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NEMURENU39th【明日地球が粉々になっちゃうんだって】解題

眠れぬ夜の奇妙なアンソロジー第39集「明日、地球が粉々になっちゃうんだって」

多くの方にご参加頂きましてありがとうございます。十人十色の世紀末。壊れる地球。大殺界。僕の私の世紀末。皆様如何、お過ごしでしょうか。「明日、地球が粉々になっちゃうんだって」残すところ、あと一日の人生です。さて、皆様どうお過ごしになりますか?

小羊が第六の封印を解いた時、わたしが見ていると、大地震が起って、太陽は毛織の荒布のように黒くなり、月は全面、血のようになり、 天の星は、いちじくのまだ青い実が大風に揺られて振り落されるように、地に落ちた。

本日も元気に世紀末が始まりますよ!


目次

00gif 「悲観主義者と楽観主義者の友情」y.
01重篤読者・大槻ケンヂが語る「ムー」の読み方/「エレクトリック ジェリーフィッシュ」リリース記念インタビュー 
02小説「母星」海亀湾館長
03小説「きっと太陽でいたかった」常世田美穂
04小説「プラテネス、アイキャンディ」朝見水葉
05漫画「地球最後の日にクッキーを焼く」絵な子
06小説「マナ」クマキヒロシ
07詩「ヨルとヒカリとキミとボクと」くにん
08小説「LAST OF EARTH」蔵居おりょう
09イラスト「明日、地球が粉々になるんだって- 破壊と再生-」koneko
10小説「My Sweetie π」りりかる
11小説「世界の終わり」闇夜のカラス
12イラスト「今日のスカルプチャー」磯貝剛
13詩「私の田んぼは中也が耕す」千葉貴史
14小説「桃源郷の桃とタロウ」千本松由季
15小説「繰り返し、何度も砕かれる」民話ブログ
16小説「終焉」村崎懐炉
17小説「.(period)」ウネリテンパ
18漫画「落星紅茶」電気こうたろう
19音楽「ヨルとヒカリとキミとボク」ノート


解題

00gif 「悲観主義者と楽観主義者の友情」y.

y.さんのgif。数秒間の永遠、無限ループ。
この度も見事な作品です。
女子高生の休憩時間。
「もうダメだ、地球は粉々になっちゃうのよ!」
「もうダメだーーーー」
とそんな悲観的な声が聞こえて来そう。
でも大丈夫。
壊れた地球も楽観論に掛かればほら元通り(!)

破壊と再生を繰り返す壮大なGIFです。


01重篤読者・大槻ケンヂが語る「ムー」の読み方/「エレクトリック ジェリーフィッシュ」リリース記念インタビュー

あらゆる終末はムーと共に。noteには月刊ムーが連載されておりますが、有料記事が多く、我々には大いなる叡智は授けられません…が、なんと!
大槻ケンヂのインタビューは無料で読めます。
大槻ケンヂの言葉にノストラダムスやヨハネの黙示録に思いを馳せてみませんか?
ムーのテーマ曲に大槻ケンヂのユニット「特撮」の曲が採用されたようで、本年5月にリリースされた新曲「ミステリーナイト」が視聴出来ます。
稀代のオカルトマニア大槻ケンヂが語る「ムーとの付き合い方」、なんというか微笑ましいです。

  
02小説「母星」海亀湾館長

この度のアンソロジーの傾向は「地球壊れる系」と「壊れない系」に二分されます。どちらも楽しいですが、折角ですから最初の作品は「地球壊れる系」で。海亀湾さんの本作は地球から逃れた人類が「プロキシマb」という惑星に移住している世界です。移住に当たっては数億人が搭乗する巨大宇宙船が動いたとの事なのでスケールが大きいです。プロキシマbに暮らす人々の日常的ですが、スリリングな群像劇。「魂は地球にあるから地球が無くなったらみんな消える」、四光年の距離差のある「地球最後の日」。人類はどうなってしまうでしょうか。


