【透明】眠れぬ夜の奇妙なコメント師と次回テーマのおしらせ
眠れぬ夜の奇妙なコメント師とは・・・
NEMURENU第44集【透明】には、多くの方にご参加頂きましてありがとうございました。眠れぬ夜の奇妙なアンソロジーがまとまると、何処からともなく「ヤツラ」がやってくる!今回も、【透明】にコメント師様がやってきましたよ!それでは早速コメント師様たちからお話を頂戴致しましょう!
「眠れぬ夜の奇妙なアンソロジー第44集【透明】はこちら!」
眠れぬ夜の奇妙なコメント師
「Spoil me like butterflies and flowers」さん
コメント師プロフィール
今年の抱負。綺麗になること。ダイエットに成功して、Sipkaの妖精さんイヤーカフを買いに行くこと。髪をエルフ的シルバーにして、ベリーダンスの発表会で妖精さんみたいに舞うこと。弁財天を祀る神社を巡ること。福岡と広島。あと、玉前神社も行く!
コメント師様への質問
「好きな映画」
いっぱいあるんだけど今は「冷たい熱帯魚」。今回のテーマが「透明」だしね。「ボディを透明にするんだ」と云うでんでんが恐ろしすぎる。周期的に園子温祭りを私は必要とする。
「最近心に残ったもの」
グーテ・デ・ロワ ホワイトチョコレート。幻想的美味。
「好きな季節」
夏だったけど、冬に変わった。猫が可愛過ぎて。
「Spoil me like butterflies and flowers」さんが”ファッション”で選ぶ三選
03「知冬のからだ」海亀湾館長
04「OTM」闇夜のカラス
11「みずうみ」武川蔓緖
海亀湾館長氏「知冬のからだ」
海亀湾館長氏の執拗とも云える服装の描写は、何故こんなにも官能的(いやらしい)なのだろうか。
これを読んでそう感じる私が官能的(いらやしい)だけなのだろうか。いつも私は悩んでしまう。私は確かにエイチ(H)かも知れない。しかし。きっと彼の方がエイチ(H)なのではないか!?とも思っているのである。そして絶対にお洒落であるに違いない。
からだの一部が透過してしまう特異体質。斬新!透明人間、一度は皆夢見るだろう。しかし、からだの一部が、なんてねぇ。しかも周期的にその透過する部位は変化してゆくと云うのだから、大変だよねぇ。
>>体が透明だからといって、知冬自身が損なわれたわけではない。それと同じように、体が透明だからといって、好きだというぼくの気持ちが損なわれることはないのだ。
嗚呼、羨ましい。こんな風に私も愛されたい。
秘密と謎に満ちた一部分が透明な恋人への熱い想いに、読者はドキドキしながら読み進める訳であるが。衝撃の結末。
嗚呼、面白かった!
闇夜のカラス氏「OTM」
スッケスケだな、という台詞から始まる短編小説は、透けて見える男性(良いカラダ)の筋肉と乳首についての会話から始まる。闇夜のカラス紙はBL作品がお得意だから、BL作品だと思ってしまった。だって、そのスッケスケなニット、ピンク!
