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いつか


背中についていない目を
音も立てずに盗むのは
決まって悪だくみ

降り出してしまえば
通ろうと止まなかろうと
雨は雨だし濡れもする

いつか立ち入り禁止の踊り場で
きみと夕日に弱音を焼いた

こんなにつらいよねと
一生ぶんの手のひらを
ともにめいっぱい掲げた

もう預けられない背中を
あてもなくただ揺らすのは
さながらやじろべえ

いつかしゃがみ込んだ道端で
傘を差さずに立てるよう

喉を乾かしうたえるよう


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