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アクター紹介:大神ヨシロウ(ガミさん)『仲間想いの一匹狼』

大神ヨシロウは、狼みたいな俳優だ。

 大神ヨシロウ(ガミさん)。アクタボンW代表・最年長。

イメージカラー、紫色。クール熱血漢。

「ガミさんってどんな人?」と聞かれれば、僕は「狼みたいな人だ」と答えたい。

 ガミさんは、アクタボンで最も濃い役者歴を持つ役者だ。

 アクタボンはこれから始まっていく走り出しプロジェクト。演劇経験も長くはないメンバーがほとんどで、また、各々がそれぞれのフィールドに向いているアクタボンのなかで、舞台役者として基礎を積み上げ経験を踏んできたガミさんの存在は大きい。

 物語の役割を見極める、与えられた役に徹する。役者の仕事。

「このキャラ、どこまで遊んでいいの?(─何やり取りか経て─)了解」

『キャラクターピックアップ公演 未知標奇跡編』でガミさんが演じる剣筋剣士(つるぎすじけんし)は、面白いキャラクターだ。

 輪廻転生した魂、侍の生まれ変わり。

 時代錯誤の堅物──でありながら、未知標奇跡に対して世話焼き爺やのように尽くす、ちょっと滑稽な役どころ。

 いままで登場してきたアクタボンワールドにはなかなかいなかった、コメディ気質の高いキャラクター。常に木刀を携えた剣道着姿で、せかせかと動く滑稽者。

──対して。

「ハザマは怪我も病気もしたことない、無病息災の超健康体リーマンですから。目を腫らしたり、剃刀負けとかもしちゃ駄目ですよ」

 これはアクタボンの第二回本公演『七つの退屈』の稽古期間中、僕がガミさんにずっと言い続けていたことだ。

『七つの退屈』のときにガミさんが演じた未処方硲(やくいらずはざま)は、怪我も病気もしたことがない健康体のサラリーマンだ。

 だからそれを舞台上で演じる彼の身体に傷のひとつでも付いていれば、途端に物語世界はリアリティを欠いてしまう。

 しかも、そんなトンデモ体質なくせに(が故に)登場人物のだれよりも"普通な人間"である。

 そんな、ある意味最も異質で異様なキャラクターを演じ切ったのは、ガミさんの実力の賜物だ。

 未処方硲も剣筋剣士。この2人のキャラクターとしての性質は真反対もいいところだ。

 静と動。現代を受け入れるサラリーマンと時代錯誤の侍。折り目正しいスーツと汗びっしょりの剣道着。

 真逆の役どころ。

 剣筋剣士は、ガミさんがやりたがっていた『侍』の役。【健康】の殻を脱ぎ捨てた彼が舞台上で解放されたとき、どのようの芝居を見せるのか。楽しみである。

 大神ヨシロウは、狼みたいな俳優だ。

 決して一人では狩らず、群れを成して行動する──オオカミの習性。

 仲間想いの一匹狼。クールに見えて熱血漢。

 ガミさんは、みんなのことをちゃんとよく見てくれている。メンバーの芝居のくせや上達するために必要なことを、しっかり把握してくれている。

「アクタボンは、絶対に最高のエンターテインメントになれるって信じてます」

『七つの退屈』のときに、ガミさんが言ってくれた言葉。

 大神ヨシロウは今回も、舞台の上で虚構に生きる役割を演じる。自分を目一杯表現しながら。

 この言葉を、"ほんとう"にするために

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