乳首とは、何か。乳頭である。乳とは何か。胸であり、おっぱいである。おっぱいとは何か。男のロマンである、(らしい)。
闇夜のカラス氏の文章には嫌味がない。真っ直ぐで真摯だ。サーヴィス精神旺盛だ。笑いながら読んだ。可愛くて面白い。
T郎の白のロンTに珈琲の染みでできたティクビ(爆笑)。
R美の白いシャツにノーブラの巨乳。目の前の揺れるたわわ。巨乳好きでなくとも、男でなくとも、ねえ。そわそわしちゃうよね。
何よりも面白かったのが、
TSN 乳首(tikubi)スケスケ(sukesuke)ニット(nitto)
OTM オッサン(ossan)の乳首(tikubi)なんて見たくない(mitakunai)
OTM 女の子(onnanoko)の乳首(tikubi)なら見たい(mitai)
ANS アンタの(anta)脳みそ(nomiso)スケスケ(sukesuke)
MOD ママ(mama)のおっぱい(oppai)だいすき(daisuki)
などなど、某元T首相の孫のタレントDのDAI語を駆使した会話。
TOD😊 とっても(tottemo)面白かった(omosirokatta)です(desu)
武川蔓緒氏「みずうみ」
大学生、に私はならなかった。家庭の事情もあったが私は早く独立したかったので、行こうとも思わなかった。
しかし、「みずうみ」に登場するこの作家先生の破天荒過ぎる授業ならば受けてみたい。最後のひとりに選ばれたい。そう思った。一対一の真剣勝負の様な最後の授業。もしも出席していたのなら、どんなものであったのか、とても気になる。
記憶の走馬燈を緊張感のある詩的言葉で彩る。そこには想いが乗っかっていて、言葉の骨が骨折しそうに切ない。言葉自体が想いの重荷の所為で苦しそうなのを感じる。
紫のローブの下にストライプのパジャマ。教授は自分で選んでいるのだろうか。若々しい学生よりもずっと美しかった教授自ら。このセンスはとても興味を惹かれた。
コメントを書く為に、読み直す度、この作品への印象や解釈が変わってゆく。
透明なのはみずうみ?私?恩師?
それとも。
本当はすべて、幻想?
独特の世界に引き摺り込まれたら、戻ってこれなくなりそうな魅力に満ちた作品。ウッドベースの音色を聴きたくなった。
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「空飛ぶ箒」さん
コメント師プロフィール
みんな仲良くボチボチと。ダイニングテーブルよりも炬燵を愛する。
コメント師様に質問
「好きな映画」
ライフ・イズ・ビューティフル
「最近、心に残ったもの」
長毛種のネコを洗ったら、びっくりするほど小さくなった
「好きな季節」
冬 ご飯が美味しい
空飛ぶ箒さんが”文学・哲学”で選ぶ三選
03「知冬のからだ」海亀湾館長
04「OTM」闇夜のカラス
12「猫をなくした男と女」虎馬鹿子
「透明」と聞いて貴方は何を思い浮かべるだろうか。
氷、水晶、空気。あるいは「モノ」ではなくて、純粋さや無垢などの「有様」や「想い」。
今回のテーマは具体的な物や状況ではなく、作者による解釈の度合いが大きく許容されるものである。各作品を読み比べると、そこに込められた「透明」を通して、作者の素の姿を覗くことができるかもしれない。
「猫をなくした男と、女」(虎馬鹿子 氏)
題名の通り本作は男と女が出会い、関係を深める話である。彼らの家庭も含めて淡々と物語が語られる中で、男は飼っていた猫を失い、女は飼っていた犬を失う。やがて、男と女は夫婦となり子供が生まれる。女はその子供の中に失った犬を見つける。男は今も失った猫を探している。それは、犬と猫の違いか、あるいは、男と女の違いか。
本作には具体的な「透明なもの」は出てこない。しかし、男や女、それに、犬や猫の「透明な想い」は、本作を読む者にひしひしと伝わってくるだろう。
「知冬のからだ」 (海亀湾館長 氏)
まず、「身体の一部が透明」という設定が面白い。この設定を考え出した段階で、作品の方向性がおおむね纏まったと言えるほどだ。しかし、著者の筆はそこで止まることを良しとしない。「おおむね纏まった」と思われる方向性へ読者を誘導すると共に伏線を仕掛け、終盤に一気にその意識を裏切る。
読み終わった後に、「やられた」という一種の爽快感を覚えずにはいられない、正に快作である。
「OTM【掌編小説】」 (闇夜のカラス 氏)
本作のほとんどは会話で構成されている。それをくだらないおしゃべりと片付けるのは簡単だが、実は会話の内容だけで読者の興味を引き付け続けるのは、技量のいることなのだ。
エンターテインメント作品を書こうとして書かれたエンターテインメント作品。
FWT(Fufufuto Waratte Tanoshimou)!
