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#24 たかが木の棒、されど木の棒 ーミズナラスティックー

前回「木のおもちゃ」について書きましたが、木といえば我が家(主人宛)に最近「木の棒(スティック)」が届きました。

魔法のスティック、ミズナラスティック

木の棒を見るなり、大はしゃぎする主人。
カブトムシでも買うのかな?と思ったら、ウイスキーが入った瓶に入れるではありませんか。

とてもビックリしました…。

聞くと、これはウイスキーや焼酎の瓶に入れるだけで、手軽に熟成された風味が味わえるという超画期的な木の棒「ミズナラスティック」らしいです。
(入れてから24時間ほど時間をおくとさらにGOOD)

熟成に使用される樽と同じミズナラ材に、樽に施す 『焼き』を入れることで、お酒に独特の香りを移す…という仕組みで、お手頃価格のウイスキーでもリッチな味わいに大変身。

※全てのウイスキーがミズナラ樽で熟成されているわけではないため、ウイスキーによってはミズナラスティックを入れて「うーん、イマイチ」になる場合もあるようです。
(主人曰く、山崎のNVは非常に相性が良かったそうです)

ミズナラの香りは線香などに使われる白檀や伽羅の香りに似ており、日本人に馴染み深いため、ミズナラスティックは3年ほど前からウイスキー愛好家の間で話題になっているのだそう。
半年前からウイスキーブームの主人も、ミズナラスティックにウキウキです。


数年前からじわじわと世界的にジャパニーズウイスキーブームがきていましたが、ウクライナショックでさらにウイスキーの価格も高騰し、最近は多くの酒屋さんで国産はもちろん、ウイスキーの品薄状態が続いています。

ネットでウイスキーを見つけても高値で取引されることが多いようで、そんな中、純粋にウイスキーの味合いを楽しみたい人たちにとって「ミズナラスティック」は、まさに魔法のスティックなんですね。

ミズナラとジャパニーズウイスキー

前述の通り全てのウイスキー樽がミズナラというわけではなく、実はミズナラ樽を使用して熟成させるのはごく僅かなウイスキーだけだそうです。
しかもそのほとんどは名だたるジャパニーズウイスキー。

元々ジャパニーズウイスキーは、ミズナラ樽ではなく海外産のオーク樽で熟成させるのが主流だったそうです。

ミズナラ樽のウイスキーを初めて利用したのは、サントリーさんです。
(国産ウイスキーの生産に最初に挑戦したのも、サントリーさんだそうです!)

当初はヨーロッパから輸入したオーク樽を輸入して使用していたそうですが、太平洋戦争によって輸入が困難となり、国内で最適な樽として選ばれたのが北海道が主産地のオーク「ミズナラ」でした。

ミズナラに代替が決まりましたが、木の香りが強く、最初の頃は評価が高くなかったそうです。
新樽で熟成した場合は強すぎた香りですが、試行錯誤の結果、樽を繰り返し使うことで独特の香りをウイスキーにもたらすことがわかり、ジャパニーズウイスキーの主流はミズナラ樽となりました。
(サントリーさんの企業努力は、凄まじいものだったと想像します)

しかし、それも戦後しばらくまでだったそうです。

というのも、ミズナラの木が樽材に使用できるほど成長するまでには長い年月がかかるのに加えて、加工の難しさもありコストも高くなってしまうからです。
(実際に樽にできるミズナラは、なんと樹齢200年以上!)

戦後安価な海外産のオーク材が輸入できるようになると、次第にミズナラ樽からの代替が進んでいきます。

それでも独特な香りで根強いファンが多いミズナラ樽のウイスキー。
今でも複数の企業が生産を続けており、高い人気を博しています。


そして先日我が家にやってきた、ミズナラスティック。

たかが木の棒。
されど、木の棒。

ミズナラスティックもさることながら、木の香りが与える影響力に驚きです。
実際、木が人体に与える影響について分析した論文も多く見られ、その効果は科学的に証明され始めています。

村松工建の家づくりにも沢山の木材を使用しますが、やっぱり木って奥深いです。
香り、触り心地、音響、その他いろいろな性質で私たちに心地良さを感じさせてくれる木。
その木のチカラを借りながら、今日もトントン、カンカン、真心込めて家づくりに励みます!





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