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スカウトを効果的に運用するための全体設計について

・スカウトを使えば採用ができる
・スカウトを使えば必ず良い人に会える

採用獲得競争が激化する中でスカウトは採用活動の大きなチャネルとなりました。実際にスカウトを通じて、これまで出会えなかった候補者と接触し採用につながるケースも数多く増えてきました。

一方でスカウトを活用すれば必ず良い人を採用できるわけではなく、スカウトに代表されるダイレクトリクルーティングは万能薬ではありません。

今回はそんなスカウトの役割、設計、効果的な使い方について解説します。

スカウトの役割

まずはスカウトの役割を考えていきましょう。候補者との接触だけがだけがスカウトの役割ではありません。

有効候補者との接触

1番想起しやすいのが候補者との接触です。中途採用なら短期〜中期で採用ポジションにマッチする方、新卒採用なら1-2年後に入社する方にスカウトを通じて接触していきます。

カジュアル面談を中心にお互いを知る場を設けることで、候補者のアトラクトをしていきます。

中長期のタレントプール形成(網を張る)

採用においてタイミングは非常に重要な要素です。

「あの時話したところから3年後に繋がりました」なんてケースは採用界隈ではよく聞きます。

こういったシーンを生み出すためには、前々から網を張っておく必要があります。

網を張るメリット
・急なHCの増減に対応しやすい
・候補者のタイミングの変化に合わせてすぐにコンタクトがとれる

これをATSやスプレッドシートなどで適切に管理しておけば、会社の状況の変化に合わせてすぐにアクションをすることができます。

マーケットの理解

スカウトサービスにあって、キャリアサイトやリファラルにないものといえば、候補者のデータを介してマーケットを知ることができる点です。

  • どれくらいの条件提示を出せばconpetitiveなのか 

  • 自社は他社と比較してどのような立ち位置なのか

客観的にマーケットを知ることで、課題設定やアクションの精度も向上できるでしょう。

他にもスカウトを色んな切り口で見れば、色んな役割がありますが代表的な要素をご紹介しました。

全体像を描きデータで考える

スカウトの役割が理解できたと思うので、次は採用全体におけるスカウトの役割をデータと併せて考えてます。

スカウトは一手段でしかない

採用はスカウトだけではなく、自主応募、リファラルなど様々なチャネルがあります。

スカウトをミクロで見過ぎず、全体の中でどのように位置づけるのがベターか?という視点で考えるのが重要です。

過去の採用データを見る

これまでの採用データを全体の数値だけでなく、ポジションごとのチャネルや年次まで細かくみていくことが大事です。

全体傾向や特定のポジションのデータを元に、どのようなアプローチをすれば、どれくらいの採用ができそうか、という目安をデータを元に立てます。

ギャップを埋める施策を考える

採用目標がX名の場合、「リファラル採用で4割、媒体掲載で4割、残りの2割を補填するための手段としてスカウトを活用する」といった形で、スカウトを全体像のどこに位置付けるかを考えます。

よくある間違いパターン
・全ポジションをスカウトにする
・次Qの採用を全てスカウトにする

特に新しくスカウトを始める場合、データも無い中で始める場合は、詳細に検討する必要があります。

スカウトは魔法の杖ではないので、全体設計の中でどのギャップを埋めるために使うか?という視点は重要です。

適切な媒体選定

スカウトの媒体は近年かなり増えてきました。カオスマップを見ても分類が難しいくらいに増えてきていると思います。

しかし、お金と時間を投入する以上、どの媒体を選べば最も効果を発揮できそうかについて考える必要がありむす。

適切な媒体を選ぶためにリサーチ

スカウトで採用すべきポジション、採用要件、年収条件などの目星を決めた後には、そこにマッチする媒体をリサーチします。

チェックすべき項目
・候補者の数
・アクティブ率
・同規模同業界のスカウト返信率
・好事例と失敗事例
・費用
・運用工数

このような形で選定した媒体ごとに比較し、最終的に選定をします。

スカウト運用方針の策定

使うスカウト媒体が決まれば、成果を出すための運用方針の策定をしましょう。

仮の数値設計

過去の採用データを元にファネルごとの数値を設計します。そこに対して月に一度データを取得し、その翌月の数値に乖離があるところを修正していくようにしましょう。

行動量を可視化

数値に対して期限通りにアプローチできるように運用するメンバーの行動量を可視化しましょう。地道に行動しないと何も見えないので、数値化して判断できる状態をつくることは大事です。

ABテストを実践する

スカウト文面やタイトルは工夫すればするほど良くなっていく余地があります。スカウト通数は限られているものの、できればABテストを実施しながら各社にとっての最適解を見つけていくことが重要です。

まとめ

今回はスカウトをミクロではなく全体像から捉え、どのような運用を設計していくかについて解説しました。

エグゼキューションは重要ですが、効果を高めるための全体設計やモニタリングモデルを作ることはさらに重要といえそうです。

スカウトの一部について解説しましたが、また新しい気づきがあればnoteにまとめたいと思います。