオブックってラジオドラマじゃん」磯貝剛

この企画でも度々取り上げられる磯貝剛さんの箱。
りりかるさんの朗読が完結し、りりかるさんの朗読をkonekoさんが動画編集をした動画も完結しました。(音楽は上述の千葉さん担当です。)
そして今度はkonekoさんが朗読を始める新シリーズが始まるそうです。
note民から愛される「箱」。多くの方を巻き込みながら、まだまだインフルエンスが止まりません。今後の派生としては…、挿絵イラスト的なオマージュ、イメージソングの提供、ラジオドラマシナリオにRewrite…とか。
可能性はまだまだ広がります。


17 小説「ろくろ首の胴の方」海亀湾館長

海亀湾館長さんの新作です。
飛頭蛮、とは首が胴体から抜けて飛び回るタイプの「ろくろ首」妖怪ですが、首が抜けた後の胴体はどうなっているんでしょう?
と、そんな発想から始まった奇想天外の物語。私であるけれど私でない部分の不随意が混乱を起こします。


18 小説「ラジオマン」クマキヒロシ

ラジオマン。突然ラジオになってしまった人間のスペクタクルなドラマと怪人の悲哀が描かれる筈が、描かれていくのはラジオマンの淡々とした日常。ラジオが聞けることで周波数を合わせて給湯室談義や無人の会議室の情事、社長室で行われる粉飾決済会議が聞けるという事もなく、通勤電車の向かい合うあの娘の心の内が聞ける訳でもない。ラジオ。そう、能力はラジオのみ。怪人と化せば、社会集団から放逐されますが主人公はその能力の卑小さから上司と齟齬が生じながらもそれなりに日常生活を送っています。
そうしたポケットサイズ、がクマキさんの魅力です。
クマキさんがコメント欄で「私はここのネムキ派の皆さんにも友情と敬愛を…」と書かれています。こういう発言がクマキさんだなあ、と思いますし。ネムキ派だなあとも思います。
※ネムキ派…note内でネムキ(朝日ソノラマ社)を信奉して耽美的怪奇小説を書いていたユーザー群を呼称したもの。組織として結党された訳では無いので誰がネムキ派なのか不透明で、自分がネムキ派を名乗って良いのか誰も自信が持てず、その結果ネムキ派であると目される人々がネムキ派を語る時にも遠慮がちに「ネムキ派の皆さん」「ネムキ派の方」と何処か他人事のように語る癖がついている。
ネムキ派の命名者は民話ブログ氏。
最近はoui-nさんが「ネムキ一族」という更に境界を広めた呼称を用いるようになったため、外部からネムキ派と目される人々は拡大傾向にある事が判明。自分がネムキ派では無いと思っている人が既成事実的にネムキ派になっているかもしれない。ネムキ派の初期メンバー(と目される人々)は「対人的にアレ」な人格的共通項を持っていたため、ネムキ派の別名義には「泥人形会議」「地底人倶楽部」などがある。


19 音楽「発表禁止」テツオ

前回「壁にガムテープ」のアンソロジーで曲をお借りしたテツオさん。テツオさんはTMGE的なロックンロールバンドを組んでおり、作詞作曲を担当しています。バンドで活動する時の名義は皆川テツオさんで、ソロでアコースティックに活動する時の名義が「あこぎてつお」さん。前回、今回のアンソロジーでお借りした曲はどちらもアコースティックですが、皆川さんのバンドサウンドも格好良いので聞いてみて下さい。この曲は先日発表された「発表禁止」という新曲。
本来、クリエイターとエンドユーザーの関係は消費行動によってのみ契られた虚無的、退廃的な関係でしたが、昨今のメディアのパーソナル化によって両者は急速に人間関係を構築しつつあります。
従前のクリエイターがマス的に慮っていた公共性までが、いまはパーソナル化している。
慮ることが増えると、「発表禁止」という顧慮が発生する。この曲にはそうした顧慮の悲哀があります。
この記事の中でテツオさんがカラオケに行くと有名な曲が歌えないので周囲がひく、と発言されておりますが、ああ分かる分かる…と。周囲に慮って躊躇して、自分がマイノリティである事を知ります。