03小説「きっと太陽でいたかった」常世田美穂

常世田さんの小説です。地球最後の日が近付くにつれて、誰もが少しずつ正直になっていく。今まで見えなかったものが見えるようになるかもしれません。それと共に人間関係にも変化があって終末にならなければ見ることの出来ない人間関係も生まれるかも、と日常でありながら少しだけ非日常の世界が描かれます。
人間観察の機微にドキリとします。


04小説「プラテネス、アイキャンディ」朝見水葉

独自の視点で日常を切り取り、独特の表現力を用いて描写する。それがさりげなくてケレン味がない。

今日もまた、やってしまった。

レンズの向こう側に、従順で、そこそこ有能そうに見える「女子大生」を送り出してしまった。

と冒頭部ですが、就活中の女子大生が証明写真機でお澄まし顔の写真撮影をした描写です。

「私は機械の中で証明写真を撮影した」という言葉が朝見語に翻訳すれば上述の通り。小説というものの面白さは表現力に思います。そして表現力は視点の独自性であると思います。
「今日は晴れている」事に対して「喜ぶ人間」と「悲しむ人間」に別れる。その感性はその方独自のもので、その独自感性に触れたいから、人は本を読むのかも。感性を研ぎ澄ませ続ける朝見さん、面白いですねえ。



05漫画「地球最後の日にクッキーを焼く」絵な子

絵な子さんの漫画です。
「今日が地球最後の日という事にしよう」と男の子とうさぎ氏が話し合い、そして二人はクッキーを焼く事になりました。
この唐突、とても面白い。ファンタジー的発想ですが、説得力があります。だって地球最後の日にクッキーを焼く人は沢山いそうです。この二人のやり取りがとても可愛らしい。可愛いものは胸に沁みます。最後のシーンもとても好きです。


06小説「マナ」クマキヒロシ

クマキヒロシさんです。クマキさんもある意味独特の立ち位置を築いています。何が飛び出すか分からない。「今月のクマキ」にどのような作品が所収されているのか楽しみにしています。
今月はサニーデイ・サービスの曲を聴きながら話を書いたとコメント欄にあります。「爽やか」です。「青春」です。気の合う仲間とともに音楽に打ち込む青春。こんな青春を過ごしてみたかったです。
ところで、タイトルにもなっている「マナ」は世界を満たすエネルギーの事です。ミクロネシアの原始宗教に見られる概念です。

マレットによれば、マナは「あらゆるものに存在し、能力や強さ、成功を授ける」というアニマティズム的な効果の凝縮された儀礼である。(Wikipedia「アニマティズム」の項)

また、旧約聖書の出エジプト記に於いてヘブライ人が飢えた時に神が与えた食物の名前でもあります。

露が乾いたあとに残る薄い鱗もしくは霜のような外見であり、コエンドロの実のように白く、蜜を入れたせんべいのように甘いとされる。早朝に各自一定量ずつ採って食べねばならず、気温が上がると溶けてしまう。また余分に採取することも許されず、食べずに置くとすぐに腐敗して悪臭を放つ。ただし安息日には降ってこないのでその前日には二倍集めることが許されている。カナンの地に着くまでの四十年間、イスラエルの民の食料だった。(Wikipedia「マナ(食物)」の項)

世界を満たす神聖な力。マナが失われると世界が破滅する、というのはファンタジー世界の定番です。本話にはもしかしたら「失われたマナを取り戻すための冒険」、そして出会いと受難と成功の物語が続くのかもしれないですね。


07詩「ヨルとヒカリとキミとボクと」くにん

今回のくにんさんは「詩」です。
ただの詩ではございません。フォーキーでブルージーなシンガーソングライターのノートさんとのコラボです。
くにんさんがノートさんに提供した「地球粉々」の詩がどのような音曲に生まれ変わるのか。楽しみですね。本アンソロジーの最後にノートさんの曲を掲載しています。歌詞が少し変わっていますね。
お二人は同じタイトルですが、くにんさんはくにんさん、ノートさんはノートさん。それぞれの世界観が現れています。良い企画でございました。