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「亡骸三太夫」さん
コメント師様プロフィール
漢中天坑群に月兎と一緒に暮らしている。主食は煎餅。好きな芸能人は羅生門綱五郎。関節が弱い。最近血液が緑色になる。好きな言葉は「鯨骨生物群集」
コメント師様に質問
「好きな映画」好きな映画は塚本晋也監督、白石晃士監督作品。
「最近心に残ったこと」
心に残ったことは初めて入った耳鼻科医の腕を覆う流れるような毛艶。
「好きな季節」
好きな季節は春。温かいから。
「亡骸三太夫」さんが”文学・哲学”で選ぶ三選
05「Z夫人の日記より104」武川蔓緖
06「ニノベハルトと透明な家族」アイウカオ
13「I hate chopin」朝見水葉
今回も皆様、お疲れ様でございました。
この度のテーマは透明。集まった作品を大別すると三つの傾向があるような気が致します。まず二つは精神の透明を描こうとした作品と、物質的な透明を描こうとした作品。
精神の透明は言うなれば純化、清浄の世界です。まさに透明のテーマに相応しいものに思えます。
一方、物質の透明を描いた作品には透明故の汚穢と不純に興じた作品がいくつもある。詰まる所、エロ。工場の工に口腔の口と書いてエロです。
大変にひねくれていらっしゃる。しかし、そうしたひねくれ方、嫌いじゃありません。
分類のもうひとつは関係性の透明。
人間関係は目に見えない。透明なものです。故に不透明です。
その透明と不透明の人間関係を描こうとしたもの。
それぞれの分類に好きな作品があって選ぶのに多岐亡羊と苦心致しますが、我が家の兎に聞いたれば、「人間関係の機微を捉えたものにするのが良かろう」と仰るので、家兎に随って人間関係の透明の蔦葛を描く作品を選びます。
以下。
アイウカオさん「ニノベハルトと透明な家族」
武川蔓緒さん「Z夫人の日記」
朝見水葉さん「I hate chopin」
アイウカオさんの「ニノベハルトと透明な家族」は透明家族に捧げられた供物とも言うべき贈り物がひとつひとつ回収されていく伏線が卓抜に思いました。趣味の無い父の為に買ったデアゴスティーニは、無趣味であったニノベハルト自身の贈り物に変わる。過去の自分/家族から未来の自分/家族への贈り物。その切り替わる視点。
本来であればニノベハルト氏の悲劇は二度あって、事故で家族を失った時と、新しい家族を迎える事で透明の家族を失う時。断腸とも呼ぶべき変革が悲憤を伴わず緩やかに描かれます。悲しい時に泣き、楽しい時に笑う。それでは表現と呼ばない(呼ぶけど)。本小説のように、悲しい時に泣けないからこそ、ドラマが生じる。此処にアイウカオさんの技巧と心優しい人間性が感じられました。面白かったです。
武川蔓緒さんの「Z夫人の日記より」について。そもそもが第104回(最新は105回)という異常数値が先ず愉快で、その蓄積は何処までの機微を含蓄するものであろうと想像するのが楽しい。武川さんの中でZ夫人世界は何処まで広がっているのだろうか。
登場人物は何処まで増えて、何処までの深度で描かれる事になったのだろうか。それらの関係性は何処まで複雑怪奇に変転したのであろう。そして恐ろしい事にその奇書は未だ明後日の方向に航海を続けている。
誰に頼まれた訳でもなく、誰の得になる訳でもない。私共の趣味なるものは、得てしてそのようなものでありますが、そうした私共の「徒労」と「疲弊」は行う事も、見る事も大変愉快なものです。時にその愉快さを失念して困憊と恨み節が多くなる事もありますが、本作品のような精神性を忘れてはいけない、と思います。これまでに紡がれた防大な文量に敬意を表します。
朝見水葉さんの「I hate chopin」。
朝見さんの描く世界は描かれない世界の方が多い、と思うくらいに秘密めいている。物語が透明の中に隠されている。透明というテーマは朝見さんの作品によく馴染む。
