大人の着ぐるみを脱げ

子供の頃の話。僕は勉強が苦手で逃げてた。授業でわからないことがあって手をあげた。先生は答えてくれた。それでもわからなかったのでもう一度手をあげた。クラス中が失笑した。職員室に聞きに行った。先生はめんどくさそうに答えてくれた。

そのめんどくさそうな顔やその失笑が怖くてそれから聞くのをやめた。中学の時、テストの時、結果の順位を1位から10位までしか発表しない。僕は79人中79位だった。

それは小学校の早めのうちからついてくことを諦めてたからだ。親にはマンツーマンの塾に行かされた。その塾の先生は眠かったら寝ていいよと言ってくれて、いつも先生と2人で寝てた。もちろん成績が上がらないので塾はやめさせられた。

話は戻るけど79人中79位は恥ずかしいことだけどまわりに公表されないからおれはいつも友達に「お前の順位は何位?」と聞かれて「あと少しやったのに、、悔しくて言いたくない!」とあたかも張り出されるギリギリの11位のような顔をしてやり過ごしていた。

子供ながらに自分だけが知らずに笑われるのが嫌で怖くて聞くことをやめた。聞くことをやめ、同時に知ることもやめた。勉強についていけず高校を中退した。そして唯一やりたかった芸人になろうと大阪に行き10年後にいまの相方中川パラダイスとコンビを組みフジテレビのTHEMANZAIという大会で日本一になった。その大会はM-1が一度終了した時期があってそのタイミングで行われた漫才の大会だ。

そこで優勝し、フジテレビのいろんな番組に呼んでもらった。その中ですべらない話という番組に当時よく出演させてもらってた。(一生分すべったのに)すべらない話のプロデューサーが次のゲストコメンテーターを探していた。

ニュースなんて全く見ないし興味なかったけどテレビに出たい一心で出させてほしいと言って出演させてもらった。

そこでわからないことをわからないと言ったり素直に発言する姿をアベマTVのAbemaPrimeという番組が気に入ってくれて呼んでもらった。

その時、コメンテーターに元NHKの堀潤というジャーナリストがいた。番組終わり彼の後を追いかけ「衆議院と参議院てなんですか!!」と質問をした。おれはMCがこんなことを聞くのは非常に恥ずかしいと思ったけど今はそんなこと言ってる場合じゃない、と思い、声をかけた。

彼は飲みに誘ってくれてその日から定期的に彼から原発や沖縄の基地の話を聞かせてもらった。学校の勉強やマンツーマンの塾でもすぐ投げ出してたおれは彼との勉強は楽しかった。なぜならおれの子供のようなシンプルな質問に「面白い視点ですね」「いいポイントですね」と言ってくれた。褒められると聞くのが楽しくなった。その時に子供の頃からのトラウマだった「聞くこと」「知ること」の楽しさを知った。何回手をあげても笑われないこと、どんだけ掘り下げて聞いても答えてくれて、時にはわからないから一緒に考えようと言ってくれた。僕は一度、同期のキングコングの西野が子供に絵の描き方を聞かれ「一緒に考えよう」と言ったという話を聞いた方がある。その言葉が好きだ。どうしても「先生という立場」になると先生として知らないとダメだ、期待に応えないとガッカリされると勝手なプレッシャーを感じて知らないことを知ったかのように話してしまう。大人はそうだ、子供の質問に大人として答えないといけないと思い、話の逸らし方だけが上手くなっていく。

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大人の着ぐるみを脱げ

村本大輔

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村本大輔 ウーマンラッシュアワー という漫才師 定期的にzoomで独演会もやってます。 いつかここに書いた言葉を本に出来たら。※無断転載禁止

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ふとした時に読み返したい記事をまとめます。

コメント (8)
勉強は疑問を持つ事から始まり、質問する事が大切ですよね。。
解答はすぐ出ない時は、身分や上下関係なしに一緒に考える姿勢が大事だと思います。。
そこから興味がわき、掘り下げられていき、身に染み着く。

「ニュースも、すべて、情報を知るのではない、誰かの痛みを知るということ」
と言う所に、村本さんの人間らしい優しさの原点が伺われると思います。

一小節毎に結論があって、彼の言いたい事が わかりやすくなっていて、いいnoteだと思います。
伝わりました。
読み物になっている
見事です

私も興味を持った人、好きだと思った人に会いに(見に)行く。
そこで失望するときもあるし、その人達から他の興味ある人が見つかっていくことも多々ある。
知らないことを知るのって、最高の娯楽だよね。
情報を知るより誰かの痛みを知る大人に自分もなりたい。
分からないことを分かったフリをせず「一緒に考えてみよう」と言える大人になりたい。
色んな痛みを感じとれない鈍感な人になりたくない。
そう思いました。
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