08小説「LAST OF EARTH」蔵居おりょう

今回初参加になる蔵居おりょうさん。
フラジャイルな淡い日常を描かれました。
日常とは美しいものです。もうこの日常が続かない、それが分かって初めてその美しさに気が付きます。
ある日耳にした「終末予言」。それはケーキ屋で、有閑マダム達の世間話から始まりました。
季節は夏で、移動手段は自転車。
ケーキの生クリームが溶けてしまう前に家に向かわなければなりません。
刻一刻と生クリームの温度が上昇します。
また刻一刻と、世界の終わりが近付きます。
その刻刻の日常、やはり美しいものです。


09イラスト「明日、地球が粉々になるんだって- 破壊と再生-」koneko

konekoさんです。
地上人の女の子が掲げるランタン。そこに灯る火は少女の想い。地球はまさに滅亡を迎えようとしています。それから、どれくらいの果てない時間が過ぎるのか再生の物語。海には水棲人が暮らしていて、いつか名も無き少女が送った灯火を受け取ろうとしています。幻想的な光景です。海の世界には高層ビルが立ち並び特殊意匠が施されている。遊び心が楽しいですね。
少女の周囲には半透明の生き物達が泳いでいる。ジェリーフィッシュ、つまりクラゲも。
ムーの大槻ケンヂインタビューは「特撮」のニューアルバム「エレクトリック・ジェリーフィッシュ」の発売を記念して企画されていますが、終末とクラゲはよく似合います。


10小説「My Sweetie π」りりかる

りりかるさんの小説。破壊の神様であるカーリーは創造を学ぶため惑星作りを始めましたが、トキメキ不足によって失敗ばかり。惑星作りの修行のため、ブラフマーの作った「恋する惑星」、1999年の東京にやってきます。
ギャルに変じた彼女の探しているものは「ときめき」。果たして彼女はトキメキを見つける事が出来るでしょうか。
1990年代はバブルが崩壊して、「幻想」や「夢」が破れた時代。それまでの「夢 」を追う芸術から「現実」回帰の芸術に変わった時代とも言われます。小説の役割のひとつは時代を切り取る事にあると思いますが、その一時代の懐古が面白い作品でした。


11小説「世界の終わり」闇夜のカラス

今回、初参加の闇夜のカラスさん。
喋る猫神「シロさん」が、唐突に予言した「明日の終末」に、狼狽える女子高生「悠由」。地球滅亡を知った「悠由」は昼休みにある決心をします。
本話の面白かった点が個人的に、幾つかあって、そのひとつに「物語が終わらない事」がありました。
終わらせられるポイントは幾つかありました。
まず「悠由」が決心をした時、それが成就した時、「シロさん」を探した時、夜の山の時。書き手によっては何処かのポイントでperiodを打つ。
しかし闇夜のカラスさんの場合、終わらない。これが良い。
これは逆に考えると、小説に山場が作れているという事だと思います。小説はお化け屋敷のようなもので、読者は順路に従って作者の作った仕掛けを楽しみます。風が吹くとか、蒟蒻が降ってくるとか、お化けが追いかけてくるとか。仕掛けのないお化け屋敷など蝋人形館と同じです。小説ではそれを山場と申しますが、山の向こうにある景色が如何なるものぞ、と読者は続きが気になり、それが頁を捲る牽引力となります。
先程挙げた「ポイント」は、その山場。起承転結の中に幾つもそれがある。小説の牽引力が強いという事なのだと思います。そして小説は無事に完了する。書き筋に安心感がありました。


12イラスト「今日のスカルプチャー」磯貝剛

怪奇造形師、磯貝剛さんです。この度は3DCGを使って地球が粉々になるCGを作成しました。
現在3DCGの練習中との事ですが、新たな技術を身につけようとする意欲って凄いですよね。私は新しいものが苦手な化石のような人間なので見習いたいものです。先日公開された新たな造形はより精度を増していたので、今後の期待感が強まります。
磯貝さんは人体改造系のオブジェを描かれますが、確かにそれらの造形は、細部が気になる。それらを立体的に鑑賞できると面白いですね。この度の地球粉々映像は、地球(旧概念)を粉々にして新たな惑星(技術)に向かう気概であるようにも見えます。今後が楽しみです。
そうそう、磯貝さんと言えば「カロリーファイター」。筋肉量を維持するために、時々「高カロリー食品」を摂取しなければいけません。「地球最後の日に食べたいもの」は。と出てきたチョイスが流石のチョイスです。1リットル生クリームクレープ(イチゴ少ない)、豪華絢爛のカロリーです。