本作品は二人の少年少女の祖父祖母にあたる人物達の奇怪な関係に遡る。徹底的に冷遇された祖母。祖父は祖母に対して凡そ愛があるようには見えない。では、ショパンを愛した祖父の愛は何処に向かっていたのだろうか。配偶者に向かわない異常愛を、その非ざる方向に向かう愛を、彼らの子供達が感じながら育ち、彼らの健全なる性愛を阻害した可能性が、見えない暴力の痕跡が本作品には極小の描写で描かれている。だが、察するに。恐らくそれは祖父が異常なのではない。遡及する事幾世代の血族の呪縛なのである、と思われる。壮大な、物語が透明に横臥している。その物語が、現世代の少年少女を圧壊する。呪縛が濃い。この度も読み応えがある作品でした。
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「ゴテンマリシティ」さん
コメント師プロフィール
最近のお気に入りは「Y1000(ヤクルト1000)」
コメント師様に質問
「好きな映画」
好きな映画は「スモーク」「ブルーベルベット」「ミッドナイト・ラン」「セックスと嘘とビデオテープ」
「ゴテンマリシティ」さんが死と弔いと心意気で選ぶ三選
06「ニノベハルトと透明な家族」アイウカオ,
12「猫をなくした男と女」虎馬鹿子
14「ダイ・ア・リトル、ダンス・ザ・タンゴ」ムラサキ
06「ニノベハルトと透明な家族」アイウカオさん
私はこの作品を読んだとき、かつて個人的に交流のあった二人の人物を思い浮かべました。一人は小学四年生のときに転校して以来一度も再会していない同級生。もう一人は、自分より十歳も若いのに突然亡くなってしまったアルバイト仲間。もう数十年が経過していますが、私の中にいる彼らの姿は、今も当時の年齢のままです。
同窓会などで何十年かぶりに再会すると、その瞬間に旧友たちの姿が、当時の面影から現在の加齢した姿に更新されるというのはよくあることですが、死者だとそういうわけにはいきません。死者は、時間が永久に止まったままです。
この小説では、事故で家族を失った十代の主人公が、その喪失した家族とともに一軒家に暮らし続けます。透明な存在となった家族は、成長していく主人公とともに、ペットの死や毎年の記念日を経験しますが、歳は取りません。歳を取りたくても取ることができない存在だからです。従って、彼らは成長することもできません。主人公の記憶にあるまま、家族は成長を止めています。この小説が素晴らしいのは、その透明な家族と普段どおりに接する主人公の淡々とした暮らしぶりを記述する清潔な文章でしょう。過剰なセンチメンタリズムは丁寧に排除され、それが前向きに未来へと進む主人公の姿を、一際印象付ける結果をもたらしているように思います。結婚相手も実は透明家族と暮らしていたという意外性もよかったです。二人のこれから先はもう心配しなくていいと、読者を安心させてくれます。透明家族は、主人公が死者を忘れないでいるための、ひとつの弔いの方法だったのではないでしょうか。読み終えてしばらくたった今、私はそんな風に考えてみたくなっています。
12「猫をなくした男と女」虎馬鹿子さん
昔、作家の安部譲二が飼い猫とテレビに出て猫の良さを語っていたのを観たことがあるのですが、そのとき彼は「猫は膝の上に載せたときに収まりがいい」と言っていて、猫好きの私もその言葉に大きく頷いたのでした。
この作品の中で、男の飼い猫が(客人たちの足元を、くるり、くるりと一周ずつした)り、(にゃーにゃーと女の脚にまとわりつき離れなかった)りする行為は、猫を飼ったことがある人には非常に馴染みのあるもので、(猫はやわらかくあたたかく、膝の上で無防備に安らいだ)りするにいたっては、自分の膝の上に猫の重みすら空想し、私は実際に抱いているような気持ちになりました。少ない言葉でも十分に伝わる書き方であったことは、読み返してみて初めて気付きました。吟味した上で、これだという言葉を選択したような、非常に緻密な小説の作り方をこの作品には感じます。
