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名人戦と地域振興

名人戦第5局の開催が決まりました。
日程は5/31~6/1、会場は高山村の緑霞山宿 藤井荘。
地元は「藤井荘に藤井聡太がやってくるー!」と大盛りあがり(笑)

対局は先日の第4局終了時点で藤井壮太竜王の3勝1敗。
七冠かつ史上最年少名人の誕生なるか、歴史的勝負の舞台となりそうな様相も呈してきました。

始まりは女将が踏み出した一歩から

藤井荘が名人戦の会場に初めて応募したのは2019年のこと。
その時の様子がこちらの記事に書かれています。

将棋は素人の女将が日本将棋連盟に直接電話し問合せたことからスタート。
地域を含めての公募制と知るや村長に直談判で了承を得て応募にこぎつけたとのこと。
このときはあえなく落選したもののその後の努力が実り、2021年に初めて会場に選ばれました。
だから藤井荘に名人戦がやってくるのは今回で2回目となります。

なぜ名人戦の誘致なのか

印象に残ったのは、なぜ女将が名人戦を誘致したいと思ったのか。
先の記事の中で次のように語っています。

日本旅館を運営する者として、日本文化を伝えていける場であるためにどうすればいいかを考えていました。

藤井荘は山田温泉にあり、森鷗外や与謝野晶子らも訪れた創業200年以上の老舗旅館。
女将が藤井荘に嫁いだ30年ほど前は温泉街にも活気があったそう。
そんな高山村も、

バブル崩壊やリーマンショックなどで景気が冷え込み、年々賑わいがなくなっていました。

そうした中で、名人戦開催が地域振興にもつながれば・・・そんな思いで応募に動き出したそうです。

〇〇は地域の公器

「企業は社会の公器」。
私の勤めるパナソニック・松下幸之助創業者の言葉です。
人材、資金、物資など、企業を経営するにあたってのあらゆる資源は、すべて社会が生み出したもの。
資源を社会から預かり事業活動を行っている以上、自社の利益の追求のみならず社会に貢献していく使命がある、そういう意味です。
先の記事で女将の想いを知り、この言葉を思い出しました。

「社会」を「地域」と置き換えても同じ。
その地域で事業を営む者は、皆その地から資源を預かっているのではないでしょうか。
加えて、ひとりの個人した場合も、私は同じと考えています。
先代の地域住民が育んできた自然や景観、伝統、文化、生活インフラ等の上で今の自分の暮らしがあのではないでしょうか。
企業も事業者も個人も、皆その地から何らかの預かりものをして成り立っているように思うのです。

藤井荘に話を戻して、自らの利益の追求でなく温泉街が盛り上がれば・・・女将の心意気からこれらにに通じるものを感じました。
実際のところ、

藤井荘は開催中の3日間は貸し切りになりますが、山田温泉の他の旅館はすでにその期間の予約がかなり入っていると聞いています。

と温泉街全体の活気に繋がっている様子。

企業、事業者、個人などから地域のために一歩踏み出す人が少しでも多く出てくることを願います。

なにも大きなことでなくとも、地域の中での自分の役割を見つめて、いまの自分にできることを。
そんな思いで行動する人が増えれば、地域はそれだけ元気を取り戻していく。

藤井荘の名人戦誘致の経緯を知り、そんな気がしました。


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