13詩「私の田んぼは中也が耕す」千葉貴史

現代詩の千葉さん。今回のタイトルは「私の田んぼは中也が耕す」。千葉さんは硬質の言葉を並べるイメージがあったので「田んぼ」の牧歌的な言葉を使われる所が意外性がありました。また「中也」も柔らかな言葉使いを用いますので、「田んぼ」の言葉に親和性があります。心象の変化があったのでしょうか。長く創作を続けると書き方が変化をしていきます。そうした作者の変化を見ることも楽しみです。人間ですから変化は当然で、人生ですから良い変化ばかりではありません。創作を続ける事で作者の人生の準えとなる。
変化を眺める事は田園の四季を眺めるようなものに思います。鑑賞は楽しいですね。


14小説「桃源郷の桃とタロウ」千本松由季

千本松さんの作品。SFは初めてとの事です。
今回の作品はこれまでの千本松さんの作品とは大きく風潮が変わっております。千本松さんと言えば「スタイリッシュな登場人物が人生や人間関係に悩み苦しむ」作風がある意味定型パターンとなっておりました。主観的な語り口調で悩みを告白する作品が圧倒的に多い。その定型を破ろうとしたのが本作で、見事に自分の外殻を棄てた。従来作品の半分以上を占めるモノローグが消えました。定型は自分が熟成させたものですから、それを棄てることは容易でない。上述の千葉さんの作品でも触れましたが、作品には作者の変化がある。その変化が面白い。
変化と云えば、本作では千本松さんの文体が変わりました。小説家に有るまじき「雑さ」が随所に渡って見受けられる。最近の千本松さんは発狂文体という頭の螺子が何本か抜けた文体に挑戦しておられたので、この度の雑文体はその改良形に思われます。肩の力が抜けきって正体を保たない。ジェリーフィッシュのような境地です。
日本の芸事には「守破離」の概念があります。
千利休の訓えをまとめた「利休道歌」に「規矩作法守りつくして破るとも はなるるとても本を忘るな」の歌があります。規矩(きく)は円規と定規の事。師より授かった型を熟得する事、その後には独自に研究して型を破る事、更には型から離れて自在を得る事。それが弟子が師から離れて新たな流派の師となる道、と説かれます。これを総じて「守破離」。
基本型の熟得が前提で、それを破る事が「破」であり、基本が修まらずに型を無くす事とは区別されます。「型があるから型破り、型が無ければ形無し」とは子ども電話相談室の回答者として人気を博した無着成恭氏の言葉。

千本松さんの変化への希求は実に面白い。
変化の時代に於いて、自らが生み出した破調の型でも其所に甘んじれば、それは守であり、破ではない。
私自身も常に革新を目指したいと思います。
ところで、型を熟得してその型から出られぬ人、という方も世の中には多くいらっしゃる。そのような方は型破り、形無しに並べて、カタブツ、と云った所でしょうか。創作は自由ですからカタブツになってはいけません。不勉強の私があまり放言致しますと叱られますので、このお話はこれにてオシマイ。


15小説「繰り返し、何度も砕かれる」民話ブログ

民話ブログさんの小説。最近エヴァンゲリオンが人気、ですか?エヴァンゲリオンの劇場版のタイトルには「序破急」の文字が冠されていたような?うろ覚えでございますが。

先程のお話「守破離」と別に日本の芸事にはもう一つの「破」がある。
「序破急」。これは序盤、中盤、終盤の構成を説いたもの。音楽であれば緩やかに始まり、変調して、律動が増して軽快に終わる。物語であれば緩徐に始まり、曲折を迎えて、浩然と終わる。
と、芸事には二つの「破」がある。

民話ブログさんはこの「序破急」が上手です。
さり気ない日常から緩やかに始まり、違和感が膨大して異世界に突入。律動は速度を増して枯淡に終わる。血液がどろどろ体内を巡って、時折肺胞で活気を取り戻すような小説をお書きになる。