この小説の読みどころは後半、男と一緒になることに迷い、心が揺れ動いていた女の内面の変化にあると思いますが、そこに作者は(もう、流れがあると見た女は流れた)という独特な言い回しで決めてきます。この(流れる)という言葉はその後にも出てきて、非常に強い印象を与えます。そして最後は大きな愛です。包み込むような大きな愛が登場し、そのあたたかさには、どこか馴染みのあるものとして私の中で思い起こされるようでした。
読了後、何年か前にラジオで俳優の賀来賢人が、世界で一番好きな匂いは自分の赤ちゃんの頭のつむじの匂いだと語っていたのを、私は急に思い出し、自分にはそれを嗅ぐ機会がなかったことをちょっとだけ悔やみました。
14「ダイ・ア・リトル、ダンス・ザ・タンゴ」ムラサキさん
家族の死、ペットの死と続けば、葬儀屋が活躍するこのお話のもとへ自然と辿り着きます。昨年の『ダーリン・イズ・イン・モノクローム』と同系列の持ち味がこの作品に感じます。娯楽映画を観ているようなテンポの良さに、すいすいと目が運ばれて、分量はあるのに一気に読まされてしまいました。とはいえ、これも相当に書く技術がいることで、よくあれだけたくさんの人を動かせるなあと心の底から賞賛したくなります。また、反社な方々の抗争が絡むお話なので、血腥い場面もありますが、それを上回るユーモアがあり、私は読みながらお腹を抱え、何度か声を出して笑いました。つい、キャラクターを現役俳優にあてて読んでみたくなるのも、この小説の良さだと思います。葦原カミートなんかは特に面白いので、誰が適任かをずっと考えていたいです。でも一人二役ですよね、二枚目と三枚目、両方できるような役者がいいかも知れません。杉原龍子も適任がいそうですね。考えるのが楽しいです。葬儀屋の心意気にスカッとして、よい正月映画を脳内スクリーンで堪能しました。
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「トラ子」さん
コメント師プロフィール
次から次へとテーマをあげていたトラ子です。調子に乗ってすみません。
コメント師様に質問
「好きな映画」
『スネーク・フライト』
「トラ子」さんが他薦で選ぶ三選
02「綱」しりん
06「ニノベハルトと透明な家族」アイウカオ
08「ビニール傘」伊藤緑 "「綱」しりんさん
青空文庫を開いているような気分でいたら、ワークワンプラス? あっ、しりんさんでした。
アルファベットが登場しても、ある端正さが保たれたままでいらっしゃるのは、ご本人の文体であるからなのでしょうね。
私、旧仮名遣いで文章を書いてみたいと思いながら、不正確を恐れてできずにおりますが、ふだん自分とその言葉がどうなのかで判断して言葉を積んでいるように、旧字、旧仮名遣いで統一!とかではなくて、そこの「仰ぐ」だけは自分にとって「あふぐ」であるのなら、そう書けばいいし、書いてよいのねと、気づいてみれば当たり前の気づきを、以前に頂戴いたしましたが。
その後日、しりん氏は推敲にあたる作業をせずに、書き始めて書き終えたらアップするらしい知り、ほとんど絶句したのでした。そりゃあ狂気っす。
さぞやささくれに満ちた綱であったのでしょうと想像すると同時に、ダイヤモンドはダイヤモンドでしか磨けないという豆知識を思いました。
「ニノベハルトと透明な家族」アイウカオさん
元祖ネムキといえば、だんぜん高橋葉介推しの私です。
漫画歴を、高橋葉介から始めております。「ミルクがねじを回す時」を兄の書棚で発見し、以来なんど読んだことやら。百回どころではないはずです。初期の筆で描いたような絵とお話の虜になりました。というわけで、「夢幻紳士」もマンガ少年版を一推しします。
「ニノベハルトと透明な家族」は、あの! 絵柄で! 漫画化してほしい。ニノベハルト! 「ニノベハルトと透明な家族」ですよっ!?