20 小説「クスクス笑ってる花とウインクしてるペニス」千本松由季

千本松さんの小説。
原稿用紙換算で200枚弱。
主人公は美大出身の画廊店員です。魅力ある人物で彼の周囲には彼の意見を聞きたくて様々の人間が集まっています。物語前半は彼が、不思議な音楽家と出会ってインスピレーションを与え合い、作品を共同制作して恋人になる話。
中盤はこの恋人たちが蜜月の中で作品を作る話。
この中盤が良いですね。幸福感に包まれたまま、いつまでも蜜月が終わらない。文章が終わらない。作品の起承転結で言えば「承」の部分。これが永遠と思われる時間、続く。この物語もいずれ転換を迎えて帰結しますが、物語が終わるという事は悲しくもあります。
起承転結の物語構成のバランスが崩れておりますが、その終わらぬ物語の心地良さがありました。

末尾

ラジオのアンソロジー如何でしたでしょうか。ラジオとはメディア。つまり発信です。人間性の拗れた鬱屈を腹底に抱えて時に其れを吐き出そうと創作に走る。発信する。そのような力作鬼作名作がこの度も集まりました。発信した電波を受信する人がいる。こんなにも悦ばしい事はありません。そうした純粋な愉しみというものは創作に純粋であることに努めなければ得られません。誰が受け取るか分からぬ電波を世界に向けて発信し続ける日々ですが、偶然周波数の合致した誰かが其れを受信する奇跡、そんなものが世にはあるかもしれず、本アンソロジーもそのような電波発信と受信の中継局でありたいと思っております。
本アンソロジーにご参加の皆様、読んで下さる皆様、当月も無事にアンソロジーが綴じられた事に感謝致します。

当月は春の陽気の所為なのか脳疲労著しく主に私の創作活動は座礁繰り返すひとつきとなりましたが応援下さる皆様のお陰で当月も私は生きております。

世界の何処か、荒天の下に暮らす方には庇を。旱の下に暮らす方にも同じく庇を。
皆様には深い感謝と、愛を。

今月もありがとうございました。




投票

前月に「投票ルールを変えるよ!」と宣言した投票ルールを漸次的にまとめました。基本的には記名式の投票です。当初コメント欄で投票と書きましたが500文字限界が煩わしいので、フォームを作成致しました。文章に上限はありません。これをまとめて記事にして、更に投票そのものに投票するという間接投票方式を用います。

「投票のルール」
1、グーグルアカウントでログインが必要です。
2、noteのクリエイター名、メールアドレスを記入してください。
3、優秀と思われる作品を三題選び、良かった点も教えてください。

※クリエイター名、メールアドレスは公開されません。公開されませんが文章を読むと大体誰の文章なのか分かりますので実質クリエイター名は公開しているも同じですね。

※クリエイター名は公開されませんが表示させる名前を任意で付ける事ができます。クリエイター名でも良いですし、もっと洒落っ気のある奇抜な名前を用いても構いません。

※投票コメントは300文字以上でお願いします。短いと詰まりません。投票もまた作品です。

※批判と受け取られる記述は主催者判断で削除します。
※投票後も内容は自由に変更できます。
※投票フォームから他の方の回答を閲覧することはできません。

投票期間は4/7水曜日 18:00までです。



投票後の流れ

4/7予定 投票コメントをまとめた記事が作成されます。
4/7--4/9 「投票コメント」に支持票を入れます。
4/10予定 投票コメント、支持票を勘案して優秀賞が選定されます。また、支持を多く集めた投票コメントに選者賞が贈られます。

次回テーマのアンケート

眠れぬ夜の奇妙なアンソロジーは公募で次回のテーマを決めております。以下のテーマからご興味のあるテーマを三つお選びください。
アンケートの締め切りは4/10 18:00です。

#ネムキリスペクト #眠れぬ夜の奇妙なアンソロジー #ラジオ #小説


だそく。

今回の投票については
ラジオになぞらえて云えば、発信された電波を受信する側の層も厚くしていきたい、という気持ちがあります。
本企画の真骨頂は応募作品に寄せられる偏執的に長いコメントにあると思います。
そのような本企画を支える「コメント師」(←言い方が軽い!)の方、是非手腕を奮って頂きたいと思っておりますので、よろしくお願い致します。