異世界やタイムスリップですから民話さんの破調は大きい。得意芸です。

小学校の教室で語られる世紀末。時代は過ぎ、かつての子供たちは大学生。そして落語研究会に所属。彼らの芸名は「Mein kampf」。あらすじをまとめようとすると、危険物的な変調をしておりますがまだこれは序盤。ヒトラーに扮した彼が「我が闘争!」と叫びます。危険!
以前の解題か、何かで私は同人であるからには商業誌では出来ない挑戦を、という話をしましたが、民話さんの本作は間違いなく商業誌に出来ない。秘密結社に狙われます。物語は更に破調を続けていきますが、それが単なる怪文では無く、理路整然と説得力を持って描かれる事に驚きます。破調に次ぐ破調の乱れ打ち。実際にご覧になるのが宜しいように思います。


16小説「終焉」村崎懐炉

私。


17小説「.(period)」ウネリテンパ

言葉の魔術師ウネリテンパさん、久々の登場ですが言葉の扱い方が神業です。自在の境地、このように自由に言葉が扱えたら、どれほど気持ちの良いことか。空を飛ぶ如く、深海を遊泳する如く。言葉の海は自由です。

少女、というモチーフが世紀末の中核になっておりますが、本記事冒頭yさんのGIFは少女であって、続くムーの特集記事大槻ケンヂもまた脳内に三人の少女が暮らしている事は周知の事柄です。世紀末というディストピアに人間は荒廃の相克である少女を求めるのでしょう。故に少女は海、太陽、始源です。その始源のエネルギーである少女たちが地球を滅ぼしていく。慄然と恐怖の進軍です。そして夜空の下に暮らすZ氏のさかしまな浪漫。一篇の詩です。
目を閉じてZ惑星に思いを馳せたいような、抒情的な読後です。



18漫画「落星紅茶」電気こうたろう

滅亡と終焉の漫画家、電気こうたろう(イエネコゾウ)先生です。先生の数ある名作の中から本作をご紹介致します。「落星」を拾って紅茶にする話。


19音楽「ヨルとヒカリとキミとボク」ノート

そして最後にくにんさんが歌詞を書き、ノートさんがインスピレーションを受けて作詞作曲した歌。ノートさんの唄をこのアンソロジーでも度々取り上げておりますが、心底に沁みます。くにんさんの原詩と比較すると書き加えられた「航空障害灯」の語句が光っています。

航空障害灯(こうくうしょうがいとう)は、夜間に飛行する航空機に対して超高層建築物や管制塔、発電所などの建築物、あるいは煙突、鉄塔といった構築物の存在を示すために使用される赤色または白色の電灯であり、これらは点灯または明るくなったり暗くなったりする明滅を行う。(Wikipedia「航空障害灯」の項)

人の見ている景色には視点があり、そこに心情が重なります。航空障害灯の明滅がノートさんの見ている風景なんですね。

「優しさと弱さ」優しい事は良い事ですが、それは弱さの裏返し。と、弱い事は悪い事とされますが、弱くても良いと私は思います。弱さは克服も打開も生まない、河辺の葦のように艱難辛苦に耐え忍び暴風雨に乍うだけ。もし、それを弱さと呼ぶなら、それは悪いものでは無い。砕氷船の如く前進する力など無くても良い。耐えて氷解を待つ強さがあれば良い。打開しようとする強さなんて、耐える我慢が足りないだけですよ。かつて「ネムキ派」と称された一派がありましたが、一様に社会性とコミュ力に欠ける。滅ぶ時には抵抗なく滅ぶ類の絶滅危惧種でありました。だがしかし。その弱さには非暴力不服従の強さがあったように思いますので、きっと弱い事は悪くないんですよ、くにんさん。威風堂々、弱さを掲げて参りましょう(気弱仲間)。

と、粉々に砕けては再生する二十篇の破滅の物語。眠れぬ夜の奇妙なアンソロジー第39集「明日、地球が粉々になっちゃうんだって」。これにて終幕でございます。


本アンソロジーの企画名は「眠れぬ夜の奇妙なアンソロジー」と、朝日ソノラマ社の名著「眠れぬ夜の奇妙な話(ネムキ)」への表敬から来ておりますが、企画の独自性も高まって参りましたので最近はタイトルを変えて「NEMURENU」にしております。(長いから省略している、という説もあります。)