はーっ……はーっ……すみません。選挙カーじゃあるまいし、落ち着きます。
高橋葉介をご存知ない方には意味不明の熱狂で、すみません。
「ニノベハルトと透明な家族」にあるあたたかさと諧謔が大好きです。
さすがアイウカオ! さんでいらっしゃいます。
作品ごとに様々な色やお顔を見せてくださるので、「ニノベハルトと透明な家族」を見つけたとき、こんな過去作があったとはと興奮し、たいへん楽しかったです。
「ビニール傘」伊藤緑さん
「透明」というお題で、私が真っ先に思ったのは伊藤緑さんの文章でした。
そこにある透明感はそら恐ろしいくらいで、私に馴染みある時間や空間とは異質ななにかを察せずにはいられません。
多くの作品が「透明」でいらっしゃいましたが、あえての直球で「ビニール傘」というタイトルの「詩」を他薦させていただきました。
私、ビニール傘が大好きで、その見た目も、在りかたも、まさに美を体現しているとうっとりしておりましたら世間の評価はまるで逆さと知りショックを受けたJKのお年頃でありました。
当時と比べて、ビニール傘は目に余るいや失礼、目覚ましい進化を遂げております。自分以外にもビニール傘を愛した人々によってそうなったことを、誰に確認したわけでもなく信じられますが、そうして、かつてあった美のいくつかは失われました。ビニール傘が生き残るためには致し方なかったのでしょう。
伊藤緑さんの「ビニール傘」には、今はなき美もあますところなく描写されていて、うれしかったです。
コメント師の皆様、いつも温かいコメントをありがとうございます!
アンソロジーに参加するクリエイターの一人として、皆様からのご金言、大変励みになります!
むかし、私がこのようにネットの片隅で拙文を書き出した時には、世界から何の反応もなく、毎日海に向かって小石を投ずるような行為でございましたが、いまはコメントを送り合ったり、このような企画が成立したりと有難いお話です。世の中に文章を書く方がいるように思えませんでしたし、このような繋がりが持てるとは思わなかったですねえ。
コメント師の皆様、クリエイターの皆様、是非今後とも宜しくお願い致します!
次月のテーマ決定!NEMURENU45th
コメント師募集と同時に開催されました次回テーマの投票は以下の結果になりました。
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「朝起きてカーテンを開ける」
きたきた、また変な、と言っては失礼ですが、「ニッチ」なテーマが。
一体、どのような方がこのようなテーマを投稿されるのか。このような変な、と言っては失礼ですが、「ニッチ」なテーマが決定してしまうのが、当企画の恐ろしいところですね。
朝起きてカーテンを開ける・・・かあ。当然ながら、書いたことのない類のテーマです。私は自作品に於いて、朝起きてカーテンを開けた事がありません!一体、何を書こうかなあ・・・。
という訳で「朝起きてカーテンを開ける」作品が沢山集まるアンソロジー「NEMURENU45th」は1月末日(頃)締切りです。どんなアンソロジーが出来上がるものか、全く想像が付きません。スリリングです。
文芸、イラスト、音楽、写真、ジャンルは問いません!
自薦、他薦問いません。
たくさんの「朝カーテン」の作品お待ちしております!
次々回テーマ募集中
眠れぬ夜の奇妙なアンソロジーのテーマは公募によって決まっております。書いてみたいテーマ、見てみたいテーマをお寄せ下さい!
変なテーマも歓迎です!次々回テーマの募集も月末までになっております。
巻末に寄せて
当月も無事にアンソロジーを締めることができました。
ひとえにご参加下さる皆様と、ご覧下さる皆様のおかげと思っております。
創作は時間を積めばできるというものでもなく、いかなる文章も相応の辛苦を伴うもの。そうした苦労を共にして、本企画にお付き合い下さる皆様に、そうして生まれた作品に目を通して下さる皆様に深い感謝を捧げます。
#小説 #ネムキリスペクト #透明 #朝起きてカーテンを開ける