が、私自身も相変わらず「眠れぬ夜の奇妙なアンソロジー」と書いていますし、ハッシュタグも「ネムキリスペクト」だし。新呼称は全く定着しません。が、こんな事を続けるうちに、呼称やハッシュタグが「NEMURENU」に変化するのかもしれません。
「不易流行」とは時代が変わっても良いものは変わらない、という松尾芭蕉の言葉です。
不易の中に流行を取り入れるべし。家屋が右に傾けば左に寄って、左に傾げば右に寄る。変わらない事を不易と呼ぶのではなく、不易のために変わるのだ。変わる為の変化もあれば、変わらぬ為の変化もある。変化とは。

まだまだ本企画も緩やかに(参加者にとっては目まぐるしく)続きますが宜しくお付き合い下さい。
ご参加の皆様、読者の皆様に感謝を。


眠れぬ夜の奇妙なコメント師

(定型文です)
アンソロジーがまとまると何処からともなく現れる「眠れぬ夜の奇妙なコメント師」。今宵も奇妙なコメントが集まります。

眠れぬ夜の奇妙なコメント師とは・・・

「偏れ!」
大衆に迎合して日和った意見になんの価値がございましょうか。そのような生温い意見に甘んじたいのならば無料SNSにでも行け・・・!(あっ!ココのことだ!)
結局大勢を相手に発信するSNSって受信する側に選択がないので、発信する側が気を遣って意見を中立に保たなくてはいけない。悪くはございませんが、そんな無思想の量産型意見など「あなた」が吐く価値がない。「あなた」しか言えない意見だからこそ価値ってあるんじゃないかしら。「あなた」しか言えない意見だからこそ真の共感が得られるんじゃないかしら。反論のない意見に真の賛成もない。
偏らなければ面白くない!
日和った意見を書き連ねるほど、文筆家は堕落して自分の価値を貶めるんだ。ネットで日和見小説を書くほど真の文筆の道からは遠ざかるんだぜ。

ということで、大いに偏って穿ったご意見を募集しております。
(批判はダメです。)

投稿ルール
・投稿は本アンソロジーをご覧になった方ならどなたでもできます。
・掲載作品の中から最も面白いと思った三作を選んで、下記フォームからコメントをお願いします。
・特定の作品・ユーザーを揶揄・批判していると受け取られ、炎上のおそれがある記載は削除しますので、お気を付け下さい。
・コメントは別名義(コメントネーム)で投票できます。ユーザー名は公表されませんのでご安心ください。
・コメント文は総文字数300文字以上、上限はありません。形式もありません。自由な表現が可能です。
・回答は一人一回に限っています。回答内容は送信後も編集可能です。
・特に投票結果の修正は行いません。
・投票はお気軽にどうぞ。

★フォームの下に長い空行がありますが、「次回テーマアンケート」「次次回テーマ候補」とまだ下にも記事が続きます。(投票締切は8/9 18時です。)

(フォームが表示されない方はこちら)
※ブラウザの環境にもよりますが埋め込まれたフォームから入力しようとした時に、ペーストが出来ません。リンクから別ページでフォームを開くとペーストが出来ます。コメント文を他のツールで作成した時にお試し下さい。

次回テーマの募集中

眠れぬ夜の奇妙なアンソロジーは次回のテーマを公募で決めております。以下の投票フォームから好きなテーマを選んで下さい。(投票締切は8/9 18時です)


(フォームが表示されない方はこちらから)
https://forms.gle/pBr66ozofWwTEQLQ9


次次回のテーマ候補募集

次回テーマの投票の候補も公募にて募集しています。次次回(2021年10月号)のテーマの候補をご応募下さい。以前採用されたテーマでも応募可能です。お好きなテーマは何度でも。一度落ちても何度も応募すれば採用されるかも。

(フォームが表示されない方はこちら)
https://forms.gle/Q6ajx5iTWLDRS8nQA



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